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虫を調べる ムモントックリバチ?(続き)

朝の続きで、22日に中学生が捕まえたムモントックリバチらしい個体の検索です。前回は属の検索を行ってトックリバチ属に達したので、その後の種の検索です。




種の検索も「日本産有剣ハチ類図鑑」の検索表を用いました。とりあえず、ミカドトックリバチとムモントックリバチの二つの可能性を残しておいたのですが、実際の検索は⑧→⑨b→⑩→⑪と進み、ムモントックリバチに達する予定です。この4項目を写真で確かめていきたいと思います。いつものように検索順でなく、部位別に見ていきます。




体長は13.9mmで⑨bで示された値よりやや大きめだったのですが、範囲内には入っていました。また、⑩の後脚脛節は黒でこれは合っています。ということで、⑨bと⑩はOKになりました。



次は頭盾に関する項目です。これについては次の拡大写真を見てください。



このように頭盾が黄色になっているのは♂です。よく見ると、頭盾には白っぽい長めの毛が一面に生えています。これで⑨bをOKとしました。また、黄色の部分は周辺を黒い部分で囲まれています。これで⑩もOKです。



この項目でやや苦労しました。二つ上の写真でも分かりますが、複眼が大きくて前から見るとほとんど複眼だけが見えて、どれが頬だか分からなかったからです。これは頭部を後ろ側、斜め下から撮ったものですが、後頭隆起線が見えました。後頭隆起線は後頭と頭頂・頬を分ける隆起線なので、その上にある部分が頬だと思われます。確かに点刻があります。これで⑪はOKとしました。



小盾板にも腹部第2背板にも黄色い紋や斑はありません。



腹部第1節は細長いことはすぐに分かります。途中で曲がっているので、この写真から正確に長さを測ることはできませんが、長さは幅の2倍以上は十分にあります。



たぶん、項目⑨bはミカドトックリバチとムモントックリバチを分ける重要なポイントになると思われます。実際に、腹部第2節の背板と腹板のなす角を測ってみると108度になりました。ミカドトックリバチの場合は鋭角なので、違いがはっきりと見られます。残りの⑩と⑪はこの写真を見ると分かります。ということで、すべての項目を確かめたので、たぶん、ムモントックリバチ♂というので合っているのではと思っています。

ついでに撮った写真も載せておきます。



まずは前翅の翅脈です。



次は後翅です。翅が基部でねじれているので、一番外側にあるはずのC脈が少し下に来てしまいました。前縁にhamuliと言われる鉤ホックがいくつもあります。これで前翅の後縁部分をひっかけて、前翅と後翅は一緒に羽ばたくことができます。



そのhamuliの部分を拡大してみました。



最後は腹部末端を背側から撮ってみました。この棘みたいなのは何でしょうね。

ということで、ドロバチ亜科の検索をしてみました。触角の末端が実に面白い格好をしていましたね。こんなところは検索をしてみないとなかなか気づきません。やはり面倒でもじっくりと検索をして各部を調べていくことは重要ですね。
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