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廊下のむし探検 ツチハンミョウ登場

廊下のむし探検 第830弾

毎年、今頃になると我がマンションにツチハンミョウがやってきます。くるのは決まって♂で、しかも、2013年と2014年が10月29日、2015年が10月28日とほぼ同じ頃に出現しています。今年はどうなるかなと思って楽しみにしていたのですが、一つ心配事もありました。それはマンションの改修工事があったために、外壁を塗り替えたからです。新しくなった壁は好みに合わないかもしれないなと心配していました。10月30日の午後、ふと、思い出していつもの場所を見てみると、♂が一匹見られました。28日と29日に見に行かなかったのがちょっと残念だったのですが、いずれにしても同じ頃であることは確かです。







とにかく小さい個体です。カメラで撮って体長を測ってみると、10mmしかありません。小さいからか、かなりの速さで移動します。そして、新しく塗り替えた壁を登ろうとするのですが、途中で落ちてしまいます。やはり塗り替えが合わないのかな。私のマンションで見るツチハンミョウはたいてはヒメツチハンミョウで、以前、一度だけキュウシュウツチハンミョウを見たことがありました両者は触角で見分けがつきます。「原色日本甲虫図鑑III」によると、触角第1節の長さが第2~4節の長さの和より明らかに短いとキュウシュウ、ほぼ等しいとヒメ。また、第7節が腎臓形だとキュウシュウ、心臓形だとヒメです。



今回の個体の触角も見てみると、両者の長さはほぼ等しく、第7節は心臓形です。したがって、こんなに小さくてもヒメツチハンミョウなのでしょう。図鑑を見ると、体長が7-23mmとのこと。一応、この範囲内には入っていました。それにしても、随分、大きさに差があるものですね。



甲虫ついでに、これはヤサイゾウムシです。



次は蛾です。ツバメエダシャクの仲間です。この仲間は顔色を見よと、以前、教えていただいたことがありました。



それで撮りました。触角の下の部分が顔です。顔は明るい褐色ですが、中に白い部分も見えています。よくいるウスキツバメエダシャクはこの部分が黄褐色だけなので、大きさから、たぶん、シロツバメエダシャクだと思われます。

ついでだから、この仲間の特徴をまとめてみることにしました。出典は「日本産蛾類大図鑑」と「日本産蛾類標準図鑑」の説明文です。ツバメエダシャクの仲間はOurapteryx属に含まれますが、この中に日本産は6種います。それらを外見的に見分けるポイントは図鑑に書いてあります。触角形状、顔面の色、縁毛の色、横線、尾状突起です。そこで、それらの記述を表の形にまとめてみました。



字が小さいので拡大してみてください。黒字が「標準図鑑」の説明、「大図鑑」にそれ以外の説明が載っている場合は赤字で付け加えてあります。触角形状と顔面の色は比較的明確で、横線や尾状突起はかなり相対的な感じがします。そこで、それらに基づいた検索表もどきを作ってみました。



ただ、顔色で分けただけですが・・・。ついでに手元にある顔の写真も載せてみました。ウスキツバメは実にうまく撮れているのですが、後のはちょっとはっきりしません。今度見たら、下に潜り込んでもう少しいい写真を撮ってみます。たぶん、今回のはシロツバメ♀でよいのではないかと思います。シロツバメは尾状部M1の出っ張りが強いと書かれていますが、たぶん、次の写真の部分だと思います。



右がウスキツバメ、左がシロツバメだと思われる個体の写真です。黒矢印がその出っ張りです。ちょっとは頭の中が整理できたかな。(追記2016/11/24:ささきさんから、「「ツバメエダシャク」はウスキツバメですよ。シロツバメはほんのちょっと小型で、翅の線状の紋はやや太く、翅は丸みを帯びて、細かな波状の紋が弱く、尾状突起の付け根の紋がハッキリします…なんて細かい点を見なくても、慣れてきたら一見しただけで直感的に分かるんですが…。どこが直感的に認知されるのか?と自分なりに考えたところでは、やはり決め手は翅の丸みでしょうか。ウスキツバメは翅が尖った感じが強いんですよ。」というコメントをいただきました。これはショックだなぁ。図鑑の説明を読んでいると、模様は個体で変異があるので、顔面の色で一義的に決まるのではと思っていました。手元に昔作った標本がいくつかあると思うので、一度、調べ直してみます。どうも有難うございました。これについては後日、標本で再検討してみました



他の蛾です。これはたぶん、コガタツマキリヨトウでしょう。



そして、これはハイイロエグリツトガ



ついでにチャバネセセリ



後はいつものキマダラカメムシ



それにヒメバチらしいハチでした。



クモはよく分からないのですが、「日本のクモ」との絵合わせではハラクロコモリグモかなというところです。久しぶりに歩いてみると、マンションの廊下も結構楽しいですね。
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No title

ツチハンミョウは是非見てみたいです。
甲虫らしからぬ体が面白いですよね。
コガタツマキリヨトウも網目状の模様や毛むくじゃらな感じが素敵ですね。

No title

「ツバメエダシャク」はウスキツバメですよ。シロツバメはほんのちょっと小型で、翅の線状の紋はやや太く、翅は丸みを帯びて、細かな波状の紋が弱く、尾状突起の付け根の紋がハッキリします…なんて細かい点を見なくても、慣れてきたら一見しただけで直感的に分かるんですが…。どこが直感的に認知されるのか?と自分なりに考えたところでは、やはり決め手は翅の丸みでしょうか。ウスキツバメは翅が尖った感じが強いんですよ。

No title

ささきさん、本当ですか。これはショックだなぁ。図鑑の説明を読んでいると、模様は個体で変異があるので、顔面の色で一義的に決まるのではと思っていました。手元に昔作った標本がいくつかあると思うので、一度、調べ直してみます。どうも有難うございました。

No title

タイコウッチ君。ツチハンミョウは面白いですよ。その形もですが、生活史自体も。私も初めて見たときはこれはいったい何だろうと思って家に持って帰ったのですが、後で、ファーブル昆虫記にも出てくる有名な虫だと分かって、急に興味が湧き始めました。もしまだだったら、是非とも、ファーブル昆虫記の「ツチハンミョウのミステリー」を読まれることをお勧めします!
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