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ノミハムシのジャンプ速度

先日、ノミハムシの検索をしました。





ノミハムシというのはこんなハムシです。後腿節がやけに太く、これでジャンプするのだろうなと思ったのですが、その時、どんな仕組みでジャンプするのかなと気になってきました。それで少し文献を探してみました。文献はいくつか見つかったのですが、かなりまじめに読まないと理解できそうにないので、とりあえず、ジャンプするときの離陸速度などを調べてみることにしました。文献を探してみると、いろいろな虫についてデータがあったので比較してみました。



表にしたら、字がちょっと小さくなりすぎたので、拡大して見てください。調べた昆虫は、ノミ、ノミハムシ、ノミバッタ、ヨコバイ、アワフキ、カスミカメの6種です。論文中にはいくつかの種で調べたデータがあったのですが、その中の適当な1種を選んで載せています。ノミバッタについては両脚で飛んだ場合と片脚で飛んだ場合について載せています。調べた量としては、虫の体重と体長、離陸時間、離陸速度、離陸角、それに、加速度、重力加速度との比、力、運動エネルギー、パワー、筋肉の単位重さあたりのパワーの11項目です。加速度から下の欄が赤字になっているのは、論文に載せられた数値がいくつかおかしいところがあったので、もう一度、計算をやり直した結果です。たぶん、これで合っていると思います。単位系をいろいろ使っているので、それで混乱しているみたいでした。MKS単位系に統一しておけばよいのですけどね。

まず、離陸時間と離陸速度の欄を見てみます。右端のカスミカメを除くと離陸時間は1~4ミリ秒とだいたい一定しています。また、離陸速度も秒速1~5メートルとこれもほぼ一定しています。これらはすべて「カタパルト機構」というコメツキが飛び上がるときに使うような固い物質の歪みを使ったジャンプをしています。これに対して、カスミカメは離陸時間が17ミリ秒、離陸速度は秒速0.8メートルとかなり遅いので、筋肉の伸縮を使った通常のジャンプ機構とされています。

離陸速度はたかだか秒速数メートルくらいなのですが、それが静止した状態からミリ秒の間に起きるので、かなり急激な速度増加が必要です。従って、加速度としては重力加速度の50倍から300倍ほどになり、かなりの力が必要になります。特に体重の重い虫ほど大変で、ノミバッタやアワフキなどは特に大きな力が必要になります。逆に遠くまで飛ぶノミは体が軽いので、それほど力は必要としないという結果が出ています。ノミハムシはノミよりは力が必要ですが、ノミバッタほどは要らないということみたいです。筋肉の重さを体重の10%だと仮定して、筋肉の単位重さあたりに出すパワーを計算してみると、やはりノミバッタ、アワフキは大変なパワーが必要で、その分、筋肉への負担も大きくなると思われます。

ジャンプの機構ということになると、ひずみを受ける固い物質が何で、それが筋肉のどのような動きでひずみになるのかという説明が必要です。その機構は虫によってまちまちで、これは時間のあるときにでもまた読んでみます。とりあえず、ノミハムシについては次の論文に載っていました。

K. Nadein and O. Betz, "Jumping mechanisms and perfomance in beetles. I. Flea beetles (Coleoptera: Chrysomelidae: Alticini)", J. Exp. Biol. 219, 2015 (2016). (ここからpdfが直接ダウンロードできます)
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No title

ご無沙汰しています。
ノミハムシのジャンプ機構面白いですね。
自分はバッタみたく筋肉の伸縮によって飛ぶのかなと思っていましたが、コメツキとおなじ方法で飛ぶのは初めて知りました。
確かに写真を見るとケイ節には緩やかな突起があり、大腿節にはその突起と合致するようなくぼみがあるのでそこがカタパルト機構になっているのかもしれません。
ナイス!です。

No title

タイコウッチ君、こんばんは。コメント有難う。
ノミハムシのジャンプ機構は面白そうですね。論文を読んだらよいのですが、かなりがっちりした論文なのでまだ読んでなくて・・・。腿節の内部の絵が載っていたので、その辺りに仕組みがあるのかもしれません。今度、読んでみますね。
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