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虫を調べる ケシキスイ科Epuraea属?

この間から苦戦していた甲虫の属が分かったような気がしました。まだ、確かというわけではないのですが、とりあえずまとめてみました。



調べたのはこんな甲虫です。3月15日にマンションの廊下で数匹見つけたので何匹か採集しました。調べたのがこの写真の個体かどうか分からないのですが、たぶん、同じ種ではないかと思っています。触角の先端が太いとか、前胸背板の形とか、腹部末端の尾節板が少し見えているとか、ケシキスイ科の特徴によく合うので、おそらくケシキスイ科だろうと思って、「原色日本甲虫図鑑III」に載っている属の検索表で調べてみました。その結果、ケシキスイ亜科NitidulinaeのEpuraea属になりました。図鑑の写真を見てEupraea属かなと思っていたので、ちょっと強引に結び付けたところがあってあまり確かではないのですけど・・・。なお、「日本列島の甲虫全種目録」によると、この属はヒラタケシキスイ亜科 Epuraeinaeに入っていますが、とりあえずこのままの検索表で調べてみました。その結果をまとめると次のようになります。



全部で16項目を調べるとEpuraea属であることが確かめられます。これから、写真で調べていこうと思うのですが、赤字は調べられなかった項目です。だいたいはほかの項目で補完できるので大丈夫だろうと思いますけど・・・。それではいつものように部位別に写真で見ていきたいと思います。



まずは全体像です。体長は2.3mm。結構小さな甲虫です。この写真からは体全体に毛が生えているという⑥、上翅背面の毛と点刻が列をなしていないという⑩を確かめます。



次は腹側からの写真です。各部の詳細については後で出てきます。



次は頭部です。まず、上唇と頭盾が分離されているという④は確かみたいです。⑬と⑭もこの写真から見る限り大丈夫だと思われます。



次は口器のあたりの写真です。①は「小顎は外葉を欠く」という内容です。小顎髭は矢印で示した部分ですが、それが生えている基部が小顎だと思われます。ただ、どれがどれなのかよく分かりません。触角溝は静止時に触角を収めておく溝ですが、たぶん、この矢印の部分の凹みだと思われます。下が後方なので、後方で近寄っているのはその通りです。



次は触角です。節数を数えてみると11節でした。これは「原色日本甲虫図鑑III」に載っている科の説明とあっています。先端の大きくなった部分を球桿と呼びますが、①と⑫は書いてある通りだと思います。次の⑯については、第2節が明らかに第3節の1/2より大きいので大丈夫でしょう。



⑪は適当な写真がなかったのですが、この写真でも背面の隆起が弱いことが分かると思います。



次は前胸腹板の写真ですが、実はここが苦戦となった場所です。この写真をぱっと見て前基節窩の後方が開いていると思ったのが間違いのもとでした。検索表でそちらを選択するとおよそ違う属に行き着きます。この間はここで詰まってしまいました。昨日はもう少し詳しく調べてみようと思って次の写真を撮りました。



この写真を見ると前基節の後方には前胸側板が細長く伸びていて、下の部分を完全に覆っています。つまり、前基節は後方には閉じていることになります。これで④と⑦はOKになりました。⑪と⑮の前胸腹板突起は矢印の部分ですが、その先端は下に曲がって、前胸側板の先端と重なっています。たぶん、⑪と⑮もOKだと思います。



この⑤もはっきりとはしないのですが、たぶん、鋭い腿節線というのはないのだと思います。



次は尾節板についてですが、この矢印の部分が尾節板だと思いますが、少しだけ露出しています。⑨は尾節板の基部が見えないのでギブアップしようと思ったのですが、先ほど、翅を上から押して少し広げて撮影しました。ちょっと押すだけで広がるんですね。



これを見る限り、凹陥らしきものはありません。検索表の対抗する選択肢では尾節板基部に8個の小凹陥が1列に並ぶということになっています。たぶん、ないのだろうと思います。それで⑨もOKです。



次は中・後脛節背面の写真です。白矢印で示すように稜線が2本あります。中央には毛列があります。



最後は⑧の前跗節についてです。写真を撮ってみたのですが、構造がややこしくてよく分かりません。それで、透過照明で撮り直してみました。



これは前脚跗節と後脚跗節を比較したものですが、こうやって比較すると前脚跗節の方が広がっていることが分かります。それで⑧もOKです。ついでに「原色日本甲虫図鑑I」に載っている絵を参考にして跗節の節数も数えてみました。5節はありそうです。後跗節はなんだか分からないのですが・・・。



これは跗節を裏側から撮ったものです。粘着部分が綺麗に写っています。こちらで比較しても前跗節が広がっていることが分かります。



あまりに綺麗なので40倍の対物を使って写してみました。これは蛇足でした。ということで、すべての項目を確かめたので、たぶん、Epuraea属でよいのではと思っています。「日本列島の甲虫全種目録」によると、この属には7亜属55種が記録されていてかなりしんどい属です。ここからは情報がなくて調べられません。

ついでに撮った写真です。





これは上翅の拡大です。網目のような構造があるのに気が付き、面白いので撮ってみました。
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