家の近くのむし探検 アリとハチ
家の近くのむし探検 第407弾
6月26日に家の近くの公園に行って虫探しをしました。マンションの廊下と比べると、環境が豊富なせいでしょうが、さまざまなドラマが見られました。
公園に行く途中で、たぶん、ウバメガシではないかと思われる葉上で小さなゾウムシを見つけました。
葉の表面を舐めるように食べています。ゾウムシというと木の枝などに穴をあけるイメージですが、こんな感じに食べることもあるのですね。これはクチブトゾウムシの仲間です。模様から、最初はいつも見ているケブカクチブトゾウムシかと思ったのですが、模様がちょっと違うので、これまでのブログに出した写真を集めた画像リストで調べてみました。するとどうやらトゲアシクチブトゾウムシの様です。「原色日本甲虫図鑑IV」によると、脛節先端に刺があるのですが、写真ではそれは見えません。でも、前脛節内縁が強い2湾状というところは微かに写っている写真がありました。なお、この図鑑ではトゲアシゾウムシになっているのですが、いつもお世話になっている「日本列島の甲虫全種目録」によると、トゲアシクチブトゾウムシになっていたので、そちらを採用しておきます。
これも公園に行く途中の壁に止まっていた蛾です。以前も見たことがあります。たぶん、マルハキバガ科のスジモンキマルハキバガでしょう。
公園に着きました。公園に着いたらまずシラカシの幹で虫を探しを行うのですが、こんな土で作った蟻道が出来上がっていました。これは一昨年も見て、ちょっと感動したことがあります。
でも、今回はどうもちゃんと作られていなくて、あるいは、この間の雨で駄目になってしまったのか、道が途中で途切れたり、かなり広い場所に点々と土がついていたりしていました。アリたちも結構、道を通らず、外側を通っています。
根元の部分はこんな風にかなり太い道になっていました。以前、根元でアブラムシを飼うという話を読んだことがあったので、ひょっとするとここにアブラムシがいるのかなぁと思ってしまいました。
このアリについては以前検索をしたことがあるのですが、詳細はブログに出していなかったようです。そのときはトビイロケアリになったのですが、ケアリの検索は最後のところで、触角柄節の立毛の数を見なくてはいなくて、そこがいつも曖昧になってしまいます。今回は採集はパスしました。
公園ではネムノキが満開でした。
最初、肢に淡色の帯があるのでシマサシガメの幼虫かなと思ったのですが、どうやらオオトビサシガメの幼虫みたいです。齢も含めてもう少し検討してみます。
カマキリの幼虫はよく分かりませんが、この辺り、オオカマキリばかり見ているので、その幼虫ではないかと思います。
これはトックリバチが出た跡かなぁ。
そして、これはヒメガガンボ科のミスジガガンボ。こういうのを調べるときに、以前作ったハエ目の画像リストは種別にしたので、すごく見やすくなったのですが、いざ、更新しようとすると大変な手間になることが分かりました。それで、もう一度、科別にしようかどうか悩んでいます。
公園の砂場でハチが飛び回っています。中に大きなハチがいました。初めハナバチの仲間かなと思ったのですが、「学研生物図鑑昆虫III」を見てみると、ハナダカバチ Bembix niponicaがよく似ています。それで、「日本産有剣ハチ類図鑑」を見てみると、和名がニッポンハナダカバチになっていて、ギングチバチ科ハナダカバチ亜科ハナダカバチ族に入っていました。この近傍で似ている種はタイワンハナダカバチしかいなくて、これは南西諸島に分布しているので、ニッポンハナダカバチで間違いなさそうです。穴の前に止まってじっとしています。
しばらく見ていると小さい方のハチが飛んできました。これは一昨年調べたことがあるギングチバチ科ハナダカバチ亜科のヤマトスナハキバチだと思われます。大きさにこれだけ差がありました。
もうしばらく見ているともう一匹大きなハチが飛んできました。
そして、すぐ横に止まってじっと見守っているようです。このハチは触角先端の形状から♂のようです。
こんな格好でまったく動きません。
それで、もう一匹のヤマトスナハキバチの方を撮ることにしました。このハチは以前、採集して調べたことがあります。あちこちで止まってはこんな格好でじっとして、また、飛び立っては違う場所に止まります。新しい巣穴を作ろうとしているのか、それとも以前作った巣穴を探しているのでしょうか。
ひとしきりヤマトスナハキバチの方を撮って、さっきのハチのところに戻ってみると、もうちゃんと整地されていました。ドラマは終わったようです。
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