虫を調べる リンゴキジラミ属
今日はこんな虫を調べてみました。
この虫については、12月18日にマンションの廊下で見つけて、翌19日のブログに出していました。この時は「九州でよくみられるウンカ・ヨコバイ・キジラミ類図鑑」をパラパラ見て、リンゴキジラミ属 Cacopsyllaだろうと書いたのですが、そのままになっていました。幸い、採集して冷凍庫に入っていたので、この間、取り出して調べてみました。実は、甲虫を出すつもりで間違って出してしまったのですけど・・・。でも、ちょうど「絵解きで調べる昆虫2」にはキジラミ類の絵解き検索が載っているので、ちょうどいいなと思ってやってみました。
まずは冷凍庫から取り出して、全体を撮影しました。複雑な模様があり、見ていても飽きません。腹部末端が尖っているので、たぶん、♀でしょうね。体長は3.0mmでした。
次は横からの撮影です。
胸部の拡大です。「絵解きで調べる昆虫2」には形態図が載っているので、それに倣って名前を付けたのですが、中胸小盾板はこの場所でよいのでしょうか。
それでは、絵解き検索表に従って調べていきます。2つある選択肢のうち、選んだ方を書き並べてみるとこのようになります。予想通り、キジラミ科になりました。これを写真で確かめていきます。
翅脈に関する項目が多いので、先ほどの形態図に載っている翅脈の図に倣って名前を付けてみました。Cuと書いてあるところがCu1と書いた方がよいような気がするのですが、とりあえず、本の通りに名前を付けておきます。①の項目はトガリキジラミ科を分ける項目です。トガリキジラミではR、M、Cuの各脈が一点から分かれているのですが、これはまずRとM+Cuに分かれ、さらに、MとCuに分かれるというように2段階で分かれています。②はネッタイキジラミ科を分ける項目、④と⑤はヒゲブトキジラミ科を分ける項目、⑦はヒラズキジラミ科を分ける項目で、どれもこの写真から分かります。
触角が細長くて、密毛で覆われないというのもこの写真から分かります。
触角の先端に2本の剛毛があるのですが、うまく写っていません。
それで照明を工夫して撮ってみました。それほど長くはないので、③はOKでしょう。
これは頭部を上から撮ったものです。額錐というのが尖っていることが分かります。これで⑥はOKでしょう。というわけですべての項目を確認したので、キジラミ科というのは確かそうです。それでは、次は属の検索をしてみます。
属の検索はこの11項目を調べることにより、初めの予想通りリンゴキジラミ属であることが分かります。赤字で距棘と書いたところは、本では鋸歯となっていたのですが、形態図には距棘となっていたので、統一した方がよいのではと思って直しました。また、「普通」と書いたところは5本で例外があったので、このように補ってみました。これも写真で見ていきます。また、青字は確かめるのを忘れた項目です。
⑬は翅の先端までの全長になっているので、写真から推測してみました。4mmぎりぎりの3.9mmになったので、まぁ、いいのでしょう。
翅脈に関する項目は多いので、二つに分けて書きます。⑧から⑪はいずれもこの写真から分かります。
この4項目もたぶん、写真から判断できると思います。
触角と頭幅とを比較する項目があったので、測ってみました。頭幅の2倍にはなっていないようです。
これは先ほど出てきた後脛節先端の黒色距棘です。パッと見ると5本なので、たぶん、上の項目はすべて大丈夫だとは思うのですが、4番目の距棘が2本重なっているような気もして、そうなると6本になるし・・・とちょっと心配です。
最後は腹部末端の構造についてです。これも形態図を参考にして名前を付けてみました。この写真からは雌交尾器は長く、肛節先端が尖っているように見えるので、⑱の後者の記述に合致すると思います。翅が透明なので、たぶん、大丈夫でしょう。というところで、属まで到着しました。この後、種の検索に進むのですが、一旦、ここで止めておき、次回に回します。
この虫については、12月18日にマンションの廊下で見つけて、翌19日のブログに出していました。この時は「九州でよくみられるウンカ・ヨコバイ・キジラミ類図鑑」をパラパラ見て、リンゴキジラミ属 Cacopsyllaだろうと書いたのですが、そのままになっていました。幸い、採集して冷凍庫に入っていたので、この間、取り出して調べてみました。実は、甲虫を出すつもりで間違って出してしまったのですけど・・・。でも、ちょうど「絵解きで調べる昆虫2」にはキジラミ類の絵解き検索が載っているので、ちょうどいいなと思ってやってみました。
まずは冷凍庫から取り出して、全体を撮影しました。複雑な模様があり、見ていても飽きません。腹部末端が尖っているので、たぶん、♀でしょうね。体長は3.0mmでした。
次は横からの撮影です。
胸部の拡大です。「絵解きで調べる昆虫2」には形態図が載っているので、それに倣って名前を付けたのですが、中胸小盾板はこの場所でよいのでしょうか。
それでは、絵解き検索表に従って調べていきます。2つある選択肢のうち、選んだ方を書き並べてみるとこのようになります。予想通り、キジラミ科になりました。これを写真で確かめていきます。
翅脈に関する項目が多いので、先ほどの形態図に載っている翅脈の図に倣って名前を付けてみました。Cuと書いてあるところがCu1と書いた方がよいような気がするのですが、とりあえず、本の通りに名前を付けておきます。①の項目はトガリキジラミ科を分ける項目です。トガリキジラミではR、M、Cuの各脈が一点から分かれているのですが、これはまずRとM+Cuに分かれ、さらに、MとCuに分かれるというように2段階で分かれています。②はネッタイキジラミ科を分ける項目、④と⑤はヒゲブトキジラミ科を分ける項目、⑦はヒラズキジラミ科を分ける項目で、どれもこの写真から分かります。
触角が細長くて、密毛で覆われないというのもこの写真から分かります。
触角の先端に2本の剛毛があるのですが、うまく写っていません。
それで照明を工夫して撮ってみました。それほど長くはないので、③はOKでしょう。
これは頭部を上から撮ったものです。額錐というのが尖っていることが分かります。これで⑥はOKでしょう。というわけですべての項目を確認したので、キジラミ科というのは確かそうです。それでは、次は属の検索をしてみます。
属の検索はこの11項目を調べることにより、初めの予想通りリンゴキジラミ属であることが分かります。赤字で距棘と書いたところは、本では鋸歯となっていたのですが、形態図には距棘となっていたので、統一した方がよいのではと思って直しました。また、「普通」と書いたところは5本で例外があったので、このように補ってみました。これも写真で見ていきます。また、青字は確かめるのを忘れた項目です。
⑬は翅の先端までの全長になっているので、写真から推測してみました。4mmぎりぎりの3.9mmになったので、まぁ、いいのでしょう。
翅脈に関する項目は多いので、二つに分けて書きます。⑧から⑪はいずれもこの写真から分かります。
この4項目もたぶん、写真から判断できると思います。
触角と頭幅とを比較する項目があったので、測ってみました。頭幅の2倍にはなっていないようです。
これは先ほど出てきた後脛節先端の黒色距棘です。パッと見ると5本なので、たぶん、上の項目はすべて大丈夫だとは思うのですが、4番目の距棘が2本重なっているような気もして、そうなると6本になるし・・・とちょっと心配です。
最後は腹部末端の構造についてです。これも形態図を参考にして名前を付けてみました。この写真からは雌交尾器は長く、肛節先端が尖っているように見えるので、⑱の後者の記述に合致すると思います。翅が透明なので、たぶん、大丈夫でしょう。というところで、属まで到着しました。この後、種の検索に進むのですが、一旦、ここで止めておき、次回に回します。
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