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虫を調べる チビハナゾウムシ

顕微鏡写真が溜まってきたので、早めにまとめてみました。



今日はともかく小さなゾウムシです。これについては以前、チビハナゾウムシだと思えていただいたことがありました。その際、記載論文も教えていただいたので、今回はそれに載っている検索表を用いて確認をしてみました。



これはAnthonominae亜科の属と亜属、種への検索表のうち、必要な部分のみを抜き出してきたもので、次の論文に載っていました。

H. Kojima and K. Morimoto, "Taxonomic Study of the Subfamily Anthonominae from Japan (Coleoptera, Curculionidae)", ESAKIA 34, 147 (1994). (ここからpdfが直接ダウンロードできます)

赤字は確かめるのを忘れてしまったものです。また、・・・は交尾器に関するもので今回は省略です。たぶん、大丈夫だとは思いますが・・・。いつものように部位別に写真を見ていこうと思います。



これは背面からの写真です。地色は茶色で灰色の毛状鱗片が散在しています。それで、⑦はOKだと思われます。



次は横からです。まずは体長を測ろうと思ったのですが、どこを測ったらよいのか迷いました。これについては「原色日本甲虫図鑑IV」の最初に書かれていました。ゾウムシは吻の部分を除いて測るそうです。そうなると1.6 mmとなり、⑦の条件もOKとなりました。形は洋ナシ形だということですが、何となく横から見た方がそのように見えます(本当は上からでしょうけど・・・)。吻の長さは頭部と前胸背板を合わせた長さよりも長そうです。ということで①もOKです。



触角挿入溝は矢印の部分に吻に沿ってついています。確かに横からも見えるし、複眼の下半分に向かっているので⑥はOKです。



次は触角を拡大してみました。触角を柄節、中間節、球桿に分けます。そのうち、中間節は数えてみると7節くらいあります。くらいと書いたのは第7節目がどうもはっきりしなかったからです。ここ、本当は重要なのですが・・・。でも、たぶん、大丈夫でしょう。それで、①も⑥もOKにしました。



これは分かりにくかったです。それで、間室と条溝に番号を振ってみました。奇数間室の鱗片が密かどうかは分かりにくいのですが、そういわれるとそうかもしれません。前胸背板の中央には確かに鱗片による筋があります。第5条溝の基部が凹むかどうかは次の写真で見ることにして、第5間室と少なくとも第2間室辺りは前縁部分でつながりアーチ型になっています。そのアーチに第3間室からの鱗片が途中からつながっている感じです。



ちょっと斜めから撮ってみました。第5条溝(それに第6条溝も?)の基部は黄矢印で示すように凹んでいます。これで⑦もOKだと思われます。



②の前腿節の歯状突起は黒矢印で示した部分です。1本だけあります。④の前半部分は前脛節の先端がやや斜めに突起している辺りを指していると思われます。ここの部分の膨れ方が大したことがないという意味のようです。後半は書いてある通りです。ということで、②も④のOKです。



爪の写真ですが、はっきりとは写りませんでした。でも、矢印で示したように歯はありそうです。ということで、尾節板を除いて検索表に書かれている内容を確かめることができました。確定的というわけではないのですが、たぶん、チビハナゾウムシ Anthonomus minorでよいのではと思っています。本当は亜科の検索もすればよかったのですけど・・・。亜科の検索は次の論文に載っていました。

K. Morimoto, "Key to families, subfamilies, tribes and genera of the superfamily Curculionoidea of Japan excluding Scolytidae, Platypodidae and Cossoninae", J. Fac. Agri. Kyushu Univ. 12, 21 (1962). (ここからダウンロードできます)

今度試してみたいと思います。でも、一般的に言って、上位分類の検索の方が難しいですね。もっとも、下位分類の場合は交尾器に関するものが多いですけど・・・。
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