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虫を調べる ハムシの顔

この間からハムシを調べています。ハムシを調べるときには、まず、亜科の検索を行い、その後、属、種の検索を行います。不思議なのですが、いつも引っかかるのは亜科の検索です。今回はルリマルノミハムシだろうと思われる個体の検索を行いました。



調べていたのはこんなハムシです。この個体は後腿節が太いのでノミハムシ亜科はまず間違いと思ったのですが、やはり亜科の検索でつまづいてしまいました。

亜科の検索表は「原色日本甲虫図鑑IV」に載っているのですが、その部分を書くと次のようになります。



検索表ではまず最初に口器が頭部の先端にあるか、下面にあるかを調べます。トゲハムシやカメノコハムシは体の下側にあるようです。普通のハムシは前の方にあるので、これはすぐに分かります。

次が問題です。左右の触角の基部が接近しているか、離れているかという単純な項目です。離れていれば、ハムシ亜科などの大多数の亜科、もし、接近していたらヒゲナガハムシ亜科かノミハムシ亜科ということになります。それで、今まで調べてきたハムシの顔を比較してみました。



まずはハムシ亜科です。以前調べたヨモギハムシと次に出す予定のハッカハムシです。確かに、左右の触角の基部は離れています。



次はサルハムシ亜科で、すべてサクラサルハムシです。これまで、色の違う3個体()を調べてきたのですが、どれもサクラサルハムシだと教えていただいたので、ついでに出しておきます。やはり、触角の間隔は離れています。



今度はコブハムシ亜科です。変わった顔です。眼のすぐわきに触角の基部があります。やはり左右の触角基部は離れています。



次は触角の基部が接近しているヒゲナガハムシ亜科です。ジュンサイハムシイタドリハムシはすでにブログに出したのですが、ニレハムシとウリハムシはこれから出す予定です。先ほどのハムシと比べると、左右の触角基部はかなり接近しているように見えます。このぐらいの違いならば見ただけで分かりそうです。



最後はノミハムシ亜科です。左は検索の結果、スジカミナリハムシとした個体ですが、やはり触角基部は接近しています。ところがところがです。今回調べたルリマルノミハムシらしい個体は右の写真のように触角基部はかなり離れています。ただ、後脚腿節は太いし、ほかの特徴も合っているので、ルリマルノミハムシは間違いないと思うのですが、上の検索表を用いると違う方に進んでしまいそうです。

これについてはMike's insect keysというサイトにヒントが出ていました。このサイトには甲虫の絵解き検索がたくさん載っているのですが、その中にハムシ科の亜科の検索も載っていました。そこには、「触角は前頭に位置し、左右の触角は触角第1節の長さあるいはそれ以下に接近して挿入される」と書いてありました。どれだけ接近しているかを触角第1節の長さと比較して考えよということなので、そう思って右の写真を見てみると、触角基部間の距離は触角第1節の長さと同じくらいみたいです。こういう見方があったのですね。
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