クサカゲロウの顔比べ
先日からマンションの廊下にはいろいろな種類のクサカゲロウが出始めました。ついでだから、検索をしてみようと思って少し採集してきました。
記録に残しておこうと顕微鏡で顔を撮影しようとするのですが、クサカゲロウの顔くらいが一番撮りにくい大きさでした。実体顕微鏡ではちょっと小さすぎるし(ズーム最大5.6x)、生物顕微鏡ではちょっと大きすぎるしということで・・・。実体顕微鏡でも撮れることは撮れるのですが、おそらく解像度がの問題だと思うのですが、深度合成をすると周辺が乱れてしまってとても見られるような写真にはなりません。
それで、いろいろと試していたのですが、以前試みたことがあったミラーレス一眼を使ってみることにしました。これまでは実体顕微鏡の実像を直接レンズをはずした一眼レフカメラに入れていたのですが、今回はミラーレス一眼に接眼レンズを取り付け、顕微鏡で作った実像を接眼レンズでさらに拡大するような配置にしてみました。すると、結構、うまく撮れることが分かりました。
実像を作って、それを接眼レンズで見るようにしたので、結構、長くなってしまいました。上の3つは一体になっています。その下には長さを調節するために、Nikon Fマウントアダプターと中国製の接写リング「近摂接圏」をつなげています。カメラ部分は固定しないで、ただ嵌めこむだけにして、リモコンを使って撮影しています。これで焦点位置を変えながら30-50枚ほど撮影し、CombineZPを使って深度合成をしています。
先日話題になったリング照明も取り付けています。撮影対象が光ったりしてコントラストが強すぎる場合はトレーシングペーパを巻いた拡散板を置いて撮影していますが、クサカゲロウのように薄い色の場合はむしろコントラストが弱くなりすぎるために、顕微鏡の照明で直接照明するか、それに加えてリング照明を補助照明として使っています。
手元にある5種のクサカゲロウとその顔の拡大を載せていきます。
まずはこの間も載せたヨツボシクサカゲロウです。これはクサカゲロウ属に属しています。今年の5月1日採集して、そのまま保存用の毒瓶に入れておいたものです。4つの黒い点があります。
次はヒメクサカゲロウ属のスズキクサカゲロウです。頬に丸い模様と曲がった柄のような模様があります。小鰓肢、下唇肢ともに黒くなっています。この写真はちょっと失敗でした。向かって左側の小鰓肢はうまく写っていますが、右側は模様を少し隠してしまいました。さらに先端が写っていません。これは6月12日採集のものです。
これはニセコクサカゲロウ属のフタモンクサカゲロウで、6月12日頃採集したものです。頬に黒い点が1つずつあります。それ以外は色がついていません。
このクサカゲロウはややこしい模様がありますが、ニセコクサカゲロウ属のイツホシアカマダラクサカゲロウだと思われます。これは6月12日採集しました。触角の間に黒い点があります。顔にはややこしい模様があり、また、小鰓肢、下唇肢も黒くなっています。これも片方の小鰓肢が模様の一部を隠してしまいました。なかなか思うようなポーズを取ってくれませんね。下の左右に変なものが写っているのは、脚の先の爪が写ってしまったものです。
最後はこの間から問題になっているクサカゲロウです。私はユメクサカゲロウ属のマボロシクサカゲロウではないかと思っています。顔にも、口肢にもまったく模様がありません。
検索はまだしていないので、種名はややあやしいものもあります。(上から4番目のイツホシアカマダラクサカゲロウは怪しいかなと思っていたのですが、検索の結果は大丈夫みたいです)
(追記:NIKON D90を直接顕微鏡に取り付けた場合と、NIKON 1 V1を接眼レンズを介して取り付けた場合の像倍率を測定しました。測定方法は、対物ミクロを撮影し、1mmの目盛りが何ピクセルになるかを測り、さらに、それを実際の大きさに直して求めます。まず、NIKON D90では実測の結果、対物ミクロの1 mmは1002.0 pixelに相当します。カタログによると、このカメラのイメージセンサーの大きさは23.6×15.8 mm^2で、これが4288×2848 pixelに相当します。従って、1 pixel=5.50μmになるので、これから計算すると1 mmのスケールがイメージセンサー上で5.51 mmになっていることになります。つまり、倍率は5.51倍です。
同じことを接眼レンズ付きのNIKON 1 V1でやってみると、対物ミクロの1 mmは1656.1 pixel。イメージセンサーの大きさは13.2×8.8 mm^2、これが3872×2592 pixelに対応しています。従って、1 pixel=3.41μm、従って、倍率は5.65倍になりました。倍率はほぼ同じだったのです。Nikon 1 V1の方がイメージセンサーが小さいので大きく見えたのですね。
ついでに、対物ミクロの目盛り線の幅から解像度を測ってみました。NIKON D90では元の大きさに換算して4.2μm、NIKON 1 V1が3.4μmとなり、後者の方が少しよいことが分かります。これが少しはっきりと写っていた理由かもしれませんが、それほど違わないですね。むしろ、NIKON 1 V1の方のピクセル数が相対的に多いことが効いていたのかも。なお、ImageJで調べてみると、対物ミクロの線は鋭い中心線と横に長い尾を引いていくることが分かります。これは以前にも書いたのですが、実体顕微鏡の収差(?)のせいで青色の解像度がかなり悪くなっていることによっています)(追記:倍率は以前にも測っていましたね。忘れていました)
