虫を調べる オオアザミウマ亜科の分類
10日かかる予定の仕事が半分の5日で終わってしまいました。それでちょっと時間が空いたので、この間調べたオオアザミウマ亜科らしき個体の属を決めたいと思って、少し調べてみました。
先日、マンションの廊下で体長3mmほどのアザミウマがひっくり返っていました。アザミウマについてはこれまで、ツノオオアザミウマらしき個体、ヒメジョオンの花にいたクダアザミウマ、それに、このクダアザミウマの3個体を調べたことがあったのですが、どれも途中で挫折するので、何とか属くらいまで分からないかなと思ってもがいています。
今回のこの個体は一応、クダザミウマ科オオアザミウマ亜科♂だろうというところまで達しているのですが、その先の属の検索が非常に大変でそこで行き詰っています。これまで、「農作物のアザミウマ」という本に載っている検索表を参照していたのですが、オオアザミウマ亜科は残念ながら載っていません。
L. A. Mound and J. M. Palmer, "The generic and tribal classification of spore-feeding Thysanoptera (Phlaeothripidae : Idolothripinae)", Bull. Brit. Museum (Natural History) 46(1), 1 (1983). (ここからダウンロードできます)
それで、属の検索にはこの論文に載っている検索表を用いようと思っているのですが、これは世界のクダアザミウマ亜科を扱った論文なので、日本産がどの属だかはっきりしませんでした。今回、「日本昆虫目録第4巻」(2016)を購入したので、そこに載っている属がMoundの論文にも載っているのかどうか確かめることにしました。ついでに、属名の変更やシノニムなどについても調べてみました。まとめると次のようになります。
「日本昆虫目録第4巻」にはオオアザミウマ亜科は18属42種が載っていますが、その属を書いたものが一番右の欄です。真ん中の欄は九大の昆虫学データベースに載っていた属です。新しい目録では3属増えたのですが、それを赤字で書きました。また、それぞれの属に属する種数を括弧内に書きました。Elaphrothrips属で矢印が書かれているものは属の移動がなされたものです。これらがMoundの論文に載っているかどうかを線で結んでみました。九大のデータベースも今回の目録も族、亜族の分類はなされていないのですが、Moundの論文では分類が書かれていたので、一応、載せておきました。
この図を見ると、九大のデータベースに載っている属はすべてMoundの論文でカバーされていることが分かりました。また、新たに目録に載った3属もすべて載っていました(破線)。ということは、Moundの論文に載っている検索表を用いれば一応、オオアザミウマ亜科の属が分かるということになります。脱色してプレパラートにしていないので、分類上もっとも重要な小腮針が見えないという致命的なところがあるのですが、何とかすり抜けてできないかと思っています。ついでに、この間、ヒメジョオンの花にいたクダアザミウマも冷凍庫に入っていて、これはたぶん、クダアザミウマ亜科ではないかと思うので、それとの比較もしてみたいなと思っています。
先日、マンションの廊下で体長3mmほどのアザミウマがひっくり返っていました。アザミウマについてはこれまで、ツノオオアザミウマらしき個体、ヒメジョオンの花にいたクダアザミウマ、それに、このクダアザミウマの3個体を調べたことがあったのですが、どれも途中で挫折するので、何とか属くらいまで分からないかなと思ってもがいています。
今回のこの個体は一応、クダザミウマ科オオアザミウマ亜科♂だろうというところまで達しているのですが、その先の属の検索が非常に大変でそこで行き詰っています。これまで、「農作物のアザミウマ」という本に載っている検索表を参照していたのですが、オオアザミウマ亜科は残念ながら載っていません。
L. A. Mound and J. M. Palmer, "The generic and tribal classification of spore-feeding Thysanoptera (Phlaeothripidae : Idolothripinae)", Bull. Brit. Museum (Natural History) 46(1), 1 (1983). (ここからダウンロードできます)
それで、属の検索にはこの論文に載っている検索表を用いようと思っているのですが、これは世界のクダアザミウマ亜科を扱った論文なので、日本産がどの属だかはっきりしませんでした。今回、「日本昆虫目録第4巻」(2016)を購入したので、そこに載っている属がMoundの論文にも載っているのかどうか確かめることにしました。ついでに、属名の変更やシノニムなどについても調べてみました。まとめると次のようになります。
「日本昆虫目録第4巻」にはオオアザミウマ亜科は18属42種が載っていますが、その属を書いたものが一番右の欄です。真ん中の欄は九大の昆虫学データベースに載っていた属です。新しい目録では3属増えたのですが、それを赤字で書きました。また、それぞれの属に属する種数を括弧内に書きました。Elaphrothrips属で矢印が書かれているものは属の移動がなされたものです。これらがMoundの論文に載っているかどうかを線で結んでみました。九大のデータベースも今回の目録も族、亜族の分類はなされていないのですが、Moundの論文では分類が書かれていたので、一応、載せておきました。
この図を見ると、九大のデータベースに載っている属はすべてMoundの論文でカバーされていることが分かりました。また、新たに目録に載った3属もすべて載っていました(破線)。ということは、Moundの論文に載っている検索表を用いれば一応、オオアザミウマ亜科の属が分かるということになります。脱色してプレパラートにしていないので、分類上もっとも重要な小腮針が見えないという致命的なところがあるのですが、何とかすり抜けてできないかと思っています。ついでに、この間、ヒメジョオンの花にいたクダアザミウマも冷凍庫に入っていて、これはたぶん、クダアザミウマ亜科ではないかと思うので、それとの比較もしてみたいなと思っています。
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