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家の近くのむし探検 チャタテで苦しむ

家の近くのむし探検 第185弾

草の刈られた公園での虫探しの続きです(24日)。草が刈られ、植え込みも刈られ、およそ虫もいなくなったので、木の幹ばかりを探していたら、こんなチャタテムシを見つけました。







たぶん、今まで見たことのない種だと思います。



近くにイダテンチャタテの幼虫もいたので、一緒に写してみました。幼虫に比べるとだいぶ大きいですね。

さて、これの名前調べなのですが、まず、翅脈を見てみました。



ここで注目するのは後小室です。この小室の上側の1辺(赤三角)はCuA1脈とM脈が融合して作られています。ここがポイントです。以前、チャタテの科の簡易検索表を、次の論文に載せられている検索表を基に作っていました。

富田康弘、芳賀和夫、「日本産チャタテムシ目の目録と検索表」、菅平研報12、35 (1991) (ここからダウンロードできます)

まだ、完全ではないのですが、ここに載せてみると次のようになります。



基本的には跗節の節数と後小室に注目して分けています。これによると、後小室がM脈と融合しているのは、チャタテ科とホシチャタテ科だけで、ホシチャタテ科は翅が黒に近い濃色なので、今回は除くことができます。したがって、後小室を見るだけでチャタテ科であることが分かります。

次はチャタテ科の種の検索ですが、富田氏の論文に載せられている検索表を用いると、次のような過程をたどってAmphigerontia属になります。



①の小顎鬚は今回の撮影ではよく分からないので飛ばし、次の触角の長さは上から2番目と3番目の写真からせいぜい前翅長程度と思われるので、①はOKとします。②もしたがって、OKです。③はCu1a脈の赤三角を付けた辺とその右にある辺との長さ比較です。もし右の辺が短ければこれはOKということになります。実測すると、1:0.83となり少し短いのでこれもOKとします。最後の④はRs脈とM脈とが横脈で結びついているかどうかという部分です。この写真の個体は横脈(黄三角)で結びついているので、Amphigerontia jezoensisになりそうなのですが、以前、Amphigerontia jezoensisだと思った個体とはだいぶ違うようです。

これについては次の吉澤氏の論文にこの辺りの事情が載っていました。

K. Yoshizawa, "Systematic Revision of the Japanese Species of the subfamily Amphigerontiinae (Psocodea: 'Psocoptera': Psocidae)", Insecta Matsumurana New Series 66, 11 (2010). (ここからダウンロードできます)

この論文によると、富田氏が論文を出した当時(1991年)には、チャタテ科Amphigerontiinae亜科には、上の検索表に載っているAmphigerontia jezoensisとBlaste obtusa (=Neoblaste papillosus)の2種だけが記録されていました。その後、記録された種は5属9種にも上り、あらためて検索表を作り直す必要ができたという内容です。



この論文の中の検索表を使うと、先ほどの検索項目にもあったRs脈とM脈との関係が最初に出てきます。写真の個体は黄三角で示したようにこの部分に横脈があるので、Amphigerontia属かAnomaloblaste属ということになります。ここから先は交尾器の形状を見ないといけないので検索はここでストップなのですが、A. jezoensis、A. contaminata、A. tribulosaの3種についてはこの論文に翅の図が載っていて、今回の個体は翅にある暗色模様がAnomaloblaste tribulosaに最も近いようです。最終的には交尾器を見ないといけませんが、今のところ、この種が最有力候補です。



次の虫に行きます。刈り残ったツツジを見ていくと、キノコバエがいました。これは以前、Allactoneura属だと思った種に似ています。



それから、ホシササキリもいました。





ユスリカの♂がいました。早速、採集したのですが、まだ、冷凍庫の中です。(追記2016/11/03:翅に模様があり、それからヤモンユスリカ Polypedilum (Plypedilum) nubiferの可能性が出てきました。検索表で調べてみたのですが、「日本産水生昆虫」の亜科の検索表ではユスリカ亜科になるのですが、属の検索表では3番目の検索項目で前肢脛節末端の突出部の形状について、ヤモンユスリカの図が引用されているので3aを選ぶことになるのですが、こちらを選ぶとPolypedilum属にはたどり着きません。検索に矛盾があるようです



これも実は♂みたいですね。こちらは採集しなかった・・・。



これはヒメナガカメムシ



ツチイナゴはちょっと大きめに撮ってしまいました。



後はマンションの壁に止まっていたウリキンウワバです。モモイロキンウワバにも似ていますが、外横線がはっきりしないので、たぶん、そうだと思います。



それから、ケブカカスミカメ



このハエは何だろう。一応、採集したのですが、まだ、冷凍庫の中です。

ふーぅ、虫の名前調べは本当に大変ですね。
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