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廊下のむし探検 蛾、甲虫、クモなど

廊下のむし探検 第970弾

12月22日にマンションの廊下で見つけた虫の続きで、ハエ以外の虫です。



これはたぶん、この間からいる蛾だとは思うのですが、ミドリハガタヨトウだと思います。



甲虫はこのナミテントウと、



この小さな甲虫でした。前胸背板の側縁の形に特徴があります。たぶん、キスイムシ科Cryptophagus属は確かだと思います。たぶん、この間から見ているヨツモンキスイだとは思うのですが、側縁中央にある突起がよく分かりません。





アブラムシの有翅型も時々見ます。これは触角が長いですね。



こちらは触角が短いので、オオアブラムシ亜科なのかなぁ。アブラムシもホストにいないとほとんど分かりません。



この手のハチも採集すると科、亜科くらいまでは分かるかもしれませんが、それから先が分からないので、どうもモチベーションが上がりません。



そしてこのクモ。カニグモ科は確かなのですが、それから先が分かりません。「日本のクモ」をパラパラ見ていたら、何となくアマギエビスグモ Lysiteles coronatusに似ているかなと思ったのですが、どうやって調べていったらよいのやら。

それで、たまにはクモの文献でも調べてみようと思って探していたら、次の博士論文が見つかりました。

H. Ono, "A revisional study of the spider family Thomisidae (Arachnida, Araneae) of Japan", (PhD Diss., Kyoto Univ., 1988). (ここからpdfが直接ダウンロードできます)

これは日本産カニグモ科について書かれた博士論文なのですが、相当な力作です。本文は457ページもあり、図も221図まであります。Google Scholarで見てみると、博士論文にも拘わらず被引用数が212件もありました。亜科、属、種(♂、♀)の検索表も完備しています。これを見て、少しクモもやる気が出てきました。

ちなみに、アマギエビスグモの属するLysiteles属に至るには、次のような検索表の各項目を確かめていかなければなりません。



専門用語が分からなくてこれだけ訳すだけでも悪戦苦闘したのですが、昔、買っていた「原色日本蜘蛛類大図鑑」(保育社)の形態概説が大いに役に立ちました。それでも、交尾器に関する言葉はよく分からないので、原文のまま載せています。基本、採集しないと調べられないのですが、属の検索表のうち、⑥の後半、⑦、⑧の前半などは写真でも判定できそうです。検索表を見ると、どこを見ればよいのか分かるので、写真を撮るときにも大いに役に立ちます。こんなに詳しい検索表があるのなら、一度採集して調べてみようかな。
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No title

そろそろそちらもフユシャクのシーズンになりそうですね。
こちらはちょっと少ないみたいな…
10月に300ミリ以上も雨が降ったし、冬の訪れが早かった影響か、秋以降の蛾を殆ど見ていませんね。
外灯もLEDになって、本当に虫が来なくなってしまいましたし、散策の暇も無く、本当に詰まらない年でした。

No title

あ、本当ですね。足の骨折で1か月ちょっとマンションの廊下を見なかったせいか、今秋はほとんど蛾を見ていません。先日来2回ほどマンション中の廊下を歩いたのですが、蛾は1匹見ただけ。冬尺はまったくいませんでした。今年は蛾が少ないのかなぁ。昨日、整形外科に行ったら、もう靴を履いて歩いているのですかと驚かれてしまいました。まだ、早かったのかな。
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