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虫を調べる リンゴキジラミ属

4月10日にマンションの渡り廊下で見つけた虫がいます。



これはキジラミの仲間です。これと同じような種は以前にも見たことがあります。その時はキジラミ科としか分からなかったのですが、その後、「絵解きで調べる昆虫2」で調べてベニウラジロノキキジラミではないかと思いました。今回は採集したので、先日、検索をしてやはりベニウラジロノキキジラミかもという結論になりました。その根拠は、①体色は鮮紅色、②額錐の先端部が斜めに裁断されたような台形状、③触角先端の2本の毛はほぼ同長(短い方は長い方の2/3以上)という3点でした。でも、①の鮮紅色というのがいかにも違います。ひょっとして雌はこんな色かなと楽観的に考えたのですが、ちょっと自信がありませんでした。その後、通りすがりさんから、「ヤツデキジラミの越冬世代の色では」というヒントをいただきました。確かに、鮮紅色というのを選ばないと、ヤツデキジラミにはたどり着きそうです。それで、もう一度、一から検索してみることにしました。

検索表は「絵解きで調べる昆虫2」に載っています。ただ、ヤツデキジラミに達するには36項目も調べないといけません。それで、まずは属の検索までまとめてみました。



最初は科の検索です。これを検索のほぼ順番通りに写真で確かめていきたいと思います。



前翅の翅脈の写真です。ついでに翅脈と翅室に名称を入れておきました。この名称は先ほどの本の中の「キジラミ類の成虫の形態」を参考にしています。先頭が大文字のものは翅脈、小文字は翅室です。どの項目も見るとすぐに分かりますが、②に載っている擬翅脈はRs脈とM脈の間に気管の通っていない脈のことを指します。これにはありません。



次は触角の先端です。触角の先端には2本の剛毛があります。③はその長さが触角の先端2節の長さの和より短いという内容ですが、実際に測ってみると、ほぼ同長でした。ただ、対抗する選択肢を選ぶとヒメキジラミ科になり、これは明らかに剛毛の方が長いというのでたぶん、大丈夫でしょう。ここは表現として、「ほぼ等しいか短い」と書いてもらえばよいように思いました。



次は頭部を撮影したものです。額錐というのは写真で示したものですが、これが突出しています。それで、⑥もOKです。というわけで、キジラミ科に達しました。次は属の検索です。



属の検索は全部で11項目もあります。これもほぼ検索順に見ていきたいと思います。


翅脈と翅の色や斑紋に関する項目が多いので、二つに分けました。だいたいは見ると分かりますが、⑫がちょっと問題です。図で示したCu1b脈とCu1a脈の基部での角度についてです。ぱっと見で直角に近いと思ったのですが、測ってみると77度でした。鋭角ではあるのですが、やはり直角に近いと判断した方がよいでしょう。これも表現として、「ほぼ直角か鈍角」としておいてもらうとよいのではと思いました。


次は斑紋についてです。写真では翅の後縁に沿って薄い色がついていますが、斑紋というほどではないので、上の項目すべてOKだと思いました。



これは体長と前翅長を測るために撮った写真です。体長は4mmには届きません。



次は触角の長さと頭幅との長さ比べです。顕微鏡を同じ倍率で撮影して比較しました。触角は頭幅の1.53倍でした。⑬はOKです。



これは後脛節末端の鋸歯についてです。これが一番撮りにくいです。鋸歯と呼ぶより黒い距棘と言った方がよさそうですが、こちらの側からは3本見えています。裏側からは2本が見えているので、たぶん、5本で合っていると思います。でも、どの距棘を写したのかが途中で分からなくなって、何度も撮り直しました。



後脚脛節基部の距棘です。矢印の部分を指しているのではと思いました。



最後は腹部末端の写真です。こんな構造は雌のようです。肛節は写真の部分ですが、先端は尖っていません。というので若干怪しいところもあったのですが、一応、すべての項目を確かめたので、たぶん、リンゴキジラミ属で合っているのではと思っています。

問題はこれから先の種の検索です。まだ、18項目も残っています。いくつかの可能性も含めた上で検索を進めていきたいと思います。
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