家の近くのむし探検 クロアナバチその後ほか
家の近くのむし探検 第152弾
9月8日にクロアナバチの中にクビキリギスを入れているところを見たのですが、その後どうなったのかなと思って10日にもう一度見てきました。
まだ穴を掘っていました。
前脚と頭部で砂の塊を抱えて、後ずさりに20㎝ほど進んでは砂を捨て、それが終わるとまた穴の中に入っていくというのを繰り返していました。
穴の両脇には別の穴が開いています。これが偽坑なのですね。向かって左の穴は特に大きいです。
20分ほど経ってから見てみると、真ん中の穴は綺麗に塞がっていました。偽坑はそのままです。
少し離れたところから見たところです。中心の穴が偽坑で、左下に尾を引いているようなところが砂を運んだ道です。田仲義弘著、「狩蜂生態図鑑」(全国農村教育協会、2012)によると、「偽坑は寄生バエなどへの対抗策であると考えられてきた。しかし初期の巣には偽坑は無く、だんだん数が増え穴も深くなることから仮閉鎖の土砂を取るためにできるものであると思われる。また寄生バエが偽坑にだまされることはない。」との考えが出されていました。でも、仮閉鎖用の砂はそれほど量がいらないので、単なる巣の目印かなと思ったのですが、どうでしょう。
そのほかの虫です。ハチがこちらを睨んでいました。
横に回って撮ってみました。腹部と胸部の黄色の模様と触角の先端が曲がっているところから、オオシロフクモバチではないかと思ったのですが、よくは分かりません。
こちらもハチなのですが、まだ調べていません。
(追記2016/09/16:ネットで検索をすると、似た種に対してマダラヒメバチとしているサイトが散見されました。たぶん、それかそれに近い種なのでしょう。Information Station of Parasitoid Waspsには2015年度版のヒメバチ科目録が載っています。それによると、マダラヒメバチはヒメバチ(Ichneumoninae)亜科ヒメバチ(Ichneumonini)族ヒメバチ(Ichneumon)属の yumyumという学名になっていました。典型的なヒメバチという感じですね。さらに、日本産ヒメバチ目録というサイトにはvar sapporensisという亜種の標本写真が載っていました。それと比較すると、黄色から黄褐色になっている部分はよく合っているようです。
「大図鑑」には載っていなかったのですが、「学研生物図鑑昆虫III」にはマダラヒメバチの項目がありました。ただ、学名がPterocormus generoususとなっています。これも上のサイトで調べてみると、PterocormusはIchneumonのsynonym(同意語)、generoususはyumyumのhomonymとなっていました。homonymという言葉が分からなかったので、Wikipediaで調べてみると、異物同名ということです。つまり、違う種に対して同じ名前が付けられてたということみたいです。この場合は上記の日本産ヒメバチ目録のサイトに載っていましたが、Smithさんが1874年につけたgenerosusは1792年にOliverさんがすでに別の種に対して使っていた名前だったということみたいです。
学研の図鑑には橙色、黄色になる部分が書かれていました。橙色は第2腹背板、脚(基部および第1転節を除く)、触角鞭節の基部2/3、大腮など、黄色は小盾板、第3腹背板後縁の帯、第6~第7腹背。翅は透明で黄褐色を帯び、縁紋は黄色・・・。第2、第3腹背、大腮などは分からないのですが、後はだいたい合っているのではと思いました。触角鞭節基部2/3もよく見ると橙色のようです。ということで、たぶん、マダラヒメバチで合っているのではと思いました。アゲハの幼虫に寄生とのことです)
小さいドロバチかなと思うのですが、これも調べていません。
キボシマルウンカ、この間も見ましたね。
ツマグロオオヨコバイです。
これは公園に行く途中で見たナカキシャチホコです。
チャドクガの幼虫だと思います。ツバキ科が食草なのに、どうしてツツジにいるのだろう。
オンブバッタ。
ユスリカの♂ですね。今年はユスリカも調べるつもりだったのに・・・。
最後はクモです。クモはたいてい腹側を見せて止まっているで、背中の模様が見えません。
横から撮ると辛うじて模様が見えました。たぶん、ナガコガネグモでしょうね。でも、考えてみれば、クモの腹側がいつも見えているということになりますね。
腹側が見えるということは、外雌器、出糸突起、口器などを見るにはかえって都合がいいことになります。この写真はいい加減に撮ったのではっきりしないのですが、今度はもう少し頑張って綺麗に撮ってみようと思いました。
ツユクサに陽が当たって綺麗だなと思って撮ったのですが、いまいちでしたね。
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