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虫を調べる ヒゲトビコバチ?

この間(8/11)、いつも行っている道路脇の茂みで虫を探していたら、こんなハチを見つけました



小さなハチなのですが、こういう小さな虫の名前調べにはかえってファイトが湧いてきます。それで、一応、採集して、先日検索をしてみました。その結果、トビコバチ科になりました。後で述べるように翅に模様があるので、それを手掛かりに「新訂原色昆虫大図鑑III」の図版を調べてみると、ヒゲトビコバチ Encyrtus aurantiiが候補に挙がりました。それで、顕微鏡で少しずつその特徴を調べていくことにしました。

まずは上科と科の検索です。検索表には、「絵解きで調べる昆虫」を用いました。この検索表には絵がついているので分かりやすくてよく用いています。



最初は上科の検索です。上の6項目を調べると、コバチ上科であることが分かります。それを写真で調べていきます。



まずは横から撮った写真です。体長は1.9mmでした。この写真では翅の模様がよく分かります。ともかく、外見上変わった形のハチです。①は細腰亜目か、広腰亜目であることを調べる項目です。この写真のように中体節と後体節の間がくびれているので、細腰亜目になります。ただ、検索表によると、くびれていなくてもコバチ上科であることもあるようです。②はOKです。



次は頭部の拡大です。③は頭頂に刺状の突起をもつツノヤセバチ上科を除外する項目なので、たぶん、大丈夫でしょう。



この写真では翅脈は見にくいのですが、翅脈が単純であることは確かです。後ほど翅脈の説明をします。後翅は一部隠れていてはっきりとは分かりませんが、翅室はなさそうです。前翅に縁紋らしきものもなさそうですが、縁紋という名の付いた部分は実はあります。これも後で示します。とにかく、④はOKです。



⑥もこの写真の通り、肩板と前胸背は遠く離れています。これはムカシホソナガコバチ上科を除外する項目です。



次は後脚転節に関する項目です。この項目は分類上重要な項目なのですが、基節の毛が邪魔をして何度撮ってもうまく撮れません。でも、肉眼で確認したところでは2節ありそうです。矢印で示したところがそれらしい感じです。これを認めると、すべての項目を確認したことになるのでとりあえずはコバチ上科までたどり着きました。

次は科の検索です。コバチ上科には科が多いので、科の検索も結構大変です。



トビコバチ科であることを確認するにはこの12項目を調べなければいけません。これも写真で見ていきます。



まず、頭部の写真です。触角の上には山型の境界が見えますが、この項目は複眼内縁間を直線的に結ぶ溝のあるホソハネコバチ科を除外する項目なので、⑨はOKだと思われます。



触角は肘状に折れているので、⑫はOKです。触角の節数を数えてみると9節でした。



前胸背板は写真に示した部分です。これを見ると、⑫と⑭はOKです。



前脚脛節は普通です。また、前脚基節に比べ、後脚基節が特に大きいという感じはしません。それで、⑦と⑬はOKにしました。



次は翅脈です。翅脈の名称は以前ブログに書いたものを参考にしてつけました。後前縁脈と径脈の両方が発達しています。この径脈の先端で曲がっている部分を縁紋と呼ぶようですが、通常、縁紋と呼ぶ部分とはだいぶ異なっています。また、前縁脈はほんのわずかな部分です。それで、⑧と⑮はOKです。



次は前脚です。跗節は5節ありました。また、脛節距は矢印で示したように曲がっています。それで、⑧と⑯もOKです。



この写真も何回か撮り直しました。やっと中胸側板と中脚基節(矢印)の部分がうまく撮れました。それで、⑰と⑱もOKでしょう。



これは後脚を撮ったものですが、見る限り異常は見られず、⑩と⑪はOKだと思われます。



最後は腹部を背側から撮ったものです。金属光沢があることが分かります。また、背板が曲がっていて、尾毛は腹部の前半部分にあります。これで⑭も⑱もOKとなり、トビコバチ科であることが分かりました。種についての考察は次回に回します。
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