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虫を調べる ハラアカアブヒメバチ?

まだブログには出していないのですが、5月19日に家の近くにある川の土手で見つけたハチがいます。



こんな派手なハチです。たぶん、ヒメバチだろうなとは思ったのですが、勉強のために採集しました。このハチは以前にも見ていました。2年前の2016年の5月5日です。その時はネットで「派手なヒメバチ」というようないい加減なキーワードで検索を行い、ハラアカアブヒメバチ Diplazon laetatoriusらしいことが分かりました。ハラアカアブヒメバチはいつもお世話になっている"Information station of Parasitoid wasps"でも、ヒメバチ科ヒラタアブヒメバチ亜科に載っていました。色から見て、たぶん、これで間違いないと思うのですが、一度、検索してみようと思ってこの間から孤軍奮闘をしています。だいたいまとまったので、ここに出そうと思いました。

亜科の検索表は"Information station of Parasitoid wasps"にも載っているのですが、引用しないようにということなので、もとになった"Hymenoptera of the World"(ここからダウンロードできます)に載っている検索表を訳して、調べてみました。

この検索表、かなり大変です。というのは一つの項目に4,5個の細項目があるからです。それで、半分に分けて調べていきたいと思います。



まずは前半の6項目です。これを部位別に調べていきたいと思います。赤字は産卵管に関するもので、ちょっと見た感じでは見つからなかったので、その分の写真はありません。



まずは全体像です。体長は直線距離で測ると5.4mm、後体節第1節で折れ曲がっているとして測ると5.5mm。それほど変わりませんでした。この写真ではとりあえず翅が正常なことを見ます。



次は頭部の拡大です。中央の白い部分が頭盾ですが、先端縁に特に歯は見られません。それで④はOKとしました。上唇がどれだかよく分からないのですが、頭盾の下にあるちょっとした出っ張りの部分だと考えると、特に突出したところも中央の凹みも見られません。それで、⑥もOKとしました。



次は触角です。⑤はOKでしょう。⑥に関しては、触角の節数を数えてみました。鞭節の基部に小さな節があるのですが、これを数に入れるのかどうかで迷いました。入れるとすると、鞭節は17節になり、とにかく⑥はOKです。



次は中胸盾板から後体節第1節までを背側から写したものです。小盾板は矢印で示した部分ですが、先端には特に棘になどありません。



次の前胸背板は中胸盾板の前方に見える幅の狭い部分です。横向きの溝みたいなものが見えますが、突起は特にありません。それで⑤はOKにしました。



次は前伸腹節を写したものです。④の横向きの隆線がはっきりとは分かりません。たぶん、白矢印の部分を指すのかなと思ったのですが、どうだか分かりません。でも、④はOKにしてしまいました。



次は翅脈です。翅脈の名称は"The American Entomological Institute"に載っているものを用いました。②に関しては、2m-cuは存在し、翅脈は完全です。従って、これはOKです。⑤の鏡胞は黒矢印の部分に本来はあるのですが、これにはありません。「開く」という方になるのでしょう。



これは後体節を腹側から写したものです。第2~4節は硬化と書いた部分だけが堅くなっていて、腹板を形成しています。そのほかは膜質になっています。ということで、③はOKだと思われます。



次は後跗節を写したものです。爪が第5節の1/2以下ということですが、全体を測ると0.75にもなってしまいます。先端の爪の部分だけを測れば0.28なので、こちらのことを指しているのでしょう。



最後は腹部末端の写真です。ここがよく分かりませんでした。たぶん、突起が産卵管鞘ではないかと思うのですが、いろいろと論文を見ても確証が得られませんでした。⑤は多くの項目の中の一つなので、たぶん、大丈夫だと思います。



次は検索表の後半です。こちらは5項目なのですが、それでも調べるところがたくさんあります。赤字はやはり産卵管や産卵管鞘に関するもので、今回はとりあえずパスしました。



また、部位別に見ていきます。これは頭盾と大顎を拡大して写したものです。頭盾の上側には溝があります。これが⑦と⑩の内容です。⑪は大顎に関するものですが、下に歯があり、上には幅の太い歯があるのですが、その中央が凹んでいます(黒矢印)。これのことを指しているのだと思われます。ということで、すべての項目をOKとしました。



次は鏡胞に関してですが、特に問題はありません。



これは後翅の翅脈ですが、1/Cuの方がcu-aよりは明らかに長くなっています。ただ、対抗する選択肢がcu-aの方が長いということなので、⑪はOKなのでしょう。



これは後体節第1節に関するものです。通常、後体節第1節は細い筒状になっているのですが、このハチはこんな平板状になっています。これが⑧の内容ではないかと思います。



これは後体節第1節の部分を拡大したものですが、確かに四角くなっています。ということで、⑪はOKです。



そして、これはその後体節第1節を横から写したものです。気門は前寄りにあります。で、⑧もOKです。



後体節第1節を腹側から見てみました。腹板はわずかに見えますが、気門までは達していません。それで、⑧はOKです。



最後は中脛節末端の距刺ですが、写真で示すように2本あります。

ということで、産卵管に関する項目をパスしたのですが、残りはOKなので、たぶん、ヒラタアブヒメバチ亜科 Diplazoninaeで間違いないと思われます。特に、後体節第1節が平板状なのが特徴的です。次は属の検索なのですが、これは次回に回します。
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