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家の近くのむし探検 ハエ、ハチ

家の近くのむし探検 第370弾

昨日の続きで、4月19日に公園に行ったときに見た虫たちです。今日はハエとハチにします。





最初はこのガガンボです。だいぶ特徴があるので、名前が分かるかなと思ったのですが、手掛かりもつかめませんでした。

追記2018/04/24:通りすがりさんから、「ガガンボはTipula (Tipulodina) joana辺りっぽいですね。」というコメントをいただきました。確かにこの名前で検索すると似たような写真が見つかりました。「日本昆虫目録」を見ると、Tipulodina joanaになっていて、Tipulodinaは属に格上げされていました。和名はジェーンアシワガガンボだそうです。アシワガガンボ属なんてちょっと謂れがありそうな名前です。この属にはnipponicaとjoanaの2種だけなので、頑張れば調べられるかもしれません。さらに、「衛生動物学会東日本大会の中野敬一氏の予稿(2009)によると、『(Tipulodina属の)成虫は翅の先端部が黒く,脚の各節に白い帯のある特徴がある』とのことです。翅の先端の黒い部分はよいのですが、脚の白い帯が見当たりません。もう少し調べてみます。」と書いたら、「2枚目の写真の後脛節に淡色部が見えるので、角度に因るものとか個体差で濃淡があるとか?特徴的なガガンボでも、やはり難しいものですね。」というコメントをいただきました。

また、通りすがりの暇人さんからは、「Tipulodinaの2種の違いについては,"日本産水生昆虫 科・属・種への検索"に書かれています。」というコメントをいただきました。写真を6枚撮ったのですが、どれも後脛節と跗節にピントが合っていません。ぼやっとした写真からは後脛節基部に幅のやや広い白帯があって、跗節は黒っぽいという感じがします。もしTipulodina属ならjoanaに近い感じです。そこで改めて、「日本産水生昆虫 科・属・種への検索」に載っている属への検索表で調べると、R脈の数だけは分からなかったのですが、奇跡的に口吻先端の鼻状突起も、前脛節にある距棘も写っていました。したがって、「脛節、跗節などに白色の帯状紋がある」を選択すれば、Tipulodina属になることが分かりました。たぶん、Tipulodina joana (ジェーンアシワガガンボで合っているみたいです。皆さま、いろいろご教示いただき有難うございました

追記2018/04/25:「アシワ」の由来を調べてみました。まず、Tipulodina属をアシワガガンボ属と呼ぶように提案したのは次の論文です。

中野敬一、「ヤブカ調査用オビトラップに産卵するガガンボ科の1種Tipulodina nipponica Alexander(新称:ニッポンアシワガガンボ)の観察」、家屋害虫 31, 101 (2009). (ここからダウンロードできます)

論文の内容は、東京港区の公園や霊園でヤブカ調査用のオビトラップを仕掛けておくと、そこに産卵するガガンボがいるので、それを飼育し、生活史を調べたという内容です。なお、オビトラップとはovitrapのことで、Wikipediaなどによると、黒い円筒容器の中に水を入れ、表面にワイヤメッシュを張り、蚊が卵を産みやすくした状態で放置します。そうすると、卵が孵り、幼虫になって、最終的に成虫になってもメッシュを通り抜けることができないので、成虫を調べることができるというトラップで、1966年頃から使われるようになったそうです。このトラップに産卵するガガンボを調べてみたら、Tipulodina nipponicaであることが分かり、中村剛之氏の提案によりTipulodina属を「アシワガガンボ属」と命名したということです。由来は書いていないのですが、たぶん、「足輪」の意味ではないかと思います

追記2018/04/25:オビトラップにはいろいろなやり方があるみたいです。次の論文には表面にナイロンメッシュを張った浮きを浮かべておくと、蚊が卵を産むが、表面にメッシュがあるので2齢幼虫が表面に浮かぶことができず、窒息して死んでしまうそうです。

M.-L. Cheng et al., "Role of a modified ovitrap in the control of Aedes aegypti in Houston, Texas, USA", Bull. World Health Organ. 60, 291 (1982). (ここからpdfが直接ダウンロードできます)



