fc2ブログ

廊下のむし探検 スギタニモンキリガ?

廊下のむし探検 第457弾

昨日はフンバエの顕微鏡写真撮影で忙しくて、一昨日の「廊下のむし探検」で見つけた虫を調べる余裕がありませんでした。今日、改めて見てみると、名前調べのなかなか難しい虫がいました。



今日の最初はこの蛾です。「大図鑑」ではスギタニモンキリガで決まりだったのですが、その後、この種は3種に分かれ、それぞれスギタニモン、ヤマノモン、スミレモンと呼ばれるようになってしまいました。「標準図鑑」にはその見分け方も書かれており、昨年の12月10日に見た個体はヤマノモンだということにしました。

今回の個体は、前縁の黒い点の位置が下の模様の真上にあるので、「標準図鑑」の見分け方からはスギタニモンで決まりのような感じですが、一方、亜外縁線上の2つの黒点がはっきりしていて、翅全体が明るい色なので、ヤマノモンのような感じもします。だいぶ迷ったのですが、やはり前縁の黒点の位置からスギタニモンキリガかなと思っています。いずれにしても晩秋の11-12月に発生し、越冬はしないので、晩秋キリガですね。(追記:通りすがりさんから、「前縁部の黒紋は、(中略)下側の紋のちょうど下端くらいの位置になりますし、他の特徴からもヤマノモンキリガの様に見えます。」というコメントをいただきました。やはりヤマノモンキリガなのでしょうね



後は、クロオビフユナミシャクで、この日は3匹いました。



それと、このソトシロオビナミシャクです。



こんなヒラタアブが止まっていました。一応、採集してきて検索を試みてみました。今回用いた検索表は、大石久志氏のもので、「昆虫と自然」の1996年から2000年にかけて、「ルーペで調べる身近な縞模様のハナアブの見分け方」と題して連載されたものです。綺麗な図が出ていてたいへん見やすい検索表です。結果は普通にいるホソヒラタアブになりました。



でも、この腹の2重の縞模様を見たら、検索などしないでも分かりましたね。



次はこの小さなハエです。これも採集してきて、「原色昆虫大図鑑III」の検索表で検索してみました。結果はイエバエ科になりました。



この模様から名前が分かるとよいのですが、ハエの図鑑が手元になくて残念ながらここまでです。
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

No title

スギタニモンキリガなら、前縁部の黒紋はもう少し翅端寄りで鍵状の紋より外側になるので、やはり翅色や2つの黒点からヤマノモンキリガだと思います。
スギタニモンキリガは暖地では2月まで見られるので、千葉では2月末まで見られます。

ホソヒラタアブは数少ない成虫で分かり易いヒラタアブですよね。
ヒラタアブは寒い時には捕獲や手乗りも簡単にできて、指先でグルーミングしてる姿を可愛いと思いながら眺めてます。
ハエですけど(笑)

No title

スギタニモンが黒条先端部の上かやや内側、ヤマノモンが先端部より翅頂よりではなかったでしょうか。「標準図鑑」にはそう書かれていますが・・・。2月末までいるとなると、越冬というべきなのでしょうか。それとも単に生き残っているというべきなのかな。

No title

あ、コメントが間違いです、すいませんm(。_。)m
今までに見たスギタニモンキリガの前縁部の黒紋は、鍵状の紋の下側の紋の真ん中辺りの位置にありましたし、この個体は下側の紋のちょうど下端くらいの位置になりますし、他の特徴からもヤマノモンキリガの様に見えます。

No title

そうですか。それでもヤマノモンみたいに見えますか。私も前縁の黒紋の位置だけが違っていると思ったので、やはりヤマノモンなのでしょうね。

No title

スギタニモンキリガの前縁部の黒紋は、見えづらい腎状紋より基部側になり、ヤマノモンキリガの前縁部の黒紋は、腎状紋の外側(翅端側ではなく前縁部側)になる様です。
確かに腎状紋の上側と前縁部を結ぶ線を引くと、スギタニモンキリガの黒紋は線よりも基部側に位置する様ですし、ヤマノモンキリガの黒紋は線上か外側になる様です。
外見で見分けるには、黒い鍵状の紋ではなく、その下にある腎状紋との位置関係で見分けるということなんですね。

No title

詳しく教えていただき有り難うございます。すみません。「腎状紋の外側(翅端側ではなく前縁部側)」という意味が分からなかったのですが・・・。

No title

単に腎状紋の外側というだけだと、腎状紋よりも翅端側という意味にも取れるので、そうではなくて腎状紋の横にあると言いたかったのです。
真横にあれば分かり易いんですが、この個体の様に上の端の方にあるものが多いかも。

No title

なかなか実物がないと分かりにくいなと思って、標本を探してみたら、この蛾は持っていませんでした。最近、標本をつくる意欲がなくなっていたので、採集していなかったのですね。今度いたら採集してみます。どうもいろいろと有難うございました。
プロフィール

廊下のむし

Author:廊下のむし

カテゴリ
リンク
最新記事
最新コメント
カウンター
月別アーカイブ