廊下のむし探検 ヒシバッタ、ガガンボほか
廊下のむし探検 第700弾
昨日の「廊下のむし探検」の結果で、昨日出した蛾の続きです。
今日の最初はヒシバッタからです。ヒシバッタがいたら、横からだけでなく上からも写さないといけないと覚えていたので、横と上から写してみました。この写真だけからどこまで分かるのか調べてみました。参考にしたのは次の本です。
日本直翅類学会編、「バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑」(北大出版、2006).
この中の検索表を使って、上の写真を調べてみました。たぶん、ハラヒシバッタあたりかなと思ったので、それに至る部分だけを抜粋して載せると次のようになります。
この項目を上記の写真に当てはめてみます。番号は上記の本に載っている検索項目の番号です。
これは一番上の写真を横向きにしたものです。
後ろの部分を拡大してみました。面白い形の産卵管が見えています。
真上からと前胸背板前域を拡大したものです。詳細は省きますが、気になった部分だけ書いてみると、13の前胸背板の前域は拡大図に示すように正方形に近い長方形です。15の後翅が写真ではほとんど見えないのですが、かすかに見えている部分がそうではないかと思います。ヒシバッタ属まではこの写真でほぼ完全に理解出来ました。問題は種への検索で、ハラヒシバッタかどうかを確定するには、正面からの写真も撮らないといけなかったみたいです。産卵管もうまく写ったのですが、これが太いか細いかは相対的なのでよく分かりません。ということで、結局、この辺でストップすることになってしまいました。やはり採集しないといけないかな。
次はガガンボです。ガガンボはいつもガガンボ類としているだけだったので、これも写真でどこまで分かるか調べてみました。参考にしたのは
川合禎次、谷田一三共編、「日本産水生昆虫」、東海大学出版会 (2005).
といつもの「絵解きで調べる昆虫」です。ただし、この間も書いたように翅脈の名称が本によって違っているので、「日本産水生昆虫」に合わせて書いてみました。まず、科の検索は次の通りです。
次にガガンボ科の属への検索は「日本産水生昆虫」に載っている検索表を用いました。
11以降はもやもやしているので、すべてを書いていますが、それ以前は抜粋です。上の写真からどこまで分かるか調べてみます。
上は翅全体、下はその部分の拡大です。検索表に出てきた番号を写真に書き込みました。詳細は省略しますが、ちょっと気になった点だけ書いてみます。検索表の中には触角に関する部分もかなりあったので、触角も撮らないといけないなと思いました。10に「M4脈はM3脈と共通部分を持つ」という項目があるのですが、非常に分かりにくかったです。上に拡大写真がありますが、ほんの僅かな距離ですが、共通部分があることが分かります。
属まで達するには、11に前脛節の距棘があるかどうかという項目があるのですが、これを撮らないといけなかったようです。従って、ここでストップです。脚に白い帯状紋がないので、結局、マエキガガンボ属かガガンボ属ということになります。「日本産水性昆虫」には、マエキガガンボ属には6種、ガガンボ属には16亜属109種があるとのことで、種まではまだまだ先が長いですね。
もう1匹ガガンボがいたのですが、これもマエキガガンボ属かガガンボ属の♂になりました。
先日見つけたヒメクモバチらしい巣ですが、3日経ってだいぶ進んでいました。1日か1日半に1個ずつ作るみたいですね。
その他の虫です。
これはクサギカメムシの幼虫でしょうね。
チラカゲロウ。
ひっくり返っていたのは、
カナブンでした。
綺麗なコメツキです。これは調べれば名前が分かるかな。
ヤガタアリグモでしょうか。
それにムカデの幼体でした。
探すといろいろといますね。写真から何とか種の同定ができるといいなと思って、頑張っています。
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