家の近くのむし探検 マルトビムシなど
家の近くのむし探検 第211弾
昨日、家の近くにある公園を覗いてみました。相変わらず、虫は少なかったのですが、公園の中の街灯の柱に小さな虫が何匹か止まっていました。
これは以前も見たマルトビムシですね。今度こそ、検索をしてみようと思ってこのうち3匹を採集してきました。以前採集した個体と合わせて4匹になったので、昨日、まず1匹を消毒用アルコールにつけて顕微鏡観察してみました。体長は1.4mm。かなり小さいのと、翅がないので、つかむところがなくてかなり苦労します。それで、今日は1匹をアルコールに浸けないでそのまま観察してみました。それでも、ピンセットが使えないので、針の先であちらこちら向けて何とか検索できました。
伊藤良作ほか、「日本産ミジントビムシ亜目およびマルトビムシ亜目(六脚亜門:内顎綱:トビムシ目)の分類」、Edaphologia 91, 99 (2012). (ここからダウンロードできます)
検索表はこの論文に載っている絵解きのものを用いました。まだ、いくつかある項目の半分程度しか確認できていないのでだいぶ怪しいのですが、、今ところマルトビムシ科ヘラマルトビムシ属のニッポンマルトビムシあたりが有力です。まだ構造的に分からないところがいくつかあるので、もう少し調べてみますが・・・。写真は何枚か撮ったので、そのうちの2枚を出しておきます。
まずは眼です。8つあることはすぐに分かりますね。
次は跳躍器です。お腹の下にこんなものを隠していました。詳細は後日載せることにします。(追記2017/03/14:触角後毛(眼の写真で眼の左斜め上にある小さな毛)が筆先状のような感じもします。だとすると、キノボリマルトビムシの可能性もあります。街灯の柱を登っていたし・・・。もう少し検討が必要です)(追記2017/03/14:科の検索をもう一度チェックしてみました。触角を見ることでミジントビムシ科とクモマルトビムシ科は直ちに除外できます。跳躍器端節を見てオドリコトビムシ科を除外できます。眼を見るとヒトツメマルトビムシ科を除外できます。さらに、脛跗節末端の粘毛の向きからボレーマルトビトビムシ科が除外できます。というわけで、残りはヒメマルトビムシ科かマルトビムシ科になります。腹管の嚢状突起というのがわからないので、ヒメマルトビムシ科はまだ除外できていません)(追記2017/03/15:マルトビムシ科の属の検索を再チェックしてみました。触角の長さからヒゲナガマルトビムシ属は除外。後肢転節の刺状突起がたぶんないので、オニマル、フトゲマル、オウギマルの各属は除外。脛跗節末端の粘毛の先端形状からマルトビムシ属を除外。ということで、今のところ、やはりヘラマルトビムシ属が有力です。後肢転節の刺状突起の有無の確認とヒメマルトビムシ科かどうかを見る腹管の嚢状突起を探すのが重要ですね。もうちょっとだ、頑張ってみよう)
後はいつものようにユスリカでした。♂だったのですが、冷凍庫にいっぱい入っているので、今回は採集しませんでした。
それから、ササグモ。公園の「むし」はこんなものでした。
公園へ行く途中の壁にマエアカスカシノメイガがいました。
後はマンションに着いてから見たものです。これは昨日も見たタマバチ。
それから翅脈が3つに分かれるtriozineなので、トガリキジラミ。たぶん、オオトガリキジラミ属。これについては以前調べてたことがあるので、そちらを見てください。(追記2017/12/03:これはサトオオトガリキジラミだと思われます。詳しくはこちら)
それから何だか分からないクモ。昨日はこんなところでした。
スポンサーサイト