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カメラの分光感度を測定する

この間から、手作り分光器と一眼レフカメラスペクトル測定をしてきました材料費わずか数十円で、結構、簡単にスペクトルの測定ができるのでお勧めです。この度、「廊下のむし探検」の付録というホームページを作りました。分光器の作り方はそこに載せましたので、参考にしてください。

さて、今度はこの分光器を使って、カメラの分光感度測ってみようと思いました。白熱電球の光を分光し、それを撮影してスペクトルに直し、プランクの輻射公式から計算した黒体輻射スペクトルとの比を取るだけという簡単な方法です。

先日、この方法を使って、あまり考えずに計算してたのですが、ネットで調べてみると、最近、デジカメを使って同じことをしようという論文がいくつも出ていることが分かりました。これは、デジカメが普及してき、カメラで撮影して色を決める(測色)という機会が増えたことによります。色を決めるときには、分光感度曲線が必要になるからす。例えば、オーロラの色、大気汚染など環境評価、植物の生育具合などの農業分野などに実際に使われているようです

論文を読むと、カメラで撮影したデータがjpg形式の画像ファイルにまでには、ホワイトバランス、ガンマ補正などのいろいろな処理をしていることが分かりました。どれだけ変わるかというのを確かめるために手作り分光器で白熱電球の光をスペクトルして、これを撮影するときに、
ホワイトバランス設定を手動にし、いろいろな色温度に設定して撮影してみました。その結果がこれです。



横に筋が出ているのはスリットが平行にできていないからです
色温度が低いと青が強調され、温度が高くなるにつれて赤が相対的に強くなっています。因みに、Nikon d90のカタログによると、
晴天       5200K
曇天       6000K
晴天日陰    8000K
フラッシュ    5400K
電球       3000K
白色蛍光灯   4200K
昼光色蛍光灯 6500K
昼白色蛍光灯 5000K
電球色蛍光灯 3000K
となっています。通常、ホワイトバランスはAutoにして撮影しているのですが、外界の様子これだけ色温度が自動的に変化し、従って、色変化するのです。

上の写真をスペクトルで表してみると、次のようになります。



色温度をと右側の赤い部分は増大し、逆に、左側の青い部分は減少します。青い部分はある程度色温度が高くなると一定になっています。それに対して、中央の緑の部分は全く変化していません。どうやら、緑の成分は一定にして、赤と青の成分の割合を変えて対応しているようです。

そこで、何も処理をしていないRAWデータを使ってみることにしました。カメラのメニュー画面で画質モードをRAWにします。Nikonの場合は、RAWデータは拡張子が.NEFという名前になり、12bitのデータとしてセーブされます。

このファイルを見るために、Nikonが出しているViewNXというフリーソフトを用いました。さらに、ファイルをサムネイル表示させるために、Microsoftカメラ コーデック パックを入れました。ただし、RAWデータそのものはImageJでは読めないので、ViewNXで16bit tiffデータに変換します。

ImageJで読みこんだ後、COLOR SPLIT CHANNELSで3色に分離し、それぞれのデータの領域を決めてからPLOT PROFILEGray Valueのグラフにします。これを数字で表したリストとしてsaveして、EXCELで読み込みます。さらに、EXCEL上でプランクの輻射公式を使って2500Kの体輻射スペクトルを計算し実測の値との比を取って、分光感度曲線を計算しました。ちょっとややこしそうですが、一度、EXCELで作ってしまうと、そこにデータをコピーするだけですぐにグラフることができますその結果が次のグラフです。






上がNIKON D90、下がD70の分光感度曲線です。2つともまあまあ似ています。このデータが合っているのかどうかは全く分かりませんが、論文(Sigernes et al. Opt. Express 17, 20211 (2009))などに出ているNikonやCanonのカメラの分光感度曲線とはまあ似ていないことはないという感じです。 D90では短波長側は425nm、長波長側は680nmで明瞭なカットオフがありますが、D70ではそんなものはありません。これがD70で紫外撮影ができる理由でしょう。赤い成分が青の部分にも結構入ってくるので、何となく、XYZ表色系での等色関数に似ているような気がします。

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