廊下のむし探検 蛾と甲虫
廊下のむし探検 第1026弾
16日にマンションの廊下で見た虫の続きです。
廊下で羽アリの写真を撮っていたら、ちょうどいいところにいたと言われて、近くの奥さんが玄関にいる変わった虫を見てくださいと言ってこられました。見てみると、このナシイラガでした。
低いところに止まっていたので、前からも写してみました。確かに蛾には見えないかもしれませんね。
小さな甲虫です。パッと見でいつも見ているクロモンンキスイかなと思ったのですが、よく見ると違っていました。
これは前胸背板側縁を拡大したのです。クロモンキスイは中央に突起があるのですが、これにはありません。また、側縁には緩い鋸歯が見られます。こんなところから、オオナガキスイかなと思ったのですが、「原色日本甲虫図鑑III」によると、オオナガキスイは前胸背板側縁前角が斜めだと書かれているのですが、これはむしろ尖っています。やはり、違うのかもしれません。
(追記2018/09/01:立西さんから、「確証はないのですが3,4枚目の甲虫はチビヒラタムシの仲間のように見えます。一度画像検索なさってみてください。」というコメントをいただきました。続いて、通りすがりさんから、「オオキバチビヒラタムシのメスとかその辺ですね。チビヒラタムシとかホソヒラタムシって、小さいし普通種でもよく分からないものしか見てない気がする…」というコメントをいただきました。コメントをどうも有難うございました。やはりキスイムシ科ではなかったのですか。チビヒラタムシというのは初めてかな。図鑑ではヒラタムシ科になっていたのですが、今はチビヒラタムシ科になっているみたいですね。図鑑によると、ヒラタムシ科とキスイムシ科は検索表では中胸後側板が中脚基節に達するかどうかで見分けられるみたいですが、写真では所詮無理ですね。採集しなかったので・・・)
(追記2018/09/01:「原色日本甲虫図鑑III」の図版を見ても写真が小さくて判断できません。何とかならないかなと思っていたら、六本脚で、平野幸彦氏の「日本産ヒラタムシ上科図説第1巻」を売っているのが分かりました。この中に、チビヒラタムシ科も載っています。ただ、64ページで3000円もするので、どうしようかと迷ってしまいました。でも、結局、思い切って買ってみました。それを使って調べてみたところ、やはり、通りすがりさんが言われるようにオオキバチビヒラタムシのメスの可能性が高そうです。詳細はこちら)
前胸背板後縁前方に横溝があるので、カミナリハムシの仲間です。上翅の点刻が列状で、触角第3節が第2節の2倍ほどありそうなので、カミナリハムシ Altica cyaneaではないかと思います。
これは頭盾の形状からオオセンチコガネだと思われます。
これはキオビベニヒメシャク。
これはたぶん、ホソバチビヒメハマキだと思います。
それに、カナブン。
ホソスジキヒメシャク。
アオアツバ。
アシベニカギバ。
これは以前見たことがあります。たぶん、マエモンハイキバガ。
これはクシコメツキかなぁ。
そして、キベリトガリメイガ。
最後はオオミズアオでした。
雑談1)今日はハリブトシリアゲアリだろうと思っている♀有翅アリで翅が脱落した個体の顕微鏡写真を撮りました。翅がついている個体も採集したのですが、翅が邪魔で細部の写真がなかなか撮れないので、ない方を先に撮りました。たぶん、ハリブトシリアゲアリで間違いないと思うのですが、どうでしょうね。
雑談2)ベランダに置いてあった月桂樹の葉に白いカイガラムシが付いていると言って、家族がその葉を持ってきました。調べてみると、カメノコロウムシCeroplastes japonicusのようです。顕微鏡写真を撮ってみました。
こんな奇妙な姿です。白く見えているのは突起も含めてすべてロウ状物質です。こんな風にロウで覆われているので、なかなか薬剤が効かないということのようです。ついでに文献も調べてみました。カイガラムシというとさすがに多くの文献が見つかります。それによると、♀成虫は亀の甲のような形をしていますが、これは♂の2齢程度の幼虫の様です。ほとんど動かないのですが、顕微鏡を見ていたら、動き回っている個体もありました。それにしても気持ち悪いですね。
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