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家の近くのむし探検 ハエ、ハチほか

家の近くのむし探検 第308弾

8月10日に家の近くにある公園に行ったときの記録の続きです。最近は虫の数は少ないのですが、その分、詳しく調べることが多いので、写真の整理に意外に時間がかかってしまいます。





今日の最初はこのハエです。普段ならハエの一種とでもしておくのですが、どこかで見たような形をしているので、ちょっと検索をしてみることにしました。まず、「絵解きで調べる昆虫」に載っている検索表を使ってみました。写真をよくよく見ると、前翅前縁脈にsc切目だけがあります。そのほか、第2基室+中室の後縁脈に小さな湾曲があります。それで思い出しました。これはキモグリバエ科ですね。検索は次のように進みます。



基本的に翅脈を見ていけばよいので、こんな写真でも十分に追いかけることができます。翅脈の写真を載せます。



写真がいまいち鮮明でないので分かりにくいのですが、検索項目に出てくる内容は見て取ることができます。①の無弁翅類であることは、たぶん、そうだろうなと思って進みました。③と④のsc切目があることはこの写真では見にくいのですが、何枚か撮った写真から分かりました。もう少し基部にh切目というのがあるものいるのですが、これにはありません。⑤のSc脈は写真では見えないのですが、先端部分も見えないので、たぶん、不完全だろうと推測しました。⑥については、翅脈がこの部分で少し曲がっています。これはCuA脈がこの部分で曲がり後縁に向かって進んでいた名残です。この性質でキモグリバエ科であることが明確に分かります。

ついでに属の検索もしてみました。属の検索にはManual of Nearctic Dipteraを用いました(ここからダウンロードできます)。結構長いので、だいぶ、紆余曲折したのですが、最終的にはChlorops属になりました。かなり怪しいですが・・・。その過程を書いてみます。


長いので、写真では解説しませんが、まずⒶとⒷは翅脈の写真からすぐに分かります。それで、Chloropinae亜科であることが分かります。ⒸとⒹはいろいろな写真から判断しました。特に単眼三角板の毛列までは分からなかったのですが、たぶん、そうだろうと思いました。ⒺとⒻ、Ⓖはすぐに分かります。Ⓗは、写真から小盾板が平らではなく、したがって、縁取りもないことが分かります。また、後脛節にある脛節器官(MNDに図があります)もないことからそう判断しました。ⒾとⒿはたぶん、その通りでしょう。Ⓚになって困りました。触角がうまく写っていなかったのです。それで、Parectecephala属は保留にしておきます。次のⓁは単眼三角板に光沢があるかということですが、たぶん、あるのでChlorops属が残りました。この両者が候補になるのですが、「日本昆虫目録第8巻」を見ると、Parectecephala属は載っていません。それで、必然的にChlorops属(キモグリバエ属)が残りました。この属には16種記録されています。また、たぶん、MNDに載っていない属もあるかもしれません。それで、今のところ、Chlorops属の可能性が高いということにしておきます。検索表を見ていて、脛節器官というのを見てみたくなりました。



これはたぶん、シマバエ科だと思います。株式会社エコリスのHPに載っている「日本のシマバエ科 属への検索試案」を見ると、Homoneurinae亜科は確実のようです。次のHomoneura属はたぶん、そうかなという程度でした。





次はこの小さなハチです。これは採集しました。細腰で、翅脈が発達し、後翅に閉じた室があり、縁紋も明瞭、後脚転節が2節、翅脈の2m-cuを欠くなどから、コマユバチ科になったのですが、どうでしょうね。



意外に時間がかかったのはこのツチバチでした。写したときはいつものヒメハラナガツチバチだろうなと思ったのですが、検索を始めるとそうではないことが分かりました。検索には、「日本産有剣ハチ類図鑑」の検索表を用いました。


①は♂と♀の見分け方で、このハチの場合、触角が短いので、すぐに♀だと分かるのですが、一応書いてあることを確かめました。





触角と腹部の見かけの節数です。検索のポイントは腹部の各節の後半にある帯です。これが毛帯だけか、色の帯を持つかで分かれます。この個体は毛帯だけなので、シロオビ、キイロ、キヌゲなどが除外できます。次は中胸背板が毛で覆われているかどうかで、覆われていなければヒメになります。また、ヒメは翅の先端に暗色部があるのですぐに分かります。これは毛で覆われているので、ヒメは除外されます。

次のオオかどうかで迷いました。決め手は腹部各節後半の毛帯の毛が短いか長いかで決めたのですが、ちょっとはっきりしないところです。これは長いと思って、オオを除外しました。残るはキンケか、ウチダかというところになるのですが、これは単眼前の溝の有無、前腿節の点刻、前伸腹節の点刻で、いずれもこの写真からは判断できません。ということで、今回はキンケハラナガツチバチか、ウチダハラナガツチバチのいずれかというところで止まりました。(「日本産有剣ハチ類図鑑」はもともと一冊に仕上げるつもりだったのが二冊になったのか、一冊には目次がなく、もう一冊には索引がありません。意外に不便です)



残りの虫で、マメコガネです。





ネコハエトリです。下の写真の個体はイトカメムシの幼虫をとらえたようです。



マンションの廊下にいたキイロカワカゲロウ





これはたぶん、ヤマトクサカゲロウ。これで10日の写真は終わりです。
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