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虫を調べる コガネコバチ科(続き)

2日前に出したコバチの検索の続きで、今日は亜科の検索です。



対象はこんなハチで、体長は5.8mmです。2日前に「絵解きで調べる昆虫」に載っている検索表を使って調べてみたら、コガネコバチ科になりました。コガネコバチ科の亜科の検索は以前にも試みたことがあります。その時は次の本の検索表を使ったのですが、今回も同じ検索表で試してみました。

C. M. Yoshimoto, "The Families and Subfamilies of Canadian Chalcidoid Wasps (Hymenoptera: Chalcidoidea)", The Insects and Arachnids of Canada Part 12, (1984). (ここからダウンロードできます)

前回はPteromalinae亜科になったのですが、実は、今回も同じ亜科になってしまいました。それをまた写真で確かめていきたいと思います。



検索表は以前に出したものとまったく同じです。赤字は原文が間違っているのではないかと思って、訂正したところです。これを検索順ではなくて、部位別に調べていきたいと思います。



まずは背側からみた全体像です。ここでは金属光沢を持っていることを確かめます。特に、腹部が金属でできているみたいです。



次は頭部です。ここではⒷ、Ⓓ、Ⓔ、Ⓕ、Ⓗの5項目を調べます。主に触角挿入口の位置なのですが、特に問題になるところはなさそうです。



次は触角です。実は、これが難しかった・・・。節の区切りがよく分からないので、生物顕微鏡で2つに分けて拡大して撮りました。1、2節は問題ないのですが、環状節がいくつあるかがよく分かりません。20倍の対物鏡を使って撮ったのが右上にあるのですが、毛の生え方から3節はありそうだというところまででした。6~9節は区切りが見えてすぐに分かるのですが、10節と11節の区切りが見えません。たぶん、こう分かれるのだろうと思って番号を付けたのですが、はっきりとは分かりません。これを認めると全部で13節になり、ⒾはOKになります。ⓀもOKです。



次は胸部背面の写真です。ここにも3項目ありますが、これらはまず大丈夫でしょう。



次は胸部側面の写真です。prepectusは何と訳してよいのか分からないので原文のままですが、前胸背板とは離れています。したがって、ⒶはOKです。



次は翅脈です。ⒸはBrachyscelidiphaginae亜科を除外する項目なのですが、径室がないのでまず大丈夫だと思います。Ⓕも大丈夫そうです。



ここは若干問題がありました。中胸盾板にはnotaulus(複数はnotauli)という溝があります。これについては以前書いたことがありますが、この溝は間接飛翔筋の縦走筋と背腹筋を分ける甲の境目(分隔甲)になっているとのことです。これがtranscutal sutureという後方の溝に届くかどうかというのがⒼです。写真を見るとわずか手前で終わっています。従ってⒼを選んだのですが、なかなか微妙です。ちなみに、これに対抗する選択肢を選んでも同じPteromalinae亜科になりました。検索表がちゃんと考えられているようです。Ⓔについては黄矢印で示したように毛が生えていますが、列にはなっていません。それで、ⒺもOKです。



これは前伸腹節を写したものですが、気門は前縁に近くに位置しています。それでⒹもOKです。



これは腹部の写真です。三角形状というのは原文ではhigh triangleの訳なのですが、本の図によれば三角形を二つくっつけたような形で、この写真とはだいぶ違います。



腹部を拡大してみました。節に番号を振ってみたのですが、特に第1節が大きいということはありません。それでⒻはOKだと思いました。



最後は後脚脛節です。写真のように先端刺は1本でした。ということで、Pteromalinae亜科になりました。何度か見直したので、たぶん、大丈夫だと思いますが、Pteromalinaeは巨大な亜科で、全世界では314属もあり、属の検索は相当に大変です。ちょっと試みたのですが、まだ、目的地まで達していません。

検索に用いなかった写真も載せておきます。



10倍の対物鏡で頭部を撮ったらこんなに大きくなってしまいました。上の写真は5倍の対物鏡で撮ったものです。



頭部と胸部を側面から撮ったものです。



それから胸部側面の写真でした。
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