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廊下のむし探検 カメムシ、甲虫ほか

廊下のむし探検 第944弾

昨日(10月4日)、マンションの廊下で見つけた虫です。最近は外に行っても虫が見つからなくなったので、この日はマンションの廊下を歩いてみました。





2014年の秋までマンションではまったく見たことがなかったキマダラカメムシは、今では普通に見かけるようになりました。この日も2匹いました。



今年はなぜかこのツヤアオカメムシが山もりいます。どうしてでしょうね。



これはチャバネアオカメムシです。このカメムシが出たついでに、この間読んだ論文について忘れないうちに書いておきます。

1) T. Kotaki et al., "Structure Determination of a New Juvenile Hormone from a Heteropteran Insect", Org. Lett. 11, 5234 (2009).(ここからダウンロードできます)
2) T. Kotaki et al., "Biological activities of juvenile hormone III skipped bisepoxide in last instar nymphs and adults of a stink bug, Plautia stali", J. Insect Physiol. 57, 147 (2011). (ここからダウンロードできます)

読んだのはこの2つの論文です。内容は幼若ホルモンに関するものです。幼若ホルモンというのは昆虫の脳の後方にあるアラタ体から分泌されるホルモンです。名前の通り、成長するのを妨げる役割を持っています。具体的には、幼虫が成虫になるときの変態を抑制します。そのほかにも、成虫になってから生殖器官の発達を促したり、休眠を停止したりする役割を持っています。これまでいろいろ昆虫で見つかっていますが、微妙に構造が違っています。それをリストアップすると次のようになります。



こんな分子構造です。上の6つがこれまでに見つかっていたもの、下の一つが今回新しく見つかったものです。JHは幼若ホルモン juvenile hormoneの略です。JH0を出発点として、JH I、JH II、JH IIIと変化していくに従い、赤丸で囲った部分が少しずつ変化していきます。4-Me-JH IはJH Iで赤丸の部分が変化したもの、JHB3と今回見つかったJHSB3はJH3で赤丸の部分が変化したものとして見ることができます。こんなわずかな変化でも効果を及ぼす虫の種類が変わってくるようです。



こんな具合です。これまで、JHB3までの6種類の幼若ホルモンが見つかっていたのですが、カメムシ目(半翅目)では古くから存在は知られていたにも関わらず、その構造は分っていませんでした。今回、チャバネアオカメムシを使って初めてそれが分かったという内容です。このような研究の場合、通常、大量のアラタ体を培養して幼若ホルモンを集める必要があるのですが、今回は少量の幼若ホルモンとこれまでの知見から幼若ホルモンの構造を推定し、その候補をいくつかに絞り、それぞれに該当する幼若ホルモンを人工的に合成しました。そして、本当に幼若ホルモンとして効果があるかどうかを確かめながら候補を絞っていき、最終的に構造を決定したそうです。

余談ですが、上の化学構造式を描くために、今回初めてBKChemというフリーソフトをダウンロードして使ってみました。こんな構造式を割と簡単に書くことができます。結合の方向を思った方向に向かせるのに少しこつがいるのですが、まぁ、そこそこ使いやすいソフトでした。



次は甲虫です。これはサビマダラオオホソカタムシ



ナナホシテントウ





これはオジロアシナガゾウムシ



いつも見かけるヒゲナガカワトビケラ。たまには撮ってみました。



それからコマダラウスバカゲロウ



最後はこんなスズメバチ。こんなのが天井に止まっていると、ちょっと恐怖を感じます。あまりに大きいのでオオスズメバチかなと思ったのですが、調べてみると、ヒメスズメバチみたいです。ついでに、検索もしてみようと思って、「日本産有剣ハチ類図鑑」の検索表を見てみました。





この写真だけで分かるのは黒字の部分で、赤字の部分は分かりませんでした。でも、かなり分かるものですね。決め手は腹部第5節と第6節の色で、ここが黒ないし黒褐色なのでヒメスズメバチかなと思いました。蛾もたくさんいたのですが、それは次回に回します。
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No title

ツヤアオカメムシは鹿児島で大発生してるニュースを見ますが、本当に凄まじい数ですね。

ヒメスズメバチはもうオスと新女王が出てるんで、新女王かも。

No title

カメムシ、あちこちのニュースを拾ってみると、鹿児島では平年の数倍、静岡は15倍、滋賀は3.9倍、和歌山は8.6倍なんて数字が出ていました。そのほか、島根、愛媛、京都、香川ではカメムシ注意報が出ているそうです。ツヤアオのほか、チャバネアオ、クサギも増えているようです。そういえば、今年、チャバネアオもよく見ました。

スズメバチ、新女王だったのかもしれませんね。やけに大きく感じました。♂は大丈夫だと言っても、スズメバチはとにかく怖いですね。
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