FC2ブログ

虫を調べる ヒロバネエリユスリカ?

先日、マンションの窓際に雄のユスリカが何匹か止まっていました。そのうち、2匹を捕まえてきました。やや大きめのユスリカと少し小さなユスリカだったのですが、そのうちの大きめのユスリカを調べてみました。なお、やや小さめの個体は先日調べた個体と同じ種のようでした。



窓際では写真を何枚か撮ったので、実際に採集したユスリカがこの写真のユスリカと一致しているかどうか自信はないのですが、たぶん、これかなと思ったので一応出しておきます。



例によって、冷凍庫に入れておいた試料を取り出してそのまま写真を撮り、後で消毒用アルコールに入れて撮りました。この写真は消毒用アルコールに入れた状態で撮ったものです。体長をどこで測ったらよいのか分からないので、スケールを入れておきました。5mm程度のユスリカです。この写真から前脚の第1跗節よりも脛節が長いことが分かります。たぶん、エリユスリカ亜科ですね。実際にはいつものように「日本産水生昆虫」に載っている検索表で検索をして、エリユスリカ属になったのですが、先日も検索過程を書いたので、今回はそれを省略して、写真だけでお見せします。



まずは翅脈です。アルコールに入れたまま撮影してコントラストがほとんどつかなかったので、画像を暗くして、思い切りコントラストを上げました。翅が茶色っぽくなったのはそのせいです。MCu横脈がないことが分かります。



これは後脚脛節末端の端刺と櫛状刺列です。



これは腹部末端を腹側から写したものです。アルコールに浸ける前なので、リアルな質感があるのですが、底節突起などは毛に埋もれてちょっと見にくい感じです。





これはアルコールに浸けたまま、試料をホールスライドに載せて、カバーグラスをかぶせて撮ったものです。却って、コントラストがついた感じで、突起は非常によく見えます。これを見て、以前調べたヒロバネエリユスリカより背側の下底節突起の幅が狭いような気がしました。それで、これがひょっとしてニセヒロバネエリユスリカなのかなと思いました。



これはその部分を透過照明で撮ったものです。二つの突起がさらによく見えます。





これは同じ部分を背側から撮ったものです。尾針に毛がいっぱい生えていることが分かります。

「図説 日本のユスリカ」によると、ニセヒロバネエリユスリカとヒロバネエリユスリカは極めて類似していますが、1)前者は触角比2.1前後に対して、後者は2.5-3.0、2)後者の小盾板には刺毛列が1列に対して、前者では2列ないしそれ以上、3)底節突起の背面突起が前者ではかなり狭くなることで識別可能であるとのことです。3)の背面突起は前回調べたものよりもやや狭そうなのですが、どの程度狭ければよしとするのかよく分かりません。それで、2)の小盾板の刺毛列を調べてみました。



これは小盾板を撮ったものですが、明らかに刺毛列は2列です。これで、たぶん、ニセヒロバネで合っているのではと確信しました。最後に、1)の触角比を測ってみました。



これがその時の写真ですが、触角比は3.0です。もう一方の触角も2.99でした。ここで迷い始めました。ニセヒロバネは2.1前後で、ヒロバネは2.5-3.0なので、ひょっとしてこれはヒロバネの方かも。でも、小盾板には2列の刺毛列・・・。こうやって迷い始めたころに、che*rki**_y_nさんからびっくりするようなコメントがありました。この間、エリユスリカ属で種名の分からなかった個体が、実は、ニセヒロバネだそうです。とすると、これはやはりヒロバネなのだろうか。うーむ、なかなか難しいですね。

追記2017/03/31:che*rki**_y_nさんから、「これも、ちょっと見にくいですが、ニセヒロバネエリユスリカであってると思います!この二種を見極めるには、やはり決め手は底節突起なのです。ARを気にされておられていますが、正直、これは当てにし過ぎると危険です。結構、幅があります。」というコメントをいただきました。ARはantenna ratioで触角比のことです。コメントをどうも有難うございました。私はもう少し数をあたって修行をしないといけませんね
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

No title

これも、ちょっと見にくいですが、ニセヒロバネエリユスリカであってると思います!

No title

この二種を見極めるには、やはり決め手は底節突起なのです。

No title

ARを気にされておられていますが、正直、これは当てにし過ぎると危険です。
結構、幅があります。

No title

そうですか。またまたびっくりです。と共に、少し違いが分かってきたような気がしました。この季節、マンションの廊下の窓には似たような雄のユスリカがいっぱい群れています。少し捕まえてきて、底節突起の形状、小盾板の刺毛列、AR(antenna ratio?)などを調べてみると個体差が分かっていいかもしれません。どうもいろいろと有用なコメントをありがとうございました。
プロフィール

廊下のむし

Author:廊下のむし

カテゴリ
リンク
最新記事
最新コメント
カウンター
月別アーカイブ