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虫を調べる タマバエ科Campylomyza属?

先日、タマバエが2匹いたので、両方とも捕まえてきました(2/15)。昨日、それを調べてみたのですが、実はこの2匹、どうやら違う種のようです。とりあえず、一方だけ顕微鏡写真を撮って検索をしてみたのですが、なかなか難しい検索であまり自信がありません。でも、ともかくまとめてみました。





この2匹です。2匹とも吸虫管で吸ったので、どちらがどちらだか分からなくなったので、両方とも写真を出しておきます。ぱっと見た感じはほとんど同じなのですが、触角鞭節にある感覚子の形が違っていました。たぶん、違う属だと思います。(追記2018/02/21:これらの写真から判定すると、上は触角が12節、下は触角は13節みたいです。顕微鏡で調べてみると、今回の個体は12節、もう一方の個体は13節でした。したがって、上の写真が今回の個体に該当すると思われます





冷凍庫から取り出して写した写真がこれです。体長は1.8mmなので、かなり小さなハエです。タマバエについては以前にも検索を試みたことがります。その時に用いた検索表で今回も調べてみました。

J. Yukawa, "A Revision of the Japanse Gall Midges : Diptera : Cecidomyiidae",Memoirs of the Faculty of Agriculture, Kagoshima University 8, 1 (1971). (ここからダウンロードできます)

検索表はこの論文に載っています。これで調べてみると、Lestremiinae亜科Micromyini族のCampylomyza属あたりになったのですが、検索項目を並べてみると次のようになります。


①から③までは問題なく、④あたりから怪しくなり、⑤はすぐには分かりませんでした。これを写真で見ていきたいと思います。



まず、跗節第1節の長さに関してですが、明らかに第2節よりは長くなっています。これでLestremiinae亜科は確定です。



次は翅脈に関するものです。翅脈の名称は上の論文で用いている名称を採用しました。②はM1+2が分岐していなくて、M3+4とCuが分岐になっているということですが、まさにその通りです。これでMicromyini族になりました。次の③は黒矢印で示したようにR5を越えて前縁脈が伸びています。④はR1がRsより3倍以上の長さだというのですが、測ってみると4.2倍になり、これもOKです。



④にはさらに項目があって、これからが厄介です。まず、翅脈にある感覚性の孔についてですが、よくよく探すと黒矢印のところに孔が空いていました。R5の基部というよりはRsの末端部なのですが、r-mにはなさそうなので、これのことかなと思っています。でも、あまり自信はありません。



④のもう一つの項目はもっと厄介です。脚の爪の間にある爪間突起が爪と同じ長さというのですが、どう見ても半分かそれ以下しかありません。でも、幅は広そうです。これが駄目だと④bに進むのですが、こちらを選ぶと「爪間突起がない」ことになるので、これも違うようです。やはり④aを選ぶべきかなと思って進んでみました。



次は触角鞭節に関するものです。触角は12節あり、3節から12節までが鞭節です。これを拡大してみます。



板状の感覚突起は"plate-like sensory processes"の訳です。黒矢印で示した膜状のものを指すのかなと思ったのですが、よくは分かりません。それで、MNDの検索表も見てみました。



赤字の部分がそれに相当するのですが、こちらは襟状の感覚子となっています。これは、"distal sensory collar"の訳です。板状より襟状という方がよく分かります。しかも、これは♀に特有だと書かれています。この個体は♀なので、やはりこれでよいのかなと思っています。それで、Campylomyza属が第1候補になりました。いずれにしても、かなり細かいところを見ないといけないので、相当に難しい検索です。「日本昆虫目録第8巻」によると、本州産のCampylomyza属はmori一種なので、これかなと思っています。

ついでに検索に用いなかった写真も載せておきます。



頭部と胸部の写真です。左右の複眼が中央でくっついていて、単眼が2つあることが分かります。



横からです。



それに腹部末端です。こんな形のは♀です。

なぜタマバエの検索をしたかというと、この間から、以前にブログに出した写真の整理をしていて、生態写真ではタマバエとクロバネキノコバエ、キノコバエあたりの区別がつかなくて困っていたからです。タマバエについては以前にも検索をしたことがあったのですが、ともかく小さいので顕微鏡で覗いても分からない部分が多くて苦労しました。先日捕まえたもう一匹の方は襟状の感覚子がないので、別の属かなと思っているのですが、こちらの方はまだ整理がついていません。
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