廊下のむし探検 羽アリとハムシ
廊下のむし探検 第1016弾
最近は私のいるところでも35度を越えるような暑さになっています。うっかり虫を探しに行って、熱中症にでもかかると大変なので、あまり虫探しにもいけなくなりました。それで、以前撮った写真を少しずつ調べることにしています。今回は12日にマンションの廊下で羽アリを採集に行ったときに撮った写真です。
最初はこの羽アリです。これは♂アリで、先日検索をしてみました。その結果はオオアリ属になったのですが、自信はあまりありません。
次はこの♀有翅アリです。これは以前、Adachaneさんから、イトウオオアリか、ウメマツオオアリかと教えていただいた種と同じだと思われます。この個体は採集して、先ほど検索をしてみました。♀有翅アリの場合は、「日本産アリ類図鑑」に載っている働きアリ用の検索表で調べていきます。ヤマアリ亜科までは順調に行きますが、次の属の検索でいつも引っかかります。というのは、「中胸の気門は側面に位置する」か、「中胸の気門は背面もしくは背方寄りに位置する」という項目が翅が生えているので使えないからです。この項目はオオアリ属か、そうでないかを決める重要な項目なのですけど・・・。それで、とりあえず両方の道を進みました。オオアリ属でない方を選ぶと、次は前伸腹節気門の形になるのですが、ここでちょっと引っ掛かりました。というのは気門は横に細長くて、そういう選択肢はありません。それで、たぶん、オオアリ属かもと思って検索を進めると、まさにイトウオオアリか、ウメマツオオアリあたりに到達しました。最後は前・中胸背板、前伸腹節、腹柄節の形で決めないといけないのですが、翅が生えているので、どこまでこの検索表が使えるのかどうか分かりません。とりあえず、今のところはウメマツオオアリではないかと思っているのですが、また、今度、まとめて出すことにします。羽アリはともかく難しいですね。(追記2018/07/18:7月9日に一度、殺虫管に入れた羽アリに逃げられたと思っていたのですが(7月11日の記事の1枚目の写真)、実は、殺虫管に入っていました。今度調べてみます)
これも採集したので、先ほど冷凍庫から出して検索してみました。まず、「日本産ハムシ類幼虫・成虫分類図説」に載っている検索表で調べてみると、前胸背板後縁前方に横溝があるので、どうやらカミナリハムシ属みたいです。さらに、Kimoto氏の検索表を用いると、上翅の点刻がはっきりしないところからスジカミナリハムシになりました。ついでに顕微鏡写真を撮っておこうと思ったら、触角の端がちょこちょこ動き始めました。どうやらまだ生きているようです。冷凍庫に入れたのが12日なので、もう6日も経っているのですが、寒さには強いのですね。
雑談)
〇市役所の自然展に出す展示は1枚目に成虫の写真だけを載せ、2枚目と3枚目にそれぞれの眼の拡大写真を載せることにしました。成虫写真を載せることで少しはグロテスクさが薄れるかもと思っています。
〇クモの話で書き忘れました。ハエトリグモの前側にある二つの大きな眼で、餌か、結婚相手かを見分けるのですが、どこで見分けるかというと脚のパターンだそうです。♂も♀も大きさがそれほど変化しないとすると、背の模様を見ることができません。横から見ることになると、脚ぐらいしか見えないからかもしれません。それから、横にある6つの眼は焦点を結ばないおかしな光学系になっているそうです。
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