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虫を調べる ムモントックリバチ?

9月22日に中学生3人と先生を連れて近くの川の土手で昆虫採集をしました。今回はそのときに中学生が捕まえたハチが試料です。中学生が採集したので、生態写真がありませんし、また、どういう状況で捕まえたのかは分かりませんが、とりあえず練習だと思って検索をしてみました。



ハチはこんなハチです。ちょっとミカドトックリバチに似ていますが、小盾板や後胸背板にあるはずの黄色の紋がありません。調べてみると、ムモントックリバチではないかという結論になりました。今回は「日本産有剣ハチ類図鑑」(東海大学出版部、2016)に載っている検索表を使ってみました。



トックリバチが含まれるスズメバチ科ドロバチ亜科であることは確かだと思うので、そこからまず属の検索をしてみました。その結果、上の7項目を調べることによって、最終的には予想通りトックリバチ属になりました。その過程を写真で見ていきたいと思います。いつもの通り、検索順でなく、部位別に見ていこうと思います。



最初は横から見た写真です。体が折れ曲がっているので、4本の折れ線で近似して体長を測ると13.9mmになりました。②は特にいいでしょう。



次は触角です。触角は全部で13節あるのですが、先端がこのようにフック状に折れ曲がっています。



ちょっと拡大してみました。どうしてこんな風になっているのかはよく分かりませんが、とりあえず♂であることは確かそうです。ネットで探していたら、BugGuideというサイトで、交尾のときに♀の触角をこのフックで引っ掛けて固定している写真が出ていました。こんな風に用いられるのかもしれませんね。とにかく、これで、⑦の後半はOKとします。



①も④も中胸盾板にある溝についてでですが、写真を見る限り、溝などは見られません。それで両方ともOKとしました。なお、項目の内容を分かりやすくするために、( )内は対抗する項目の内容を書いておきました。



これは中胸側板を写したものですが、ここにも特に隆起線は見られません。



この写真も先ほどと同じような写真ですが、中胸背板、小盾板、後胸背板に点刻がなされていることを見せるために撮りました。



中胸脛節末端はこの刺が一本だけありました。



この写真が分かりにくいのですが、腹部第1背板には前にある前伸腹節との境に垂直部というのがあるようです。その部分と背面の間に横隆起線があるかというのが②の項目です。矢印の部分だと思うのですが、特にそれらしいものは見つかりません。また、背面に縦溝がないのは次の写真で分かると思います。



これは腹部第1節を写したものですが、③の細長く柄状というのは分かります。⑥の前半の点刻についてはその通りだと思われますが、後半の「肥厚」とは何を指しているのでしょう。後ろが太くなっていることを言っているのでしょうか。でも、③と⑥は共にOKとしました。



これは腹部第2節を写したものですが、⑥の「後縁に明瞭な薄片部」というがどれだかよく分かりませんでした。たぶん、矢印で示した部分かなと思ったのですが、どうだか分かりません。⑥は二つの項目から成り立っていて、薄片部がないを選択すると、もう一つの項目は「腹部第1背板に明瞭な点刻を欠き・・・」とあるので、おそらく大丈夫だと思われます。

いくつか怪しい項目があったのですが、"Hymenoptera of the World: An Identification Guide to Families"(ここからダウンロードできます)でもそうだったのですが、ハチの検索表は一つの項目に対して3-4つくらいの項目が並列して書かれています。それで、一つぐらい分からなくてもたぶん、大丈夫ではないかと思われます。その代り、すべて項目を確かめようと思うと、たくさん写真を撮らないといけないので大変なのですが・・・。ともかく、これで無事にトックリバチ属 Eumenesに達しました。長くなったので、種の検索は次回に回します。
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