廊下のむし探検 着物を掛けたような形のクロホシフタオ
廊下のむし探検 第160弾
秋になって虫が少なくなってきた感じですが、マンションの廊下を歩くと意外に多くの虫に出会えます。この日の最初の虫は、まるで着物を掛けたような止まり方をする蛾です。
フタオガ科のクロホシフタオです。本当は斜めに写っていたのですが、着物のように見せるため、写真を回転しています。前翅と後翅を大きく開いた奇妙な止まり方をします。なぜ、フタオガというかというと、写真でも少し分かりますが、尾が2つにあるように見えるからです。展翅をするともっとはっきりします。実は、似た種にミナミクロホシフタオというのがあって、そちらかもしれないと思って採集してきて調べたのですが、決め手は雄の触角のようで、これは雌でよく分かりませんでした。試しに、手元の標本も調べてみたのですが、雄は皆、クロホシフタオでした。
これはヤガ科のホソオビアシブトクチバです。似た種がいないので、名前調べは楽です。
似た種が多いので分かりにくいのですが、おそらく、ヤガ科のウスチャモンアツバだと思います。
この間もいた大型の蛾です。ヤガ科のオオシマカラスヨトウだと思います。
これはヤガ科のウリキンウワバです。似た種にモモイロキンウワバがいるのですが、外横線が2重になっているところから、ウリキンウワバの方だと思います。
翅が破れていてなんだか分かりませんが、おそらく、ヤガ科のモクメクチバだと思います。
そして、相変わらずムラサキトガリバがいました。ここ何回かの常連です。
これはシャクガ科のマエキトビエダシャクですが、ここまで色が薄くなった個体はあまり見かけませんね。「標準図鑑」によれば、5-10月に見られ、おそらく年2化とのことで、最後の登場かもしれません。
この日、たくさんいたカメムシはこのマルカメムシでした。マンションには、ツヤアオカメムシ、クサギカメムシと共に、たくさんやってきます。この日はちょうど植木屋さんがマンションの雑草を刈っていて、その余波でマンションに逃げてきたのかもしれません。その植木屋さんが、棒の先にブラシをつけて、廊下を歩きながらカメムシを退治していました。でも、このマルカメムシは小さいので、ほとんど見逃されていました。
以前、オオクロカミキリかなと書いたのですが、オオクロカミキリは前胸が大きく凹んでいるようで、ちょっと違います。サビカミキリかなとも思ったのですが、結局、よく分かりませんでした。
最後のクモ2種です。これはチャスジハエトリだと思います。「日本のクモ」には屋内性で、5-8月に出現とありました。
このクモがよく分かりませんでした。ヒメグモ科のハンゲツオスナキグモかなと思ったのですが、おそらく違います。(追記:ハンゲツオスナキグモで合っているのではと思います)
クモは、オスとメスとで大きさも色合いも全く異なり、さらに、幼体も全く違う色なので、図鑑にはそれぞれを描いていただけると助かるのですが、大概は目立つメスだけとか、オスとメスについてで、名前調べをギブアップすることが多いです。まあ、ガも幼体は成虫と全く違う色と形ですけど・・・。
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