家の近くのむし探検 ハエ
家の近くのむし探検 第275弾
6月23日の続きで、林の入り口で見たハエ目です。ハエは変化があって面白いのですが、捕まえないと科すら分からないので、私にとってはなかなか苦しい虫たちです。
この日はこんなハエがいました。一応、捕まえたのですが、見覚えがあるなと思ったら、以前、調べたことがありました。このときはKorneyev(2001)に載っている検索表を使って検索した結果、ヒロクチバエ科Elassogaster属になり、翅の斑紋からツマグロホソナガヒロクチバエ E. hilgendorfiかなと思ったのですが、もう一度調べてみます。
V. A. Korneyev, "A Key to Genera of Palaearctic Platystomatidae (Diptera), with Descriptions of a New Genus and New Species", Entomological Problems (Bratislava) 32, 1 (2001). (ここからpdfが直接ダウンロードできます)
前脚腿節の先端に橙色の帯があるので、マガリケムシヒキ Neoitamus angusticornisだと思っている種です。
♂なのでついでに腹部末端も写しておきました。
これは何でしょう。残念ながら採集しませんでした。以前、吸虫管の先をハエに近づけて吸っていたのですが、失敗ばかりするので、最近は捕虫網で捕まえた後に吸虫管で吸っています。これが確実です。(追記2017/07/20:おちゃたてむしさんから、「5枚目のハエは私もよく似たものを何度か撮影しているのですが、ブログに載せたところ詳しい方からコメントで、ハネオレホソバエ科の一種と教えていただきました。ミナミハネオレホソバエStrongylophthalmyia crinitaかもしれないが確実ではないとのことでした。写真を拝見した限りでは同種の可能性が大きいと思います。」というコメントをいただきました。いつも貴重な情報を有り難うございます。ハネオレホソバエ科という聞いたことのない科なのですね。おちゃたてむしさんの写真はいつも綺麗でそのままでも十分検索に使えそうですが、私の方はうまく撮れていないので、今のところ、採集しないといけないのがネックになっています。でも、採集してでもぼちぼち調べていこうかなと思っています。これからもよろしくお願い致します)
これは♀なのではっきりしませんが、ナカグロツヤユスリカではないかと思っています。
アシナガバエもいろいろと調べたいのですが、なかなか手がかりがつかめません。これは背中剛毛の1本が内側にあるので、この間から気になっている種です。
ドクダミの花に来ていたハエです。最初、何だか分からなかったのですが、頭部を見ると、ハナアブの仲間の感じがします。それで、「ハナアブの世界」の写真集で調べてみました。細長くて、腹部に面白い模様があるので、簡単に見つかりました。合っているかどうか分かりませんが、ツマグロコシボソハナアブ Allobaccha apicalisではないかと思っています。
これは以前おちゃたてむしさんから、ヒロクチバエ科のRivellia属だと教えていただいた種です。その後、調べて、Rivellia cestoventris辺りの種ということにしていました。
H.-Y. Han, "A Checklist of the Families Lonchaeidae, Pallopteridae, Platystomatidae, and Ulidiidae (Insecta: Diptera: Tephritoidea) in Korea with Notes on 12 Species New to Korea", Anim. Syst. Evol. Divers. 29, 56 (2013). (ここからpdfが直接ダウンロードできます)
この論文に翅のパターンが載っていました。似てはいますね。合っているかどうかは分かりませんが・・・。
後単眼剛毛が交差しているので、シマバエ科でしょうね。外観の似ている種が違う属に属しているので、私は捕まえないと分かりません。
とりあえず、ハエだけ出しました。残りは次回です。
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