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虫を調べる ヨモギハムシの各部の構造

この間から、ハムシの勉強をしています。先日、こんなハムシを見つけました。



たぶん、ヨモギハムシだろうと思ったのですが、一度、検索をしてみようと思って採集してきました。検索する前に各部の名称を調べてみようと思ったのが苦戦の始まりでした。



まずは全体像です。体長を調べると、8.4mmでした。「原色昆虫大図鑑II」によると、8mm内外というので、まず標準的な大きさですね。



次は顔の部分です。順番に名前を付けていくとこの図のようになるのですが、迷ったのが頭盾でした。頭盾がこんなに狭くてよいものかどうか不安です。「原色昆虫大図鑑II」のヨモギハムシの説明では、「頭は細点刻を散布し前方に弧状の凹みがあって平たい頭盾を分かつ」とあります。弧状の凹みと言えなくはないので、合っているような、ないような。難しいですね。(追記2017/11/10:前額と書いた分をpost-clypeus(後頭盾)、頭盾と書いた部分をante-clypeus(前頭盾)と書いた論文が見つかりました。詳細は「虫を調べる ハッカハムシ」を見てください)



これはその部分の拡大です。



背側からの写真です。前胸背板の側方部分が凸凹で張り出しています。



次は腹面です。前胸腹板が中胸側に突起を出しています。また、後胸腹板も中胸側に広い突起を出しています。その二つの腹板に挟まれて、中胸腹板は大変狭くなっています。



さて、これからが難しいところです。とりあえず、この間教えていただいた次の論文のFig. 5を参考にして名前を付けてみました。

M. Chujo, "A Taxonomic Study on the Chrysomelidae (Insecta: Coleoptera) from Formosa. Part VIII. Subfamily Eumolpinae", Philip. J. Sci. 85, 1 (1956).

この間調べたサクラサルハムシと比べると、前胸背板前胸腹板の形がT字型になっているところが違います。問題は「?」をつけた前胸側板です。(追記2017/10/19:立西さんから、「この間調べたサクラサルハムシと~の部分の前胸背板は前胸腹板のことでいいでしょうか。」というコメントをいただきました。その通りで、前胸腹板でした。何度か見直しているのですが、やはり間違っていますね。ご指摘、有難うございました



サクラサルハムシの場合は前胸背板の下側、前胸前側板、前胸後側板にうまく区分されていました。この場合、前胸背板側縁から前胸腹板や前基節に向かって折り返した部分が張り出しています。したがって、この部分が前胸背板の下側ともいえるし、そうすると前胸側板がなくなってしまいます。



これはその部分を拡大して写したものですが、前胸側板にあたる部分が前胸背板と連続的につながっている様子が分かります。これについて書かれた文献がないかと探したのですが、まだ、見つかっていません。昆虫はともかく難しいですねぇ。

追記2017/10/20:次の論文中にChrysolina属の前胸側板の絵が載っていました。

A. O. Bieńkowski, "Little Known Leaf Beetles of the Genus Chrysolina (Coleoptera, Chrysomelidae) from China", Entomological Review 88, 435 (2008).

やはりこんな三角形の形をしています。たぶん、この部分全体が前胸側板で、前胸前側板と後側板の区別はつけないのかもしれません

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No title

この間調べたサクラサルハムシと~の部分の前胸背板は前胸腹板のことでいいでしょうか。細かいことですみません。それにしてもこの「虫を調べる」シリーズは毎回労力を惜しまず昆虫について掘り下げていて頭が下がります。こちらとしては各部の名称や位置がすぐに確認できるのでとてもありがたいです。これからも続けてくだされば幸いです。

No title

立西さん、
その通りです。前胸腹板でした。何度か見直しているのですが、やはり間違っていますね。「虫を調べる」というので、いろいろな虫を調べているのですが、いつも分からないところだらけです。これからも四苦八苦しながらやっていきますので、よろしくお願いいたします。
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