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クチブトゾウムシの検索表を作ってみた

先日来、マンションの廊下に体長5-6mmの小さいゾウムシが来ていました。



背中に特徴的な模様があるので、図鑑と見比べ、また、上翅に生えている毛の長さで区別できるという記述からツンプトクチブトゾウムシだろうというブログを書きました。その後、ゾウムシについて詳しく書いている日本産ゾウムシデータベースというHPを見つけました。そこでは、分類が変わってきていて、ツンプトクチブトゾウムシという名前のゾウムシはすでに無くなってしまい、ケブカクチブトゾウムシに合流されたようになっていました。そこで、ケブカクチブトゾウムシの周辺での分類の変遷をブログに書きました。

しかし、そのとき新しい分類を書いた文献が手元になく、また、図鑑には出ていない種が新たに記載されているということも分かりました。そこで、森本桂ほか著、"The Insects of Japan Vol. 3 (日本の昆虫3)"櫂歌書房 (2006)という本を、大学の図書館から借りてきて読んでみました。

ケブカクチブトゾウムシはゾウムシ科クチブトゾウムシ亜科クチブトゾウムシ族Myllocerina亜族に属しているようです。その亜族には13の属が属しています。その検索表も出ているのですが、私のような素人にとっては、分類の専門家の作る検索表というのは難物中の難物です。そもそも用語が分からない、〇〇状という形容が良く分からない、それに、一回つまづくともう先には進めないからです。なぜ、用語が分かるような図を横に載せてくれないのかが不思議なのですが、検索表というのはそもそも専門家の専門家のための検索表になっているからです。

そこで、自分なりに検索表や属の説明を読んで、それぞれの特徴を表にまとめてみようと思いました(あくまでも素人の私が作ったので、間違っているところが多いということを念頭に置いて見てください)。



pdf版はホームページに載せておきます。

ケブカクチブトゾウムシはLepidepistomodesという属に入っています。その属の種の検索表も表の形にしてみました。



この表をみると、検索に必要なキーとなるいくつかの部位があることが分かります(生殖器に関わる部分は解剖をしないといけないので除いてあります)。例えば、大顎、口上板、前胸背板、下唇前基節などなどです。そこで、先日採集してきたゾウムシでその部位がどこに当たるのかを調べてみました。手元によい文献がなかったので、部位の名前を日本語で検索し、それでなければ、英語に直して検索して、ネット上や文献から判断しました。多分、だいぶ間違っていると思いますが、とりあえず、それらの部位を写真に入れてみると、次のようになります。



クチブトゾウムシの背側の全体像と上翅の拡大です。アンダーラインを引いた文章は検索で必要な項目を示しています。



これは腹側です。



上半分の拡大です。



顔の部分の拡大です。この口上板が検索に多く登場します。



口の部分を下から見たものです。下唇前基節も検索で重要な部分です。

Lepidepistomodes属の検索のポイントは、先ほどの表で見ると、口上板に鱗片があるかどうか、下唇前基節の剛毛の数は何本かという点に絞られます。上の写真でも分かりますが、私の採集した個体は鱗片があり、剛毛の数は2本でした。そこで、Lepidepistomodes属であることが分かります。この属はメスしか見つかっていないので、単為生殖をしているらしいと書いてありました。

さらに種の検索に移ります。ここで、重要なポイントは前胸後縁が直線状か2湾状かという点です。写真でも分かりますが、中央がわずかに突き出しているので、2湾状だということで、キュウシュウを除外できます。さらに、大きさが6.2mmありましたので、コカシワは除外できそうです。後は上翅の鱗片の色が黄色なので、緑色というほかの種を除外でき、やはり、ケブカかなということになります。しかし、ケブカの最大の特徴である、「前胸前縁が弓状に張る」という特徴がいまいちピンと来ません。ほかの種と比較してみないと確定できないというのが現状です。
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