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虫を調べる ノコギリヒラタカメムシ

先日、ヒラタカメムシの仲間のツヤアカヒメヒラタカメムシらしき個体を調べたので、ついでに4月12日に捕まえたノコギリヒラタカメムシも調べてみました。



こんな独特の恰好をしているので、あまり検索をする必要はないのですが、それでも、ニセノコギリヒラタカメムシのように似た種もいるし、前回はヒメヒラタカメムシ亜科で、今回はヒラタカメムシ亜科という違いもあるので勉強のために調べてみました。



まず、これが背側から撮った写真です。全長は8.8 mmでした。周りのぎざぎざな部分は結合板と呼ばれています。



それから、これが腹面からの写真です。実に変わった形ですね。

検索には「原色日本カメムシ図鑑第3巻」に載っている検索表を用いました。ノコギリヒラタカメムシはヒラタカメムシ亜科に含まれるのですが、そこに至る過程を抜き出すと次のようになります。



この2項目です。①はこの間問題になった側葉と中葉の大きさ比較です。これも順番に写真で見ていきたいと思います。



今回は側葉らしい部分は中葉の基部にちょっと見えるだけでした。もう少し拡大してみます。



中葉の中央には達していないので、①はOKのようです。



②は口吻の長さなのですが、この間、やけに短い口吻を見たばかりだったので、ちょっとびっくりしました。口吻の先端(白矢印)は頭部後縁を越えて、前脚の基節をちょっと越えたところまで伸びています。これで、②の前半はOKです。



②の後半は小盾板についてです。三角形であることは分かりますが、大きいか小さいかは相対的なのでこれだけでは判断できません。この項目は小盾板が腹部の大部分を覆うチビヒラタカメムシ亜科を除外する項目なので、この写真の場合は十分に小さいと言えます。

これで、ヒラタカメムシ亜科になりました。この亜科には日本産はヒラタカメムシ属 Aradus1属だけなので、次は種の検索になります。



こちらも簡単で、この3項目だけです。これも順番に見ていきます。



前葉と後葉の境目に当たる部分に黄色の破線を書いてみました。深度合成を使うとすべてが平面状に写るので、③にあるような「盛り上がり」をうまく表現できませんが、後葉の方が確かに盛り上がっています。また、翼状の張り出しは後葉側に付いています。



④と⑤は触角についてです。④は触角第1節の大きさですが、これは明らかに頭部先端まで届いていません。実は、頭部先端を超えるとニセノコギリヒラタカメムシなどになります。従って、写真を撮るときは触角に注目した方がよいと思われます。最後は触角の色で、これは間違いないでしょう。これは触角が淡色のマルガタヒラタカメムシを除外する項目でした。ということで、無事にノコギリヒラタカメムシになりました。

余談ですが、この間から「虫で調べる」で扱った小さな甲虫を六本脚で売っているチャック式ポリ袋にしまっているのですが、ヒラタカメムシもちょうどいいなと思って入れてみました。



こんな感じになります。このままで展示もできるし、しまっておくときはかさばらないし、捨てるときも針を抜かなくてもよいし、と気に入っています。右から二つ目のカメムシは一応、オオヒラタカメムシではないかと思っているのですが、まだ検討中です。ツヤアカヒメヒラタカメムシの中で一匹だけ大きいのは♂で、後は♀なのですが、同じ種なのかどうかはまだ調べていません。
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No title

ニセノコギリヒラタカメムシって、川原の流木なんかで見付かるやつでしたっけ?
機会があれば探してみたいんですけど、今は行けなくなってしまったダムより上まで行かないと流木が無いし、そもそも川原のあるところが少ないなあ。
川原で虫探ししたいなあ。

No title

ネットで見ると、ニセの方は謎多きカメムシみたいで、栃木県でしか見つかっていないようです。もともと、2003年に雲南省で記載され、その翌年、栃木県で見つかったようです。ニセでない方はマンションでも4月から5月にかけて時々見られます。ということは灯火にやってくるのかな。ひょっとしてニセが混じっていないかと過去の写真を見たのですが、全部、ニセでない方でした。

家から5分ほど歩くと、小さな川ですが、河原があります。以前は水の中に入り水生昆虫を探したこともあったのですが、最近はもっぱら土手で虫探しです。ここも上流が開発されて、水質がだいぶ悪くなってきました。
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