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家の近くのむし探検 ハバチほか

家の近くのむし探検 第251弾

先ほどの続きで、5月29日に林の入り口の道端で見つけた虫です。



最初はハチです。運よく翅を開いていたので翅脈が見え、何とかなるかなと思って撮ったのですが、これが間違いのもとでした。やはり採集すべきでした。まず、腰が太くないので、ハバチの仲間です。それで、このときの写真をもとにして検索を試みました。


これは「大阪府のハバチ・キバチ類」に載っている科の検索表からの抜粋です。たぶん、ハバチ科は間違いないだろうと思ってその分だけ書いてあります。これに関係する写真を載せます。



まず、①は正面から撮っていないのでどうしようもないのですが、上の写真からたぶん、OKだと思います。②~④は触角を見ると分かります。⑤の前胸背板は写真ではよく分からないのですが、たぶん、写真で示した位置にあると思います。これはクキバチという形の変わった科を除外する項目なので、たぶん、大丈夫でしょう。⑦はOKですが、⑥と⑧はよく分かりません。これも、⑥はヒラタハバチ科を除外する項目で、⑧はキバチ科を除外する項目なので、たぶん、大丈夫だと思って、次に進みます。



次からは「絵解きで調べる昆虫」の中の検索表を用いました。というのはこちらの方が簡単だからです。これは翅脈に関するものばかりです



⑨から⑩は図の中に書き込みましたが、いずれも間違いないと思います。⑨で、基脈と肘脈が一点で交わるとハグロハバチ亜科やマルハバチ亜科などに進みます。⑩で肘脈が大きく湾曲するとシダハバチ亜科になります。とりあえず、これでハバチ亜科になりました。⑪からは属への検索ですが、注目すべきは肛室が途中で脈の融合することにより、二つに分かれています。これによりいくつかの属を除外することができます。次の⑫は後脚についての項目ですが、ここで迷い始めました。実は、「絵解きで調べる昆虫」の検索表では「脛節末端は腹端に届く」かどうかを尋ねる項目なのですが、「大阪府のハバチ・キバチ類」では、「腿節末端が腹端を越える」かどうかになっています。脛節末端だと十分に腹端を越えそうですが、腿節だとすると実際に伸ばしてみないと分かりません。そこで、ここでストップになりました。ここまでだと、「大阪府のハバチ・キバチ類」に限っても10属も残ってしまいました。

でも、これを何とか消去法で絞っていこうと考えました。



検索表に載っている性質と上の写真を比べて、明らかに違いそうだと思う性質を書いています。逆に、合っていそうだと思ったのは(  )で書いてあります。また、【  】は標本写真を見て、自分で合っていそうだと思った項目です。表を見ていくと、クロハバチ属だとすると、種の検索でウンモンクロハバチに限られてしまいます。この場合は多くの項目は合っているように見えます。キモンハバチ属、アシナガハバチ属、ヒゲナガハバチ属、フタオビハバチ属、ツマグロハバチ属はそれぞれ上の写真とは異なる特徴を持っているので、除外してもよさそうです。セマダラハバチ属とシケハバチ属は詳しいことが載っていないので、ここでは一旦除外しておくことにします。

アジサイハバチ属はP. stigmaという種が辛うじて条件に合致します。また、ハバチ属はウンモンコシボソハバチ、セキドウハバチが検索表上は当てはまるのですが、標本写真を見て、これとは違うと判断できるので、除外しました。したがって、アジサイハバチ属のP. stigmaとウンモンクロハバチが可能性があるのですが、私はウンモンクロハバチの可能性が高いと思っています。でも、違っているかなぁ。いずれにしても、こんな風に検索で途中で詰まっても、何とか種に近いところまでたどり着けることもあるので、これからは諦めずにやっていこうと思っています。



ここからは別のむしです。これはコハナグモ♂だと思われます。



アワフキの中から顔を出していました。名前まで分かるのかなぁ。





この間からアブラムシを撮っているので、カイガラムシも撮ってみようと思い立ちました。ネットで調べて、コナカイガラムシ科かなと思ったのですが、カイガラムシも図鑑があるのかな。(追記2017/06/24:通りすがりさんから、「ササのカイガラムシは、ササコナフキツノアブラムシだと思います。アブラムシはホストと時期を調べておいてから探すと効率的かな。カイガラムシは特徴的なものを除くと、アブラムシ以上に難しいです。確か400種くらい?」というコメントをいただきました。えーっ。これがアブラムシ。きっと書き間違われたのだろうと思って、試しに「アブラムシ入門図鑑」を見たら、載っていました。アブラムシとカイガラムシの違いも勉強しないといけませんね。兵隊アブラムシを調べている論文も結構ありますね。この時撮った写真を見直すと、前肢が極端に大きな個体があって、たぶん、これがそうですね。これは面白いネタになりそうです。貴重な情報をどうも有難うございました。
 田中宏卓氏がカイガラムシのリストを出されています。何種類あるのかはよく分かりませんが・・・。とりあえず、「日本原色カイガラムシ図鑑」を手に入れないといけないのですが、絶版で、古本にも見つかりません。図書館にでも行かないといけませんね




これはモモブトカミキリモドキ♀。



毛虫もいたのですが、手元の「日本産幼虫図鑑」にも「原色日本蛾類幼虫図鑑」にも載っていません。それで、ネットの画像検索で探してみたのですが、スジモンヒトリの幼虫としているサイトがありました。ちょっと確かめようがないのですが・・・。



前胸背板が暗くなってよく分からないのですが、何となく全体の形がカミナリハムシの仲間みたいな気がします。



これは小さなハエですが、雰囲気、キモグリバエみたいです。



こちらは交尾中のノミバエです。




これはたぶん、タイリクアリグモ。(追記2017/12/11:「ハエトリグモハンドブック」の検索表で調べると、やはり、アリグモになってしまいました



それに、キアシカミキリモドキ



最後はいつも迷う種です。キアシノミハムシかなと思っているのですが・・・。

やっと29日分の整理が終わりました。でも、まだ、30日、31日が残っています。
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No title

ササのカイガラムシは、ササコナフキツノアブラムシだと思います。
アブラムシはホストと時期を調べておいてから探すと効率的かな。
カイガラムシは特徴的なものを除くと、アブラムシ以上に難しいです。
確か400種くらい?

No title

えーっ。これがアブラムシ。きっと書き間違われたのだろうと思って、試しに「アブラムシ入門図鑑」を見たら、載っていました。アブラムシとカイガラムシの違いも勉強しないといけませんね。

兵隊アブラムシを調べている論文も結構ありますね。この時撮った写真を見直すと、前肢が極端に大きな個体があって、たぶん、これがそうですね。これは面白いネタになりそうです。貴重な情報をどうも有難うございました。

田中宏卓氏がカイガラムシのリストを出されています。
https://sites.google.com/site/coccoideajapan/japanese_coccoidea_list
何種類あるのかはよく分かりませんが・・・。とりあえず、「日本原色カイガラムシ図鑑」を手に入れないといけないのですが、絶版で、古本にも見つかりません。図書館にでも行かないといけませんね。
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