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廊下のむし探検 チャタテムシ、ハエなど

廊下のむし探検 第1056弾

23日にマンションの廊下を歩いてみました。虫はちょっとだけいたのですが、だいたいは地味な虫ばかりです。





この時期になると、チャタテムシによく出会います。これは縁紋が四角いので、たぶん、クリイロチャタテだと思います。この日は2匹いました。





こんなチャタテムシもいました。前翅長は3.7mm。これはたぶん、初めてでないかと思います。触角が短いですね。以前、出したチャタテムシの科を簡単に類推する方法によれば、これはチャタテ科になります。

富田康弘、芳賀和夫、「日本産チャタテムシ目の目録と検索表」、菅平研報12、35 (1991). (こちらからダウンロードできます)

ついでに、この富田氏の検索表により属の検索をしてみました。

①小顎鬚の端節は幅の約2.5倍;触角は比較的短く、せいぜい前翅長の1.5倍
②触角は前翅長より短いか、ほぼ等長
③前翅のCu!a脈の基部の長さは、Cu1a脈の次の区画の長さよりも一般的に短い;雄の腹部末端は強く硬化したクチクラに覆われる
④ 前翅のRs脈と中脈は横脈で結合する;雄の把握板の先端は3葉;前翅長は雄約4.5mm、雌約5.0mm  Amphigerontia jezoensis



これらを写真で見ていきます。まず、黒矢印で示した部分がM脈とCuA1脈が癒着しているので、チャタテ科になります。次に、触角の長さが前翅長程度なので、①と②はOKです。次の③はM+CuA1脈とCuA1脈の長さ比較です。翅がちょっと斜めになっているので分かりにくいのですが、たぶん、CuA1脈の方が長いと思われるので、これもOKとします。最後の④は赤矢印の部分が横脈rs-mでつながっていることを言っています。こんな感じで、Amphigerontia jezonensisにたどり着くのですが、大きさはだいぶ違います。そこで、Amphigerontia属が含まれるAmphigerontiinae亜科について書かれた吉澤氏の論文を見てみました。

K. Yoshizawa, "Systematic Revision of the Japanese Species of the subfamily Amphigerontiinae (Psocodea: 'Psocoptera': Psocidae)", Insecta Matsumurana New Series 66, 11 (2010). (ここからダウンロードできます)

この論文に載っている検索表を用いると次のようになります。

Ⓐa 前翅のRsとM脈はある長さで融合する Glossoblaste, Neopsocopsis, Neoblaste
Ⓐb 前翅のRsとM脈は横脈で結合する 
          Amphigerontia (jezoensis, contaminata), Anomaloblaste (tribulosa)

この二つの選択肢のうち、Ⓐbを選ぶとAmphigerontiaか、Anomaloblasteになるのですが、この二つは交尾器を見ないと区別がつきません。幸い、これらの属に属する3種については翅の写真が載っていました。そこで、翅の暗色部がCuP末端部と縁紋付近という特徴を持っているのを探すと、Amphigerontia contaminataだけなので、これかなと思っています。いずれにしても♂交尾器を比較しないと何とも言えないのですが・・・。



チャタテと共に今頃多いのはハエの仲間です。これはモモグロヒラタヌカカ



これもヌカカの仲間ですが、よく分かりません。




これはユスリカの仲間♀です。白矢印の部分に横脈がなくて、R2+3脈がぼんやりと見え、さらに、前脚第1跗節より脛節の方が長いという条件で、エリユスリカ亜科になります。ここから先は採集しないと分かりません。



ノミバエの仲間はよく見かけるのですが、Megaselia属だろうということ以外にはよく分かりません。



この間調べたクロバネキノコバエがまたいました。これもたぶん♀ですね。なぜか♂がまったく見つかりません。



次はハチです。ちらっと止まってまた飛び去ったのでよく分かりませんが、コバチの仲間でしょうね。



これは何でしょうね。よく分かりません。



廊下の壁の上の水がたまった中で泳いでいました。たぶん、シワバネセスジハネカクシではないかと思います。



これは小さなキクイムシの仲間です。一応、採集したのですが、分かるかなぁ。



模様がちょっと変だったので写したのですが、触角が長いので、普通のナミテントウみたいです。(追記2018/12/29:ナミテントウに似ているダンダラテントウとは、前者の触角が前頭幅の約1.5倍、後者が等長かやや短いことで区別することができます。これに対して、クリサキテントウは「原色日本甲虫図鑑III」によると、幼虫での区別はつくが、成虫での識別は困難とのことです。クリサキテントウは松の樹上に特異的に生息するというので、これからも注意しておく必要があります



クダアザミウマがひっくり返っていたのですが、アザミウマも資料がなくて、なかなか名前調べが進みません。



これはサラグモの仲間の♂かな。



そして、これはネコハグモ。探してみると、今頃でもそこそこ虫はいます。でも、どれも名前調べが難しいものばかりですね。
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