ツツジの葉に止まっていました。小さなハチでコバチかなと思います。触角が面白いので採集しようとしたのですが、一瞬で逃げられてしまいました。



これはたぶん、クロバネキノコバエの仲間。



この手のユスリカは「日本のユスリカ」に腹部の斑紋パターンが出ています。それと比べると、フタスジツヤユスリカかなと思いました。



先ほどのは♀ですが、今度は♂の方です。ナカオビツヤユスリカだと思います。



これは何だろうな。一応、採集したけど。(追記2018/05/07:先ほど検索してみました。シマバエ科のHomomoneura属までは達しました。ここから先の種の検索はまだやっていません



桜の木に止まっていました。ケバエの♂です。これは採集して調べてみました。クロアシボソケバエ Bibio holomaurusのようです。顕微鏡写真も撮ったので、今度出します。





こういうやや大きめのハエは撮るだけ撮ったのですが、よく分かりません。たぶん、イエバエ科で上は♂、下は別種で♀。イエバエは「日本のイエバエ科」があるので、採集すれば何とか調べられるのですが、ちょっと大きいとつい躊躇してしまいます。



これはアシナガバエの仲間でしょう。



最後はマンションのエレベータホールにいたハチで、たぶん、ヒメハラナガツチバチだと思われます。

雑談)ブログにこれまで出してきた写真をまとめた画像リストを作っていたのですが、今日は最後のハチ目の整理をしてやっと終わりました。ブログに出した名前そのままをまとめただけなので間違っているのも多いと思います。そのつもりで見ていただければ幸いです。今年の1月21日現在でまとめていたのですが、整理するだけで3か月もかかってしまいました。これ以降に名前の分かった種もあるので、また、まとめないといけません。まるでいたちごっこですね。
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No title

ガガンボはTipula (Tipulodina) joana辺りっぽいですね。

画像リストの作成、お疲れ様です。
一度まとめたら、こまめに追加していくと良いんですが、画像が多いとなかなかやりきれませんよね。

No title

確かにこの名前で検索すると似たような写真が見つかりました。「日本昆虫目録」を見ると、Tipulodina joanaになっていて、Tipulodinaは属に格上げされていました。和名はジェーンアシワガガンボだそうです。アシワガガンボ属なんてちょっと謂れがありそうな名前です。この属にはnipponicaとjoanaの2種だけなので、頑張れば調べられるかもしれません。でも、採集しなかったからたぶん駄目ですね。

そうなんですよ。次から次へと新たな虫が出てくるので、終わりがなくって・・・。まとめてみると空白の科もだいぶ見つかります。ガガンボもその一つですが・・・。リストができた喜びより、まだ、やらなければならないところばかりが目に付いて、ため息ばかりついています。

No title

衛生動物学会東日本大会の中野敬一氏の予稿(2009)によると、「(Tipulodina属の)成虫は翅の先端部が黒く,脚の各節に白い帯のある特徴がある」とのことです。翅の先端の黒い部分はよいのですが、脚の白い帯が見当たりません。もう少し調べてみます。

No title

2枚目の写真の後脛節に淡色部が見えるので、角度に因るものとか個体差で濃淡があるとか?
特徴的なガガンボでも、やはり難しいものですね。

No title

あぁ、確かにそうですね。他の写真も見てみたのですが、確かに白くなっています。角度によるかもしれませんが・・・。Tipulodina属、なかなか情報が得られません。うーむ。

No title

Tipulodinaの2種の違いについては,"日本産水生昆虫 科・属・種への検索"に書かれています.なお,同書は今月末に第二版が発行されます.

No title

> 通りすがりの暇人さん、こんばんは

情報をどうも有難うございます。写真を6枚撮ったのですが、どれも後脛節と跗節にピントが合っていません。ぼやっとした写真からは後脛節基部に幅のやや広い白帯があって、跗節は黒っぽいという感じがします。もしTipulodina属ならjoanaに近い感じです。

「日本産水生昆虫 科・属・種への検索」第二版は初版とはどのくらい変わっているのでしょう。ご存知ですか。
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