家の近くのむし探検 ハムシ、カメムシ幼虫ほか
家の近くのむし探検 第291弾
7月16日の午前中にちょっとだけ公園に行ってみました。今日は時系列で出します。
まずはマンションの倉庫の壁にいたジュウシホシツツハムシです。この壁はなぜか虫がよくついていますね。公園に行く前にはいつもここを覗いてから行くことにしています。
公園に着いて最初に見つけたのがこの虫でした。触角の柄節が長いので、羽アリかなと思うのですが、それ以上は分かりません。
公園を見渡しても、あまり虫の姿は見当たりません。後で気温を見ると32度。もう本当に夏ですね。そうなると、いつもは無視しているアシナガバエを写すしかないですね。このハエはフラッシュをたくと必ずぴょんと近くに飛んでしまうので、最初の何発かまったく何も写っていません。そのうち、諦めたのかじっとしているので、こうやって撮ることができます。この間、調べたように、複眼に比べて頭頂部が凹んでいて、M1がぐにゃっと曲がり、M2があり、R4+5がM1に大きく近寄るのはホソアシナガバエ亜科の特徴でした。さらに、M1が一度基部に向かうように大きく分岐し、R2+3がまっすぐではなく、翅縁近くで緩やかに後縁側に曲がるのはAmblyosilopus属でした。したがって、これはAmblyosilopus属ということになります。「日本産アシナガバエ科チェックリスト」によると、この属にはspを含めて5種。だいぶ近づきましたが、たぶん、未記載種も多いのではないかと思うので、どうなることか。
同じハエですが、何枚か撮ったので、載せておきます。アシナガバエは綺麗でいいですね。
次はナカオビツヤユスリカ♂ですが、腹端近くに何かついています。ダニなのかな。相当に小さなユスリカなのですが、それにつくダニがいるというのもまた驚きです。
これもホソアシナガバエ亜科Amblyosilopus属だろうと思うですが、先ほどと何となく色が違っていました。
それから、アカガネサルハムシでした。
暑いからそろそろ帰ろうかと思って、植え込みから出ている葉を見ると、
孵化したばかりのようなこんなカメムシの幼虫がくっついていました。卵が12個、幼虫が12匹なので、全員集合です。「日本産幼虫図鑑」や「原色日本カメムシ図鑑」をぱらぱら見たのですが、若齢幼虫が載っているのは少ないので、分かりません。それで、ネットで画像検索をしてみました。キマダラカメムシの1齢か2齢幼虫としているブログがいくつか見つかりました。相変わらず出典や根拠は書かれていません。それで、文献を探してみたのですが、適当なものが見つかりません。先ほどの図鑑はすべて5齢幼虫しか載っていないので駄目でした。それで、いろいろなブログを読んでいったら、卵から、孵化直後、1齢、2齢、・・・と丁寧に観察しているブログが見つかりました。どうやら、キマダラカメムシで大丈夫そうです。
ちょっと拡大して寸法を測ってみました。体長は3.7mm。孵化した後の卵の殻は幾何学的で綺麗ですね。
さらに拡大です。次は幼虫の齢です。キマダラカメムシだと、カメムシ科なので、この間の幼虫の齢の検索表が使えそうです。
翅包は認められない
後胸背板は左右それぞれへら型かオール型で、中胸背板に比べてほとんどの種では広いが、稀に等幅かやや狭い種もある
複眼はあまり突出しない 第1齢
複眼は顕著に突出する 第2齢
後胸背板は左右それぞれオール型、長刀刃型、矛刃型などで、中胸背板に比べてほとんどの種で狭いが稀に等幅かやや広い種もある 第3齢
前翅包は認められる
後翅包は認められない 第4齢
前・後翅包が明瞭に認められる 第5齢
これは次の本に載っていたものです。
小林尚、立川周二、「図説カメムシの卵と幼虫―形態と生態―」、養賢堂 (2004).
翅包は将来翅になる原基のようなものですが、もちろん、これにはありません。したがって、1齢から3齢ということになります。次の後胸背板の幅の意味がこの間はよく分からなかったのですが、たぶん、次の写真のようだと思われます。
つまり、横幅ですね。こうして比べると、確かに後胸背板の幅は中胸背板より広いので、これは1齢か2齢かになります。さらに、複眼が埋もれているようだと1齢、飛び出していると2齢です。これは矢印で示すように少し飛び出しています。従って、2齢ではないかと思います。
雑談)夏になって虫がだいぶ減ってきて、少しは楽になってきました。今度展示するパネル4枚も水曜日に作り上げたのでひとまずほっとしています。後は高齢者向けに話すための準備だけです。でも、夏はどうしてこうも忙しいのだろう。
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