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虫を調べる コバネイナゴ

9月13日に川西市黒川の観察会の下見に行った時の帰りしなに車に止まっていたイナゴを見つけました。翅が短いのでコバネイナゴかなと思ったのですが、一度、調べてみようと思って採集しました。今日はそれを調べてみました。



これがそのイナゴです。腹部末端の構造から♀のようです。イナゴ属の検索表は「バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑」に載っています。それを使って調べてみると、やはりコバネイナゴになりました。検索自体は簡単だったのですが、腹部の節の数え方や腹部末端の構造がよく分からなかったので、それなりに時間はかかってしまいました。



検索は①から③まで調べればよいだけなので、比較的簡単でした。



まずは全体図です。頭のてっぺんから産卵管の先端まで測ると32.4mmになるのですが、体長はどこからどこまでを測ればよいのか分からなかったので、一応、スケールバーを入れておきました。この写真では翅が細く、先端が丸くなっていることを見ます。



次は腹部の節の数え方です。見える部分だけで数えると、どうも節の数が合わない気がしたので、ネットをいろいろと探してみました。R. S. Fox, Lander Univ., Invertebrate Anatomy Online, Eastern Lubber Grasshopperというサイトに詳細が載っていました。それによると、鼓膜のある部分を第1節と数えるそうです。そうすると、この写真のように背板は全部で10節があり、11節目が後で述べる肛上板に該当することになります。



これは腹側からの写真で、上の方式で腹板と背板の節の番号を入れてみました。



①は第3背板後側角に棘があるかどうかですが、写真の矢印の部分に該当すると思います。この部分には棘がありません。もし、あったらタイワンハネナガイナゴか、ハネナガイナゴということになります。



次は腹部末端の産卵器を腹側から撮ったものです。矢印で示す部分に棘があります。これは「大図鑑」に絵が載っているので、すぐに分かりました。もしなければ、コイナゴなどになります。



これはその棘のあたりを拡大したものです。これでとりあえず検索は終わり、コバネイナゴであることが分かりました。(追記2017/09/20:この検索表ではサイゴクイナゴ、リクチュウイナゴ、チョウセンイナゴを分けることができません。ただ、「バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑」を見ると、チョウセンイナゴは渡嘉敷島、リクチュウイナゴは岩手県だというので除外してもよさそうです。サイゴクイナゴは山口県、四国、九州に分布しています。さらに、♂の交尾器の微細な違いにより別種となっているということです。したがって、ここでは「たぶん、コバネイナゴ」ぐらいがよいかもしれません



ついでに腹部末端の構造も調べておこうと思って写真を撮りました。



これはそれを拡大したものです。各部の名称は先ほどのFoxのサイトと「原色昆虫大図鑑III」の絵を参考にしました。たぶん、合っているのではと思います。



最後は鼓膜のあたりを拡大した写真です。穴が開いているのは気門だろうか。よく分かりません。次はハネナガイナゴ♀を調べたいですね。
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