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廊下のむし探検 バッタ、チャタテ、トビケラ、蛾など

廊下のむし探検 第904弾

最近、家の近くの公園に行くことが多くて、肝心の「廊下のむし探検」が滞っていました。5月22日の午前中に歩いてみると、いるわいるわ虫がいっぱいです。その整理だけでも大変になりました。まずは、甲虫、ハチ、ハエ、カメムシ、クモを除いた残りの虫からです。

見た順に書いていきます。





まずはこのクビキリギスから。クビキリギスには褐色型と緑色型がいて、どうしてなのか以前調べたことがありました。その時は、コラゾニンと幼若ホルモンという二つのホルモンの作用で体色が変化することが分かったのですが、主にバッタが集まった群生相で黒化する理由を調べる研究が主で、単独で生息する孤独相で体色の異なる理由についてははっきり書かれていませんでした。孤独相での体色変化の外的要因としては、温度、湿度、背景色、幼虫の生育密度などがあって、例えば、温度が高いと緑、湿度が高くて緑色の草が青々と茂っていると緑になるというようなことでした。その後、研究が進んだかなと思って少し論文を読んでみたのですが、その点に関しては特に書かれている論文は見つかりませんでした。

私の若干の想像も加えて体色変化の機構を書いてみると、、バッタの基本色はメラニン色素が薄く分布した薄茶色で、これに幼若ホルモンの作用が加わると緑色に変化していきます。一方、コラゾニンの作用が加わると、体色が黒化すると同時に前胸背が突き出すなどの体型的な変化が起き、より群生相でのバッタに近づくということのようです。だとすると、我々が普通に見る体色変化は主に環境による幼若ホルモンの作用かなと思われます。いずれにしても、環境が変わってもすぐに変化が現れるわけではなく、一度脱皮を行ってから変化が現れるとのことです。



こちらはツチイナゴです。



次はこれ。小さなチャタテムシです。体長は1.5mm、前翅長は2.2mm程度です。まず、翅脈を見てみます。



後小室という翅脈に囲まれた室がなくて、四角い縁紋をもっているのはウスイロチャタテ科です。これは以前、クリイロチャタテかもと思って調べた個体に似ている感じです。ただ、気になったのはこの写真の矢印で示した部分です。つまり、RsとM脈が矢印の部分を共有しているところです。以前の個体はこの部分がほぼ一点で交差していました。以前見た個体は眼が大きかったので♂、今回は目立たないので♀かもしれません。それで、この翅脈の違いは♂♀の違いかもしれませんが、よくは分かりません。(追記2017/12/10:マドチャタテ科みたいです







次はこの虫。前翅長は6.7mm、触角が非常に長くて、写真では端が切れてしまっていました。とりあえず測ってみると触角長/前翅長>2.6でした。実は、この虫、2014年の06/26、07/18、10/13に見ていて、たぶん、トビケラかなとは思われたのですが、そのときは得体の知れない虫となっていました。そこで、今回はトビケラをキーワードにしてネットの画像検索をしてみました。すると、「ムシをデザインしたダレ?」というブログでヒゲナガトビケラ科のハモチクサツミトビケラかもという記事を見つけました。このブログはいつも驚くほど美しい拡大写真を出しておられるので、私がブログを始める前からあこがれていたサイトです。「トビケラ専科」の写真館を見てみると、クサツミトビケラ属Oecetisには似たような体型のトビケラが載っていました。たぶん、この属であることは確かそうです。

この属については、「日本産水生昆虫」にやや詳しく載っています。そこで、できる範囲で検索もしてみることにしました。



これは科と属の検索の項目です。この9項目を調べればよいことになります。



まずは翅脈です。もう少しちゃんと写せばよかったのですが、翅端の方がぼやけています。それでも、大体は見ることができます。記号を書き入れたので、だいたい分かるかなと思います。最後に、「M脈の延長した先端が台形状」という項目あります。たぶん、この写真で点線で囲んだ部分を指すのだと思うのですが、どうしてこんな表現にしたのかよく分かりません。

F. Schmid, "les Insectes et Arachnides du Canada partie 7, Genera de Trichopteres du Canada et des Etats adjacents", Agriculture Canada (1980). (ここからダウンロードできます)

たぶん、この本を参考にしたと思うのですが、台形状以外になる種の例を見てみると、M1+2は分岐していました。



次は頭部です。単眼がないことと、小顎肢の先端節とその一つ前の節がほぼ同長であることを見ます。中肢の項目については調べられませんでしたが、それ以外は確認できたので、まず大丈夫でしょう。「トビケラ専科」に載っている「日本産トビケラのリスト」によるとOecetisには13種記録されています。♂交尾器については「日本産水生昆虫」に5種、そのほか次の論文に何種か載っていて、日本産はほぼ網羅されています。

S. J. Lee, J. H. Hwwang, and Y. J. Bae, "The caddisfly genus Oecetis McLachlan (Trichoptera: Leptoceridae) in Korea", Entomol. Res. 42, 271 (2012). (ここからpdfが直接ダウンロードできます)
L.-F. Yang and J. C. Morse, "Leptoceridae (Trichoptera) of the People's Republic of China", Memoirs of the American Entomological Institue Vol. 64 (2000). (ここからダウンロードできます)
M. Kobayashi, "Descriptions of Several Species of Trichoptera from Central Japan (Insecta)", Bull. Kanagawa Pref. Mus. No. 15, 1 (1984). (ここからpdfが直接ダウンロードできます)

ただ、採集していないので、何とも仕方がありません。翅脈の載っている文献もあったので比べてみると、翅の斑紋は翅脈の交差点で多少なりとも出ている種が多いようなので、あまりあてにはならないかもしれません。それよりも、Sc脈とR脈の間が横脈で結ばれているもの(sc-r)、結ばれていないもの、Sc脈がR脈に合流するものなどの変化がありました。この辺に注目するともう少し絞れるかもしれません。





壁にこんな変わった蛾が止まっていました。初めは何だろうと思ったのですが、何となくフタオガに似ています。それで図鑑を見ると、マルバネフタオというのが似ています。これは初めて見ました。



この毛虫はたぶん、ヨツボシホソバ



そして、ハサミムシ。以前、エゾハサミムシとした個体と似ています。それかな。



それにこの間もいたアヤホソコヤガ



ナカウスエダシャク



フタマエホシエダシャク



最後のトビケラはよく分かりません。
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