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廊下のむし探検 甲虫と蛾

廊下のむし探検 第894弾

4月18日の写真整理を今頃やっています。この日は午前中に公園に行って虫を探し、午後からはマンションの廊下を歩いて虫を探しました。だから、写真がいっぱい。その分、名前調べも大変。



甲虫と蛾だけとりあえず調べてみました。見た順に載せていきます。これはケナガスグリゾウムシです。



最初のゾウムシは良かったのですが、次のジョウカイボンになって途端に迷い始めました。「原色日本甲虫図鑑III」を見ると、雰囲気的にはクロヒメクビボソジョウカイに似ている感じです。ただ、ジョウカイボン科は今、大変なことになっています。「2013年日本産ジョウカイボン科チェックリスト」というサイトによると、種・亜種を含め371種が記録されているとのことです。さらに、クロヒメクビボソジョウカイはクロニンフジョウカイと和名が変更され、2亜種が記録されています。さらに、この種の含まれるAsiopodabrus属だけでも184種。これは大変だなと思ったのですが、とりあえず、クロヒメクビボソジョウカイだけでも調べてみようと思って文献を探してみると、次の論文が見つかりました。

K. Takahashi, "Notes on the Lineage of Asiopodabrus malthinoides (Coleoptera, Cantharidae), with Description of a New Subspecies(クロヒメクビボソジョウカイ種群に関する知見と1新亜種の記載)", Elytra 36, 61 (2008). (ここからElytraの該当号[36(1)]がダウンロードできます)

この論文は、今まで、クロヒメクビボソの九州産亜種としてA. malthiroides hayatoが記録されていたのですが、筆者が大分で調べたところ、一つはこのhayatoで、もう一つは原名亜種とは異なっていたとのことです。このhayatoは原名亜種とは明らかに異なっていたので、別種として扱い、もう一つの種をtakizawaiという亜種にしたという内容です。これらの種・亜種は基本的に交尾器で分類するのですが、各部の色についての記載もありました。



その部分を拡大してみます。例えば、A. m. m.という原名亜種については、基本色は茶色がかった黒で、次の場所が黄褐色だそうです:複眼の前の部分、触角第1、2節および3節の基部、前胸背板の両側面、前胸腹板の前半部、末端節を除いた口肢、大腮の先端半分、基節と転節の先端部分。その他、触角3-11節、腿節・脛節の先端部は暗黄褐色だそうです。比べると、まぁ、合っているのですが、前胸背板の両側面だけが違います。個体変異の範囲内なのか、これに近い種なのかはよく分かりません。今年は「甲虫の年」だと思って、頑張っているのですが、なかなか難しいですね。



これはこの間からツブノミハムシだとしている種ですが、これもよくは分かりません。



これは綺麗な蛾です。たぶん、フタモンコブガだと思います。





体長1.8mmの小さな甲虫です。何度も図鑑を見直したのですが、結局、ギブアップです。



また、厄介なハムシダマシです。これは眼が近いからフジハムシダマシかなと思ったのですが、この日は合計4匹もいました。どれも悩ましいので少し定量的に調べてみました。手掛かりは次の論文です。

益本仁雄、「日本産ハムシダマシ科について (2)」、甲虫ニュース No. 107、1 (1994). (ここからダウンロードできます)

ここに、ナガハムシダマシ属の検索表も見ていますが、外観と分布からはフジかナガかなというところです。この2種は、1)複眼の間隔、2)前胸背の点刻、3)鞘翅の点刻条溝で区別することになっています。そこで、その部分を拡大してみました。



このうち、定量的に測れるのは眼間距離と複眼横径の比です。論文によると、フジの♂でおよそ1.5倍、♀で3.5倍、ナガの♂は2倍、♀は2.2倍であることになっています。さらに、「原色日本甲虫図鑑III」にはナガについて、♂♀が触角で見分けられることになっています。触角第9、10節の和と末端節の比が、♂では1:1.33、♀は1:1.17だそうです。つまり、♂の方が末端節がちょっと長いということです。

これらを実際に測ってみました。まず、眼間距離と複眼横径の比はそのまま測ると1.34になりました。ちょっと小さめに出たのですが、たぶん、斜めから撮ったからかなと思って、真上から30度傾いて撮影したと仮定し、1/cos 30°をかけてみました。1.55になりまあまあの値になりました。次に触角の節の長さですが、その比は1:1.34になりました。フジについては数字が載っていないのですが、ナガと同じだとすると図鑑の値によく合っています。つまり、この個体はたぶん、フジハムシダマシ♂ということになります。







で、残りの3匹も同じように調べてみました。これはいずれも複眼の間隔が離れています。調べてみると、一番上は複眼間距離が2.26、触角の比が1.00、次が1.73と.1.24、その次が2.09と1.29。いずれも斜めに写したことによる補正をしていますが、結構、いい加減です。これから、これら3匹はいずれもナガハムシダマシで、一番上が♀、下の2枚が♂かなと思いました。2番目がやや微妙ですが・・・。





これは何でしょう。これもよく分かりませんでした。(追記2017/12/09:立西さんから、「13,14枚目の写真の虫はツヤハムシの仲間だと思われます。ドウガネツヤハムシが怪しいでしょうか。」というコメントをいただきました。ハムシかぁ。触角を見たとき、一瞬疑ったのですが、見過ごしてしまいました。どうも有難うございました



次はイタドリハムシ



この間からいるキクイムシです。ルイスザイノキクイムシかなと思っているのですが、今度、頑張って検索をしてみます。



それと、モモブトカミキリモドキ♂。



最後は半分だけ姿を見せているプライヤキリバでした。
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No title

はじめまして。いつも楽しく拝見させていただいています。
13,14枚目の写真の虫はツヤハムシの仲間だと思われます。ドウガネツヤハムシが怪しいでしょうか。
これから虫が増えていく季節ですがこのブログでも様々な虫が見られることを楽しみにしています。

No title

立西さん、はじめまして
ハムシかぁ。触角を見たとき、一瞬疑ったのですが、見過ごしてしまいました。どうも有難うございました。最近、急に虫が増えてきて、名前調べが大変になってきました。これからもよろしくお願いいたします。
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