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廊下のむし探検 ガガンボの整理

廊下のむし探検 第847弾

昨日、「廊下のむし探検」をしたのですが、その時、ガガンボが何種かいたので、調べるついでにガガンボの整理をしてみました。



ガガンボは図鑑によって分類がまちまちです。それで、一昨年、ガガンボとそれによく似たニセヒメガガンボ科、ガガンボダマシ科、コシボソガガンボ科を加えて、その変遷を追いかけてみたことがありました。今回はその後、手に入った「日本昆虫目録」(2014)を加えて、少し書き直してみました。「日本昆虫目録」(2014)は、基本的には「新訂原色昆虫大図鑑」(2008)と同じなのですが、下目、上科という上位分類がなくなっていました。おそらく、まだ、説が固まっていないのでしょう。

いずれにしても、現在のガガンボ類が4科、それ以外が3科なので、その検索過程を「新訂原色昆虫大図鑑」と「日本産水生昆虫」(2005)に載っている説明や検索表を使って、図示してみました。



検索はまず、コシボソガガンボ科、ニセヒメガガンボ科、ガガンボダマシ科でないことを確かめてから、ガガンボ類の検索に入るという手順になっています。昨日歩いて見つけたのは、ヒメガガンボ科とガガンボ科だったので、それ以外の科については手元にある標本で検索のポイントを示してみました(写真は昔撮ったものです)。



まずはコシボソガガンボ科です。①で書かれているように、R4とR5が途中で分かれ、長い共通柄R4+5のあることが分かります。また、②のように、A1脈が見当たりません。③はこの写真では分からないのですが、この翅脈の特徴が見られれば、コシボソガガンボ科だろうということが分かります。(追記2016/12/07:翅脈の名称をM3→M3+4と変えました。昔の図をそのまま使っていたのですが、M脈は基本4本に分かれると考え、こうした方がよいような気がしました



これはガガンボダマシ科ですが、③のようにA1脈が短くて、先端が急に折れていればガガンボダマシ科ということになります。ここで、dmはdiscal medialの略で、中室を意味します。



また、頭部が写せると②で示すように単眼があることが分かります。①に書いてあることはよく分かりませんでした。



コシボソガガンボ科、ガガンボダマシ科、ニセヒメガガンボ科でないことが分かると、次はSc脈の先端に注目します。この写真のようにSc脈が翅縁に達していると、ヒメガガンボ科か、オビヒメガガンボ科だということになります。この両者は翅脈ではsc-r横脈がRs脈の起点より基部よりに位置することからオビヒメガガンボ科であることが分かりますが、例外もあるので、複眼の毛を見る方がよいと思われます。



この写真を見ると毛が生えていることがよく分かります。

これだけの予備知識を持って最近撮ったガガンボを調べてみます。





これは12月2日に撮ったものですが、コシボソガガンボ、ガガンボダマシ、ニセヒメガガンボのいずれとも違うので、ガガンボ類の検索に進みます。Sc脈が翅縁に達しているので、ヒメガガンボ科かオビヒメガガンボ科ということになりますが、sc-r脈がRs脈の起点より外側にあるのでヒメガガンボ科であることが分かります。



これから先は「日本産水生昆虫」に族の検索表が載っているのですが、これはなかなか一筋縄ではいかない感じです。一応、赤字で書いた部分を補ってみましたが、まだ、ホシヒメガガンボ族とヒメガガンボ族を明確に分ける形質が分からないので、未完成です。この表によると、脛節端の距棘を見る必要があるのですが、写真を見た限りでは距棘はなさそうです。また、Rs脈は3本に分かれています。初め、R1に合流するR2脈も数えていたのですが、これは数えないようです。②でもRs脈は3本に分かれているので、ホシヒメガガンボ族になります。問題は2本に分かれる時で、この時、ホシヒメガガンボ族とヒメガガンボ族が分かれません。この先、属の検索をすると、Cladura属になるのですが、あまり自信がないので、まだ、保留にしておきます。





次からは昨日見つけたガガンボです。この場合もSc脈は翅縁に達しているので、ヒメガガンボ科かオビヒメガガンボ科になるのですが、sc-r脈の位置が分かりません。写真からは複眼に毛が生えていないようなので、たぶん、ヒメガガンボ科かなと思います。さらに、Rs脈は2本に分かれているので、たぶん、ヒメガガンボ族と思われます。写真を撮るときに何に注目して撮ればばよいのかだんだんと分かってきますね。





これはsc-rの位置がよく見えます。これがRsの起点より外側なので、ヒメガガンボ科であることは確かそうです。さらに、Rsは3本に分かれているので、たぶん、ホシヒメガガンボ族ですね。(追記2016/12/07:M3脈が途中までしか伸びていないのですが、もう一枚の翅の方を見ると翅縁まで達しているようです。何らかの不具合で翅脈が途中で伸びるのが止まったと考えられます







次はこのガガンボです。これもガガンボ類ですが、Sc脈がR1に合流しています。したがって、ガガンボ科であることが分かります。下顎鬚の末端節はぐにゃっと曲がっているところだと思いますが、確かにかなり長いことが分かります。(追記2016/12/07:鼻状突起についてはこちらにエゾホソガガンボの写真があります





最後はこのガガンボですが、Sc脈がどれか分かりません。それで先に進めません。最低限、翅の前縁部分をきちんと写しておかないと駄目ですね。
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