FC2ブログ

虫を調べる ヒメトゲナシケバエ

9月3日にマンションの廊下でトゲナシケバエを見つけました。



対象とするのはこんな虫です。前にも調べたことがありますが、一応、念のために今回も調べてみました。その結果、ヒメトゲナシケバエ Plecia membranifera♂であることが分かりました。記録を調べてみたら、過去に何度も顕微鏡写真を撮っていました()。でも、検索表に従って検索をしたのは2014年8月の一回だけだったので、もう一度、やり直してみることにしました。検索表はいつものHardy and Takahashi (1960)を用いました。

D. E. Hardy and M. Takahashi, "Revision of the Japanese Bibionidae (Diptrera, Nematocera)", Pacific Insects 2, 383 (1960). (ちらからpdfを直接ダウンロードできます。以下、HTと略します)

ここに載っている検索表を用いてヒメトゲナシケバエに達するには次の5項目を調べればよいのです。



ただし、HTではトゲナシケバエ亜科 Pleciinaeだったのですが、現在ではトゲナシケバエ科 Pleciidaeになっているので、そのように変えています。これを写真で確かめていきたいと思います。



まずは全体像です。体長は折れ線近似で測り4.9mmになりました。①は前脚脛節端に刺があるかどうかですが、この写真のように刺はありません。だから、トゲナシケバエです。体長はちょっと範囲からずれていますが、まぁ、いいでしょう。



左右の複眼が中央で接しているのは♂の方です。この写真は②のために撮ったものではなかったのですが、この写真からでも接していることは分かります。



②はヒゲナガケバエを除く項目なので、②はOKです。触角は全部で9節でした。



これは中胸背板を示したものです。黄三角で示したように1対の溝があります。また、くすんだ黒であることも確かです。



次は翅脈です。翅脈の名称は「新訂原色昆虫大図鑑III」のハエ目の解説に載っているものを参考にしてつけてみました。MNDに載っているものとは翅の後半部分が違うのですが、検索はR脈に関するものだけだったので、たぶん、大丈夫でしょう。Rs脈はR2+3とR4+5に分岐しています。さらに、R2+3は斜めに分岐し、ほぼ直線的です。これで、①と③はOKです。



これは腹部末端を背側から写したものです。腹部第9背板はU字型になっています。ただ、膜状というがどれを指しているのかはよく分かりませんでした。とりあえず、これで、すべての項目を調べたので、ヒメトゲナシケバエ Plecia membraniferaであることは確かそうです。



ついでに腹部末端を腹側から撮ったものも載せておきます。ケバエ類は調べれば名前は何とか分かるのですが、ぱっと見ただけではほとんど区別がつきません。生態写真でも分かるようになるとよいのですけど。
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

廊下のむし

Author:廊下のむし

カテゴリ
リンク
最新記事
最新コメント
カウンター
月別アーカイブ