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虫を調べる キノコバエの各部の名称

先日、マンションの廊下でキノコバエを見つけました。キノコバエはまだ調べたことがなかったし、翅に模様があったので、ひょっとしたら名前が分かるかもと思って採集しました。



採集したのはこのキノコバエです。キノコバエは名前の通り、幼虫がキノコ内部で暮らすハエの仲間です。

最近は検索する前に各部の名称を調べることにしています。こうすることで各部の特徴を把握することができ、写真も準備できるので検索にも役に立ちます。そこで、今回も各部の名称を調べてみました。

G. E. E. Soni, J. R. Vockeroth, and L. Matile, "A. 4. Families of Sciaroidea", in "Contribution to a manual of Plaearctic Diptera with special reference to flies of economic importance, Appendix", Science Herald (2000). (ここからpdfが直接ダウンロードできます)

参考にしたのはこの文献です。分からない部分も多いので、結構、いい加減に名付けているところもあります。そのつもりで見ていただけると幸いです。



まず全体像です。体長は3.9mmでした。触角が結構太いことと、脚の基節(白い部分)が大きいのが目立ちます。翅は全体にくすんでいて中央より翅端側に黒い横帯があります。また、後腿節の先端と脛節基部が黒いですね。



これは頭部を前から写したものです。ちょっと変わった感じの顔をしています。この広い部分が本当に頭盾なのか悩んでいますが・・・。



これは後ろから撮ったものです。単眼は2個見えています。fr furはfrontal furrowの略ですが、何と訳してよいのか分かりませんでした。全体になんか毛むくじゃらの感じです。



触角は数えてみると16節ありました。



これは中胸背板を撮ったものです。暗褐色の縦帯が目立ちます。一応、中刺毛や背中刺毛列も見られますが、何が何だか分かりません。



これはもう少し拡大したものです。



これは胸部側面の写真です。略称は先ほどの文献に倣いました。



日本語の名称を「原色昆虫大図鑑III」で探して埋めました。tg1の1は第1節、cx1とpreepst2の1と2はそれぞれ前脚、中胸の意味です。



これは少し後ろ側から写したところです。mtgは中央背板、ltgは側背板で、共に後胸背板の一部です。mtgは無毛、ltgには毛が生えていますが、検索では重要な項目になってきます。



これはその部分をさらに拡大したものです。



次は翅脈です。翅脈の名称は先ほどの文献を参考にしました。このキノコバエの翅脈はいろいろと変わっています。M1脈やCuA1脈の基部が途切れたようになっていますね。



これは腹部背面の写真です。



そして、これは側面から撮ったところです。tgは背板、stは腹板を示しています。



最後は腹部末端です。これは背面からの写真です。



そして、これは側面から。たぶん、こんな形状の腹部末端を持っているのは♀かなと思っているのですが・・・。
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