虫を調べる ナミハナムグリ?
10月31日にマンションの廊下で捕まえたハナムグリを調べてみました。
調べるのはこんなハナムグリです。ハナムグリについては以前調べたことがあります。その時はシロテンハナムグリ、コアオハナムグリとアオハナムグリの3種を調べたのですが、今回のはナミハナムグリではないかと思われるので、比較する上はちょうどよいかなと調べてみました。
検索にはいつものように次の図鑑に載っている検索表を用いました。
岡島秀治、荒谷邦雄監修、「日本産コガネムシ上科標準図鑑」 (学研、2012).
ハナムグリ属になるにはこの5項目を調べればよいことになります。これをいつものように写真で確かめてみたいと思います。
まずは背面からの写真です。この写真では前胸背板後縁が中央で湾入していることと(矢印)、上翅の側縁が途中で湾入していることを見ます(矢印)。以前、シロテンハナムグリを調べたときには上翅側縁の湾曲については違ったところを考えていました。訂正しておかないといけませんね。
次は腹面からの写真です。これの中央部分を拡大してみます。
「日本産コガネムシ上科標準図鑑」 p.192を見ると、中脚基節の間にある突起が中胸腹板突起となっているのですが、これはどうみても後胸腹板の前縁にある突起のように見えます。中胸腹板突起は英語でmesosternal processといいますが、こういう名称には何か歴史的な理由でもあるのかなと思って調べてみたのですが、見つかりませんでした。この形が種によってだいぶ違います。この個体の場合は紡錘形というのでしょうね。
これは前胸背板を写したものです。白矢印で示すように、その後角は前胸背板後縁よりやや前方にあり、丸まっています。これが②でいっていることだと思います。
次は後跗節を写したものです。第1節の外角に棘はありますが、跗節第1節自体は尖っていません。これで、すべての項目を見たことになり、この種はハナムグリ属になりました。
日本産ハナムグリ属にはナミハナムグリとアオハナムグリの2種が分布しています。その違いをまとめると次のようになります。
調べてみると、ナミハナムグリになりそうなのですが、これも写真で調べていきたいと思います。
まずは頭盾です。これは明確に中央が湾入して、縁取られています。
上翅に2本の縦隆条があることを示しています。
これは前脚脛節先端を示しています。第2歯は中央付近にあることは確かですが、これはだいぶ微妙です。以前、アオハナムグリを調べたときも似たような感じだったので・・・。
前胸背板の点刻を示しています。これも微妙な感じです。密といえば密だし、強いと言えば強いので・・・。ただ、上翅の点刻が面白い形なので、ちょっと拡大してみました。
馬のひずめみたいです。
最後は頭部、腹板、尾節板、脚の毛についてです。脚を見ると、確かに長毛が生えているのですが、まばらか密なのかは比較しないと分かりません。でも、黄褐色であり、灰黄色ではないのでナミハナムグリの方を支持しているみたいです。以上、いろいろと見てきたのですが、頭盾の縁取りというのが一番はっきりしているかもしれません。いずれにしても、種については比較しながら調べないとはっきりとは分かりませんね。
雑談)足の甲の骨折で今日は病院に行きました。結局、保存的治療がよいということで、ギブスを巻かれることになりました。ギブスに体重をかけると割れるのでかならず松葉づえを使うこと、水には絶対濡らさないこと、とか注意を受けて帰ってきました。実際に生活してみると、トイレに行くだけでも一仕事です。とても、撮影どころではなさそうです。最低1か月はこの状態で我慢をしなければならないとのことで、本当にうんざりです。みなさん、ジョギングには気をつけましょう。
調べるのはこんなハナムグリです。ハナムグリについては以前調べたことがあります。その時はシロテンハナムグリ、コアオハナムグリとアオハナムグリの3種を調べたのですが、今回のはナミハナムグリではないかと思われるので、比較する上はちょうどよいかなと調べてみました。
検索にはいつものように次の図鑑に載っている検索表を用いました。
岡島秀治、荒谷邦雄監修、「日本産コガネムシ上科標準図鑑」 (学研、2012).
ハナムグリ属になるにはこの5項目を調べればよいことになります。これをいつものように写真で確かめてみたいと思います。
まずは背面からの写真です。この写真では前胸背板後縁が中央で湾入していることと(矢印)、上翅の側縁が途中で湾入していることを見ます(矢印)。以前、シロテンハナムグリを調べたときには上翅側縁の湾曲については違ったところを考えていました。訂正しておかないといけませんね。
次は腹面からの写真です。これの中央部分を拡大してみます。
「日本産コガネムシ上科標準図鑑」 p.192を見ると、中脚基節の間にある突起が中胸腹板突起となっているのですが、これはどうみても後胸腹板の前縁にある突起のように見えます。中胸腹板突起は英語でmesosternal processといいますが、こういう名称には何か歴史的な理由でもあるのかなと思って調べてみたのですが、見つかりませんでした。この形が種によってだいぶ違います。この個体の場合は紡錘形というのでしょうね。
これは前胸背板を写したものです。白矢印で示すように、その後角は前胸背板後縁よりやや前方にあり、丸まっています。これが②でいっていることだと思います。
次は後跗節を写したものです。第1節の外角に棘はありますが、跗節第1節自体は尖っていません。これで、すべての項目を見たことになり、この種はハナムグリ属になりました。
日本産ハナムグリ属にはナミハナムグリとアオハナムグリの2種が分布しています。その違いをまとめると次のようになります。
調べてみると、ナミハナムグリになりそうなのですが、これも写真で調べていきたいと思います。
まずは頭盾です。これは明確に中央が湾入して、縁取られています。
上翅に2本の縦隆条があることを示しています。
これは前脚脛節先端を示しています。第2歯は中央付近にあることは確かですが、これはだいぶ微妙です。以前、アオハナムグリを調べたときも似たような感じだったので・・・。
前胸背板の点刻を示しています。これも微妙な感じです。密といえば密だし、強いと言えば強いので・・・。ただ、上翅の点刻が面白い形なので、ちょっと拡大してみました。
馬のひずめみたいです。
最後は頭部、腹板、尾節板、脚の毛についてです。脚を見ると、確かに長毛が生えているのですが、まばらか密なのかは比較しないと分かりません。でも、黄褐色であり、灰黄色ではないのでナミハナムグリの方を支持しているみたいです。以上、いろいろと見てきたのですが、頭盾の縁取りというのが一番はっきりしているかもしれません。いずれにしても、種については比較しながら調べないとはっきりとは分かりませんね。
雑談)足の甲の骨折で今日は病院に行きました。結局、保存的治療がよいということで、ギブスを巻かれることになりました。ギブスに体重をかけると割れるのでかならず松葉づえを使うこと、水には絶対濡らさないこと、とか注意を受けて帰ってきました。実際に生活してみると、トイレに行くだけでも一仕事です。とても、撮影どころではなさそうです。最低1か月はこの状態で我慢をしなければならないとのことで、本当にうんざりです。みなさん、ジョギングには気をつけましょう。
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