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「廊下のむし探検」 ハムシの検索(雑談)

最近、ハムシをよく見かけるようになりました。それも似たような種ばかり。どうもこれまでのような絵合わせではもう追いつかなくなってきました。

昨日、文一総合出版の「ハムシハンドブック」が届きました。小さな本なのですが、写真は深度合成をしているので大変鮮明で、また、写真も大きいので思ったよりは使えそうです。でも、なんせ載っている種類数が181種だけなので、これで種を特定しようというのは無理みたいです。むしろ、候補が決まった後に確認のために使うとよいなと思いました。

この本によると、日本産のハムシとしては660種が知られているそうです(たぶん、マメゾウムシ科を含む)。九大の昆虫学データベースによると、ハムシ科として載っている種は556。「原色日本甲虫図鑑IV」では375種。「原色昆虫大図鑑II」では319種。「日本産ハムシ類幼虫・成虫分類図説」(1994)には成虫562種、幼虫187種を扱っているというので、欲しいなと思ったのですが、今は絶版です。古本では3倍の値段で売っているところもありましたが・・・。

それで、これからはやはり基礎に戻って、検索表を用いて地道に調べていくのがよいだろうと思って、少し文献を探してみました。そして見つけたのがこの論文です。

S. Kimoto, "The Chrysomelidae of Japan and the Ryukyu Islands. I", J. Fac. Agriculture, Kyushu Univ. 13, 99 (1964). (次のリンクからpdfが直接ダウンロードできます: I, II, III, IV, V, VI, VII, VIII, IX, X, XI

論文はI~XIまでの全11編からなっていて、これで1960年代での日本産ハムシ全種が扱われているという大作です。この論文では全部で482種を扱っているので、当面は十分に使えると思われます。



例えば、この写真は2015年6月20日に写したものですが、「原色日本甲虫図鑑IV」を見ると、ぱっと見で似たような種として、サクラサルハムシ Cleoporus variabilis、アオガネヒメサルハムシ Nodina chalcosoma、アオバネサルハムシ Basilepta fulvipes、ムナゲクロサルハムシ Basilepta hirticollisなどが考えられます。これを上の論文の検索表を使って調べてみます。



これはその4種に特化した検索表なのですが、これを調べていけばその4種の中のどれかが決められます。ただ、①の項目が腹板を調べないといけないので、結局は採集しないと駄目なのですが・・・。上の写真の種では、、①が分からないので、②のサクラサルハムシを留保し、③に進みます。③bの触角は長く、肩を越えるというので④に進み、④bの前胸背板は無毛で平滑を選ぶとアオバネサルハムシになります。つまり、この2種のどちらかということになります。②の中・後脚脛節末端のえぐれが分からないので、何ともいえないのですが、④bの前胸背板の基部から1/3または1/4で最大になり・・・というのが合っていそうなので、第1候補はアオバネサルハムシ、第2候補がサクラサルハムシとなります。アオバネサルハムシの説明を読むと、脚の色はあまりあてにならないようです。したがって、確認のためにもう一度、最初から検索をやり直してみるというのがよいかもしれません。・・・なんてことを考えながら、論文を見ています。(追記2017/06/17:検索表を見直すと、Cleoporus、Nodina、Basileptaの3属はいずれも中後脚脛節末端付近のえぐれがあるようです。したがって、「原色日本甲虫図鑑IV」に載っているサクラサルハムシの特徴、「中・後肢脛節先端部の外縁は顕著にえぐられる」はたぶん、「顕著に」に意味があると思われ、えぐれ自体はサクラサルハムシを見分けるユニークな性質ではないようです。やはり、まず①を確認することが必要かも
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