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植物観察会(大阪北部)

4月29日に私の住む大阪北部で植物観察会が開かれました。その時に写した虫の写真ばかりを出していたのですが、本命の植物の写真を出します。もっとも大体はコンデジで撮ったので、いまいちぱっとしない写真が多いのですが・・・。どうも虫と撮るときほど気合が入らなくって・・・。



集合場所の神社にあったケヤキに虫こぶ(gall)がいっぱいついていました。虫好きなのでちょっと調べてみました。ネットで「ケヤキ」と「虫こぶ」で検索するとたくさん引っ掛かります。アブラムシの仲間が作った虫こぶのようです。和名はいろいろ載っているのですが、「日本昆虫目録第4巻」に載っている和名ケヤキフシアブラムシ(ケヤキヒトスジワタアブラムシ) Paracolopha morrisoniを採用しておきます。この種は「日本原色アブラムシ図鑑」や「アブラムシ入門図鑑」にも載っています。なお、前者に載っているColopha moriokaensisは現在ではシノニムとされています。このアブラムシはアブラムシ科ワタムシ亜科ワタムシ族に入っていて、その形態は次の論文に詳しく載せられています。

[1] S. Akimoto, "Taxonomic Study on Gall Aphids, Colopha, Paracolopha and Kaltenbachiella (Aphidoidea: Pemphigidae) in East Asia, with Special Reference to Their Origins and Distributional Patterns", Insecta Matsumurana New Series 31, 1 (1985). (ここからpdfが直接ダウンロードできます)

いわゆるワタムシなのですね。ただ、ここではアブラムシ自体を見ていないので、内容はパスします。「アブラムシ入門図鑑」によると、このアブラムシはケヤキに一次寄生をして5月下旬から6月上旬に二次寄生先であるササ類に移ります。ササ世代は根で生活し、晩秋に腹部が綿状物で覆われた有翅虫がケヤキに飛んでいき、そこで受精をします。卵をもった雌は受精卵を体内に保ちながら死亡します。翌春、卵から孵ったアブラムシは幹母となり、けやきの葉に虫こぶをつくり、そこで卵を産みます。孵った幼虫はそのまま虫こぶ内で有翅虫まで成長し、乾燥した虫こぶの割れ目から飛び出し、ササ類にたどり着くことになります。

この時の虫こぶの中を調べた研究が見つかりました。次の論文です。

[2] S. Akimoto, "Soldier Aphids Found in the Closed Gall of Paracolopha morrisoni (Aphidoidea: Pemphigidae)", Jpn. J. Ent. 64, 379 (1996). (ここからダウンロードできます)

この論文ではエノキケヤキの葉についた虫こぶ130個を切って開け、その中を観察しています。130個のうちの93%は正常にアブラムシがいたのですが、残りの9個はハナアブやハナカメムシの幼虫にやられたり、カビが生えたり、幹母が成熟する前に死亡していたそうです。正常な虫こぶの内部は平均して21匹の4齢幼虫と1匹の1齢幼虫がいました。この1齢幼虫は頑丈な脚を持っているほかは形態的には差はないのですが、ピンセットを差し出すとそれにしがみついて離れないという攻撃的な性質を持っていました。また、2齢への脱皮能がなく、したがって、産卵もできないという特殊な幼虫です。

これは一種の兵隊アブラムシだろうと考えられています。ただ、普通の兵隊アブラムシと違って、特別な武器は持っていないようで、人工的にハナアブの幼虫を入れると、その皮膚にしがみついて口針で毒液を注入するだけなようです。ハナアブ幼虫一匹に対して兵隊アブラムシを5匹入れてみると、すべてが攻撃をしかけるのですが、ハナアブ幼虫をやっつけることはできなくて、数分でみな食べられてしまいました。

どうしてこんな弱い兵隊アブラムシをしかも平均で1匹しか産まないのかは分からないのですが、幹母が産卵する最後の方の卵を孵った幼虫はどうせ十分には育たないので、それなら兵隊アブラムシにしておいた方がましなのではという説もあるようです。

ちょっとアブラムシで時間を取ってしまいました。どうも虫の話だと夢中になってしまいますね。植物の続きを出します。



これは民家の石垣に咲いていた花です。ゴマノハグサ科のツタバウンランと教えていただきました。「日本帰化植物写真図鑑」には載っていて、地中海原産の植物で、観賞用に植えられていたものがあちこちで逸脱しているようです。



こちらはオドリコソウです。民家の横の空き地や林の入り口で咲いていました。



これはその林の入り口付近にありました。ウラシマソウです。花はもう終わりのようです。



道の脇で咲いていたコヒルガオの花です。



同じ場所にあったウラジロチチコグサ



それからキツネアザミです。

ここから暗い林の中に入っていきます。いつもこの辺りにはギンリョウソウが咲いていたのですが、今年はなぜか見つかりません。





やっと一輪だけ見つかりました。今年は乾燥しているので、少ないのかもという話でした。



こんな斑入りのハカタシダもありました。以前、シダを調べていた時に、同じ場所で写真を撮った記憶がありました。





マムシグサがあちこちで生えていました。マムシグサも近縁種が多くて、しかも中間的な個体が多いとのことで、なかなか名前が決められないようです。



シャガの花は華やかですね。



参加者の後姿です。参加は全部で20数名、うち、男性は5名だけでした。ここからもうちょっと行ったところでお昼です。その続きは次回に回します。
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