廊下のむし探検 メミズムシほか
廊下のむし探検 第587弾
一昨日の「廊下のむし探検」の結果です。蛾は昨日出したので、残りの虫になります。この日は珍しい虫に出会えました。
廊下を何の気なしに歩いていたら、20cmほどぴょんと飛ぶとせわしなく歩き、また、ぴょんと飛んだら歩きまわるというようなことを繰り返している虫がいました。黒っぽい、小さな虫です。ちょうど、掃除をした後の水がたまっているところでした。一応、撮っておこうと思って近づいて写してみると、こんな変わった形の虫でした。何となくカメムシ目を思わせる形です。それにしては目が大きいです。それで、「原色昆虫大図鑑III」の図版をぱらぱら見ていたら見つかりました。メミズムシというようです。
「日本産水生昆虫」には詳しく出ていました。体長は4-5mmで、湿地や水辺の地表に生息するとのことです。カメムシ目水生昆虫の検索表も出ていて、それによると、
①触角は頭部より短く、複眼の下側に収納されるか複眼の後方に位置する。頭頂には3対の孔毛がない(タイコウチ下目)
②単眼は2個持つ;触角は背面から見える;複眼の内縁は円く湾入する;前脚は捕獲脚にならない
という2項目でメミズムシ科になります。さらに、日本産メミズムシ科は1種だけだということで、メミズムシになりました。上の写真の頭部を拡大するとこうなります。
確かに、触角は複眼の下から出ていて、背側からも見えます。また、頭部よりは短そうです。さらに、複眼は円くえぐれていて、単眼らしいものも2個見えています。前脚は捕獲脚にはなっていません。という具合に、大部分の特徴はこの写真から読み取れました。私は初めて見たのですが、珍しい種でもなさそうです。メミズムシ科は異翅類といって、カメムシなどと同じ仲間に入っています。一方、ウンカなどは同翅類といってセミなどと同じ仲間になります。異翅というのは前翅の一部が革質になっている種類です。
同じ異翅類として、ほかのカメムシも出しておきます。これはアカサシガメです。「廊下のむし探検」ではあまり見たことがなくて、一昨年の7月に1匹見ただけでした。
こちらはホソヘリカメムシですが、これはよく見ます。
甲虫は私にとって難解な種が多いのですが、これは採集してきて一応調べてみました。「日本産コガネムシ上科標準図鑑」の検索表を使って検索すると、コガネムシ科食葉性グループの亜科への検索ではコフキコガネ亜科になり、族への検索ではビロウドコガネ族になりました。さらに、属への検索ではカバイロビロウドコガネ属になり、最後の種への検索表では、上翅端の会合角は角張るか角張らないかという項目で大きく分かれます。その部分の写真を載せます。
「標準図鑑」に出ている絵と比較すると、これは「角張る」という方になると思うのですが、そうだとすると、たぶんハラゲビロウドコガネあるいはカバイロビロウドコガネということになりそうです。この2種は外見での区別は困難ということでここが終点になります。でも、ちょっと不確かなので、もう少し検討が必要かもしれません。ご存知の方がおられたらお教えいただけると助かります。甲虫は本当に難しいですね。
これはセマダラコガネでしょうか。
相変わらず、名前の分からないコメツキが2匹と、
クビナガムシと、
それにクチキムシが2匹。この日の甲虫はこんなところでした。
これは以前、「虫を調べる」シリーズで取り上げたヒゲナガヤチバエじゃないかと思います。採集しようと思って、毒ビンの口を開けて近づいたらさっさと逃げてしまいました。意外に敏捷です。
ラクダムシは今年の5月3日に見つけてからはほとんど毎日見かけます。毎回1匹だけなので、同じ個体がマンション中をうろうろしているのかもしれませんが・・・(笑)。でも、今年は発生数が多いのかもしれません。例年、4月から5月にかけて2-3回見ているだけです。
カゲロウ♀の亜成虫です。いい加減に撮影したので、種類までは分かりませんでした。
最後はヤサアリグモです。こうやって昆虫ばかり出した後に出てくると、本当に昆虫みたいですね。
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