家の近くのむし探検 ルリアリ、トビムシ、甲虫など
家の近くのむし探検 第218弾
一昨日の3月30日に近くの公園で見た昆虫です。3月も終わりになって、少しは虫が増えてきました。
まずはルリアリです。この時期、桜にもシラカシの幹にも、街灯の柱にもルリアリが上り下りしている姿を見かけます。
卵か繭みたいなものを持って上っています。巣の移動なのでしょうか。
街灯の下にはルリアリが集まっていました。
中に腹部がこんなアリも。アリも分からないことだらけですね。
トビムシを撮るときに白いシートを敷いて、その上に周りにある枯葉を載せると、トビムシがのそのそと動き出すので、撮影はしやすいということをこの間、気が付いたのですが、この日は早速やってみました。カメラの反射板を置いて周りから追い込むように落ち葉を載せてみると、簡単にトビムシが見つかりました。何度かやってみたのですが、そんなに種類は多くなかったです。この背中がもしゃもしゃのトビムシと、次のもう一種でした。
この触角の長い種です。これについては以前に検索をしたことがありました(詳しくはコチラとコチラ)。たぶん、その時と同じ種だと思うのですが、そうだとすると、トゲトビムシ科トゲトビムシ属トゲトビ亜属のトゲトビムシ辺りではないかと思われます。トビムシも少しなじみの仲間ができてきました。
でも、それに加えてこんな変わった虫も見られました。これらもトビムシのようにぴょんと飛ぶので、初めはトビムシの幼虫かなと思ったのですが、どうやら違うようです。たぶん、ヨコバイの幼虫ではないかと思います。特に、一番上はコミミズクの幼虫かなと思ったのですが、どうでしょう。
こんな小さな甲虫もいました。おまけにこれもピョンと飛びました。地面にいる虫は皆ピョンと飛べないと駄目なのでしょうかね。何となく、体形がウスイロサルハムシに似ているのでBasilepta属を探していて、その隣にいました。たぶん、ヒメキバネサルハムシではないかと思います。「原色日本甲虫図鑑IV」によると、この種は本州、四国、九州から海外にまで広く分布し、大豆の害虫だそうです。
(追記2018/01/26:以前にも書いたことがあるのですが、ヒメキバネサルハムシ Pagria signataについては次の論文が出ています。
今坂正一、南雅之、「日本産Pagria(キバネサルハムシ属)について―付.東南アジア産数種の研究」、佐賀の昆虫 44, 253 (2008). (ここからpdfが直接ダウンロードできます)
論文の内容は次の通りです。Moseyko(2005)はこれまでヒメキバネサルハムシ Pagria sinataとされていた種を調べたところ、日本にはPagria属として3種を産すると報告しました。上の論文ではさらに詳しく調べてみると、もう一種見つかり、計4種いたという内容で、検索表も載っていました。頭部と前胸背板が黒くて、上翅の基部付近に菱形の黒紋があるというところから、マルキバネサルハムシ Pagria ussuriensisではないかと思っているのですが、どうでしょう)
そのほかにもこんなハナバチも。頭盾が白くないので♀ですね。
翅脈もかすかに見えて、中脈がぐにゃっと曲がっているので、たぶん、コハナバチ科でしょうね。
次はこんなハエ。
一応、翅脈を見てみました。M1脈が前側に曲がっていること、CuA+CuP脈が翅縁に達しないことなどから、イエバエ科かなと思ったのですけど・・・。
最後はウロコアシナガグモかエゾアシナガグモかがはっきりしないクモです。この日の公園はこんなところでした。
雑談:近くのギャラリーを借りて、今日から写真展を開くことになっていて、先ほどまで展示の作業に行っていました。額に入れた写真が14枚、写真パネルが8枚、それぞれの説明パネルなどを展示してきました。いつもなら、2時間ほどで終わるのですが、今年は2時間では終わらず、途中で昼食を食べて計3時間半もかかってしまいました。それでも準備ができてほっとです。
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