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家の近くのむし探検 ハエ

家の近くのむし探検 第131弾

昨日から、地域のコミュニティープラザで「虫展」が始まりました。朝から、コミュニティープラザの方や私の住むマンションの方にも手伝っていただき、展示物を配置しました。開始時間までの時間が短くて、ばたばたしたのですが、10時からの展示会にはぎりぎり間に合いました。途中、11時から40分ほど、プロジェクターを使って、この地域の虫と展示物の紹介をしました。朝からほとんど会場に詰めて説明をしていたので、夕方にはだいぶ疲れてしまいました。でも、全部で80名くらいの方が見に来られたようで、マンションで開いた時よりはだいぶ多くて、嬉しく思いました。今日も10時から始まり、15時からは何か話をしないといけません。何の話をしたらよいのか・・・。

今朝は、特に「虫展」関連の準備がないので、この間(15日)、公園で見つけた虫の名前調べをしました。その日は、「虫展」の打ち合わせに行く途中で、公園にはちょっと寄っただけだったのですが、そこそこ面白い虫がいました。



このハエは公園の出口付近にいて、何か前脚をしきりに動かしていて変だなと思って写しました。



上の写真のように前脚を伸ばしたと思ったら、この写真のように縮めたりしています。小さなハエだったので、その場ではよく分からなかったのですが、家に戻ってから写真を見て、びっくり。前脚脛節末端に鎌があります。えっーこんなハエがいるのかぁ。でも、どうやって調べてよいのかわからないので、ネットで「前脚に鎌があるハエ」というようないい加減なキーワードで画像検索してみると、引っかかりました。カマバエという名前のようです。

早速、「日本昆虫目録第8巻」を見てみました。ミギワバエ科コブミギワバエ亜科カマバエ族に含まれているようです。この族にはOchthera属Ochthera亜属の3種だけが載っています。ミナミカマバエ(circularis)、シキシマカマバエ(japonica)、キアシカマバエ(pilimana)です。このうち、キアシの産地は鹿児島だけが書かれているのでたぶん除外してよいのかなと思いました。残りはミナミとシキシマなのですが、これについて書かれた文献がどれもダウンロードできなくて、ここでストップです。写真が載っているサイトを見ると、ミナミとしているサイトが多いのですが、皆さんどうやって決定したのだろう。なお、「日本昆虫目録第8巻」によると、O. mantisという種は、現在はO. japonicaとなっているようです(シノニムなのか、誤同定なのかは分かりません)。



桜の木にアブが止まっていました。シメタ!♀です。両方の複眼の間が離れています。それで、あちこちから写してみました。



アブはだいぶ嫌がってあっち向いたりこっち向いたりしていましたが、一番重要な前からも写せました。♀のアブについては次の文献に絵解きの検索表が載っています。

早川博文、「日本産アブ科雌成虫の分類 1.アブ属ウシアブ群、アカウシアブ群及びその関連種」、東北農試研究資料 10、35 (1990). (ここからダウンロードできます)

これによると、やはり予想通りウシアブになりました。ウシアブについては以前も検索をしてみたのですが、だいぶ忘れてしまっていたので、もう一度書いておきます。



まずは翅脈です。



翅が光っていて、折れ目なのか翅脈なのか分からず苦労したのですが、やっと翅脈に名前を付けられました。翅脈の名称の付けかたは以前の記事に載せたものに準じてつけました。①はR5とM1が翅縁で離れていることを言っています。ついでに、④はR4脈に枝が出ていることですが、図中に矢印で入れました。左上にその場所の拡大を載せましたが、微かに枝が写っています。



次は頭部です。下額瘤は黒い太いところ、中額瘤は細く伸びている間に少し太くなっている部分を指しているのだと思います。こういう形をしているとまずウシアブ群だということですね。⑥は腹背の模様についてですが、さすがに翅をのけて写すことはできなかったので、これはパスしました。この項目はハタケヤマアブを除外する項目なのですが、ハタケヤマはニッポンシロフアブに似ているというので外観がだいぶ違うのではと思いました。調べないといけないのですが・・・。

最後はウシアブの特徴である額三角区の色で額の色とは違う白色だということでウシアブになります。でも、よく見ると白ではなくて薄い褐色を帯びています。先ほど、ハタケヤマの説明を読んだら淡黄褐色粉状と書いてあったので、やはり調べないといけないかもしれません。上の論文のダウンロードしたものは絵が潰れてしまっていて違いがよく分かりません。どうしよう。(追記2016/08/31:菅井 桃李さんから、「日本産アブ科雌成虫の分類にも、ハタケヤマアブの翅は透明ですが、ウシアブの翅は淡褐色にくすむとあるので、ウシアブで問題無さそうです。」というコメントをいただきました



次はムシヒキアブです。木に止まっていたので、写真を撮ったらすぐに飛んでいってしまったので、この一枚しかありません。腹部の縞模様と脚の色、顔の毛の色などを見て、「ムシヒキアブ図鑑」というサイトの写真と比べてみたのですが、ぴったりというわけではないのですが、シロズヒメムシヒキと似ています。この種については以前菅井 桃李さんから、日本にいる種はナガトミヒメムシヒキだと教えていただきました。たぶん、次の論文に載っているのだろうと思うのですが、これもダウンロードできません。

N. Utsuki, "A New Species of the Genus Philonicus Loew (Diptera, Asilidae) from Japan", Jap. J. Syst. Entomol. 14, 53 (2008).

いつも思うのですが、出版から5年ほどたった論文は。人類共通の財産としてダウンロードできるようにしていただけるとよいのですが・・・。





ツツジの葉の上をルリチュウレンジの幼虫を探してキアシハリバエがうろうろしていました。ちっとも止まってくれません。いつも、この名前を書くとき、本当に「キアシ」でよいのだろうかと疑問になってしまいます。ちっともキアシではないからです。もう一度、調べ直してみます。



こちらはこの間から出ているヤドリバエ科のTrigonospila ludio?です。これも最後のひと押しができなくて、?マーク付きです。



小さなアシナガバエです。翅脈に特異なところがないので、今のところパスです。



ピントが合わなかったのですが、小さなハエです。以前も見たような気がするのですが・・・。



最後はユスリカです。これは♂だし、採集して検索したらよいのにと思ったのですが、この間からの水漏れ騒動、その後の写真展もどき、虫展で、どうも心の余裕がなくなってしまっています。それに、プレパラートを作るというところがどうもネックになっています。残りの虫は次回に回します。
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No title

日本産アブ科雌成虫の分類にも、ハタケヤマアブの翅は透明ですが、ウシアブの翅は淡褐色にくすむとあるので、ウシアブで問題無さそうです。

虫展、準備も大変そうですが、話のネタの方も大変そうですね。

No title

確かにそう書かれていますね。それではこの個体はウシアブで大丈夫ですね。翅の色を見よと忘れないように検索表に書き込んでおきます。どうも有難うございました。

虫展では初日、「虫ウォッチングのすすめ」というタイトルで話したのですが、二日目は同じ話にしようか、別の話にしようかと迷ってしまいました。結局、二つの話を用意していったのですが、リピータがいなかったので同じ話をしてしまいました。
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