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廊下のむし探検 雑談

紅白歌合戦を見ながら書いています。でも、何となくまとまらないので、雑談にしました。



21日にマンションの廊下でクロバネキノコバエを4匹捕まえました。先日、この写真のような胸背の黒い個体の検索を試み、Bradysia属ではないかという結論になりました(各部の構造検索を見てください)。このときにポイントになるのが、前脛節の前先端にある剛毛列です。でも、どうやっても写真がうまく撮れません。もともと体長が2.2mmほどしかない上に前脚脛節の先端にある構造なので、倍率的に仕方がないかなと思っていたのですが、この時一緒に捕まえた胸背の褐色の個体がどうやら別の属だと分かって、もうちょっと頑張って写してみようと思い立ちました。



これがその写真です。剛毛列というのは前脚脛節末端にある距棘の基部にあるこんな構造です。色が黒だとはっきり写るのですが、透明もしくは薄黄色なので、どうしてもコントラストがつきません。それでも、1列に並んでいることだけは確かです。



透過光で撮ると剛毛列の先端部だけがよく見えます。剛毛列であることもともかく確かなようです。



もう一つの特徴は翅のM1、M2、Cu1a脈上にマクロトリキア(刺毛など)が生えていないことでした(翅全体に生えている細かい毛はミクロトリキア。両者の違いは基部にソケットと言われる穴が開いているかどうかです)。



このときにもう一種捕まえたクロバネキノコバエの仲間です。外観上は胸背が褐色なので、先ほどの個体とは違う感じです。体長は2.4mmなので、先ほどよりやや大きいけれどほぼ同じ大きさです。



こちらは翅のM1、M2、Cu1a脈の上にマクロトリキアが生えています。従って、属レベルで違っています。そこで、先日送っていただいた次の文献に載っている検索表で調べてみました。

F. Menzel and W. Mohrig, "2.6 Family Sciaridae", in L. Papp and B. Darvas (eds.), "Contributions to a Manual of Palaearctic Diptera (with special reference to fliew of economic importance)", Vol. 2 Nematocera and Lower Brachycera, Science Herald, Budapest pp. 51-69 (1997).

ここで、重要になるのがまたしても、前脚脛節の前先端の剛毛列の構造です。剛毛列はそもそも実体顕微鏡でぱっと見ただけではまず分かりません。それで、ピンセットで前脚を外してあーでもないこーでもないとひっくり返しながら生物顕微鏡で剛毛列を探しています。見つけたら、今度はどうやって写真を撮ればよいかです。照明方法や脚の方向、倍率などを何度も変えながら写したのが次の写真です。



左側で下を向いて尖っているのが距棘で、その右側に矢印で示した透明な剛毛列が見えます。



ちょっと角度を変えて写すと、どうやら左右二つに分かれているようです。やっと撮れました。これは40倍の対物鏡で撮影したものです。この構造から、クロバネキノコバエ科のCtenosciara属ではないかと思っています。本当かどうか分かりませんが・・・。

しかし、大晦日にクロバネキノコバエの前脚脛節末端の写真ばかり撮って、いったい何の因果でしょうね。
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