記録に残しておこうと顕微鏡で顔を撮影しようとするのですが、クサカゲロウの顔くらいが一番撮りにくい大きさでした。実体顕微鏡ではちょっと小さすぎるし(ズーム最大5.6x)、生物顕微鏡ではちょっと大きすぎるしということで・・・。実体顕微鏡でも撮れることは撮れるのですが、おそらく解像度がの問題だと思うのですが、深度合成をすると周辺が乱れてしまってとても見られるような写真にはなりません。
それで、いろいろと試していたのですが、以前試みたことがあったミラーレス一眼を使ってみることにしました。これまでは実体顕微鏡の実像を直接レンズをはずした一眼レフカメラに入れていたのですが、今回はミラーレス一眼に接眼レンズを取り付け、顕微鏡で作った実像を接眼レンズでさらに拡大するような配置にしてみました。すると、結構、うまく撮れることが分かりました。
実像を作って、それを接眼レンズで見るようにしたので、結構、長くなってしまいました。上の3つは一体になっています。その下には長さを調節するために、Nikon Fマウントアダプターと中国製の接写リング「近摂接圏」をつなげています。カメラ部分は固定しないで、ただ嵌めこむだけにして、リモコンを使って撮影しています。これで焦点位置を変えながら30-50枚ほど撮影し、CombineZPを使って深度合成をしています。
先日話題になったリング照明も取り付けています。撮影対象が光ったりしてコントラストが強すぎる場合はトレーシングペーパを巻いた拡散板を置いて撮影していますが、クサカゲロウのように薄い色の場合はむしろコントラストが弱くなりすぎるために、顕微鏡の照明で直接照明するか、それに加えてリング照明を補助照明として使っています。
手元にある5種のクサカゲロウとその顔の拡大を載せていきます。
まずはこの間も載せたヨツボシクサカゲロウです。これはクサカゲロウ属に属しています。今年の5月1日採集して、そのまま保存用の毒瓶に入れておいたものです。4つの黒い点があります。
次はヒメクサカゲロウ属のスズキクサカゲロウです。頬に丸い模様と曲がった柄のような模様があります。小鰓肢、下唇肢ともに黒くなっています。この写真はちょっと失敗でした。向かって左側の小鰓肢はうまく写っていますが、右側は模様を少し隠してしまいました。さらに先端が写っていません。これは6月12日採集のものです。
これはニセコクサカゲロウ属のフタモンクサカゲロウで、6月12日頃採集したものです。頬に黒い点が1つずつあります。それ以外は色がついていません。
このクサカゲロウはややこしい模様がありますが、ニセコクサカゲロウ属のイツホシアカマダラクサカゲロウだと思われます。これは6月12日採集しました。触角の間に黒い点があります。顔にはややこしい模様があり、また、小鰓肢、下唇肢も黒くなっています。これも片方の小鰓肢が模様の一部を隠してしまいました。なかなか思うようなポーズを取ってくれませんね。下の左右に変なものが写っているのは、脚の先の爪が写ってしまったものです。
最後はこの間から問題になっているクサカゲロウです。私はユメクサカゲロウ属のマボロシクサカゲロウではないかと思っています。顔にも、口肢にもまったく模様がありません。
検索はまだしていないので、種名はややあやしいものもあります。(上から4番目のイツホシアカマダラクサカゲロウは怪しいかなと思っていたのですが、検索の結果は大丈夫みたいです)
(追記:NIKON D90を直接顕微鏡に取り付けた場合と、NIKON 1 V1を接眼レンズを介して取り付けた場合の像倍率を測定しました。測定方法は、対物ミクロを撮影し、1mmの目盛りが何ピクセルになるかを測り、さらに、それを実際の大きさに直して求めます。まず、NIKON D90では実測の結果、対物ミクロの1 mmは1002.0 pixelに相当します。カタログによると、このカメラのイメージセンサーの大きさは23.6×15.8 mm^2で、これが4288×2848 pixelに相当します。従って、1 pixel=5.50μmになるので、これから計算すると1 mmのスケールがイメージセンサー上で5.51 mmになっていることになります。つまり、倍率は5.51倍です。
同じことを接眼レンズ付きのNIKON 1 V1でやってみると、対物ミクロの1 mmは1656.1 pixel。イメージセンサーの大きさは13.2×8.8 mm^2、これが3872×2592 pixelに対応しています。従って、1 pixel=3.41μm、従って、倍率は5.65倍になりました。倍率はほぼ同じだったのです。Nikon 1 V1の方がイメージセンサーが小さいので大きく見えたのですね。
ついでに、対物ミクロの目盛り線の幅から解像度を測ってみました。NIKON D90では元の大きさに換算して4.2μm、NIKON 1 V1が3.4μmとなり、後者の方が少しよいことが分かります。これが少しはっきりと写っていた理由かもしれませんが、それほど違わないですね。むしろ、NIKON 1 V1の方のピクセル数が相対的に多いことが効いていたのかも。なお、ImageJで調べてみると、対物ミクロの線は鋭い中心線と横に長い尾を引いていくることが分かります。これは以前にも書いたのですが、実体顕微鏡の収差(?)のせいで青色の解像度がかなり悪くなっていることによっています)(追記:倍率は以前にも測っていましたね。忘れていました)
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